最近、子どもがなんとなくボーっとしていて、何事にも集中していない気がする……。
もしかしたら、それは花粉症が原因かもしれません。子どもは自分で気がつきません。大人が気づいてあげることが大切です。
鼻づまりで口が開いて口呼吸
小学2年生の担任の鈴木先生(仮名)に聞いた話です。
鈴木先生は最近のはるかさん(仮名)の様子が気がかりでした。
はるかさんはいつも元気いっぱいで、行動もてきぱきしています。
掃除も係の仕事もよくやりますし、授業にも集中して発表もよくします。
でも、この数日はいつもの元気がなく、行動も緩慢です。
授業中もぼうっとしていて、勉強に集中できていません。
鈴木先生は、「そろそろ叱る必要があるのかも」という気持ちではるかさんの近くに行ったら、あることに気がついたそうです。
それは口が開いているということです。
どうやら鼻が詰まって口呼吸をしているようなのです。
もうひとつ、目の周りがむくんでいることにも気がつきました。
それで、鈴木先生はこれは花粉症じゃないかと気がついて親御さんに連絡しました。
親御さんがさっそく医者に連れて行ったら、やはり花粉症だったそうです。
子どもは花粉症の影響をまともに受ける
子どもは自分で花粉症だと気がつきませんので、大人が気をつけている必要があります。
それまでかかっていなかったとしても、急に発症するということもあります。
大人でも、呼吸がしにくい、鼻水が出る、目がかゆいなどの状態ですと、集中力も注意力もかなり下がります。
大人でしたら、ある程度は意志力で自己コントロールして、カバーできないこともありませんが、子どもはそういうことが苦手です。
ですから、花粉症の影響をまともに受けてしまいます。
勉強にも影響が出ますし、生活の質全体が下がります。
ぼうっとして歩いていると安全上の問題もあります。
それに、子どもの花粉症は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの他のアレルギーとの関わりがあることもあるそうです。
素人判断でなく医者に診てもらう
子どもが花粉症かもと思ったら、医者に診てもらって適切な治療をしてもらうことが大事です。
原因の花粉が特定できますし、その子の症状に合った薬を出してもらえるからです。
それに、その子に合った対策のアドバイスをもらえます。
つい素人の自己判断で市販薬に頼りがちですが、それにはリスクがあります。
その薬がその子の症状に合っていないこともありますので、一種の賭のようなものです。
いろいろな花粉症対策を
次のようなことも大切です。
- テレビやネットで花粉の飛散情報を見る。多いときは外出を控えるなども
- マスクや眼鏡をつける
- 花粉が付きやすいすいウールなどの服は避ける
- 花粉を家の中に持ち込まないように、玄関で服を払ってから入る
- 手洗い、うがい、洗顔、洗眼などで花粉を洗い流す
- 家のドアや窓を開けっ放しにしない
- 家の中をまめに掃除して花粉を減らす
- 洗濯物を取り入れるとき、花粉を払い落とす
- 柔軟剤を使うと静電気が起こりにくくなり、花粉も付きにくくなる
- 部屋干しも選択肢の一つ
ネット検索して情報を得よう
ご自身でも、一度ネットで検索してみて情報を得てください。
「花粉症 対策 子ども」などのキーワードを組み合わせればいいと思います。
もっと根本的かつ長期的な視野に立って考えれば、食生活や睡眠など、生活習慣の改善も必要になるでしょう。
この記事の監修・執筆者
長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。X、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。
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