子どものやけど、日焼け…こんなときどうする?【小児科医が教えるけがの手当て】

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子どもたちは毎日の生活や遊びの中で、頻繁にけがをします。
家庭でできる手当ては? 病院に行ったほうがよいけがは?
そんな身近な疑問にお答えする連載です。

今回は、やけどや、日焼けによるけがの手当てについて、みやのこどもクリニックの宮野孝一先生にお伺いしました。

監修/みやのこどもクリニック 院長 宮野孝一

目次

1 こんなときどうする? やけど

熱いお湯や蒸気、コンロ、暖房器具などに触れて起こるやけど。

冬に多いイメージかもしれませんが、この時期、バーベキューやキャンプなど野外で火を使う機会があったり、屋外で熱くなったコンクリートに触れたりしてやけどすることも…。

オールシーズン起こりやすいけがとして、対処法を確認しておきましょう。

まずはCheck!

□やけどをした部位
□やけどをした体表面積が10%を超えていないか
□皮膚の状態

体表面積のめやす
乳児…頭部20%、胴体(前後それぞれ)20%、片腕10%、片脚10%、手のひら1%
幼児…頭部15%、胴体(前後それぞれお)15%、片腕10%、片脚15%、手のひら1%
※とくに乳児では体表面積の10%のやけどは命にかかわるため、即刻冷やして救急車を呼びます。

手当ての仕方

(1)冷やす

流水か、氷水を入れた洗面器などに患部をつけるか、冷たいタオルを交換しながら当てて、痛みの感覚がなくなるまで20~30分程度は冷やします。流水は、水圧が強すぎないように注意を。

やけどの面積が狭い場合は、保冷剤か氷を包んだタオルで冷やしてもかまいませんが、冷やした部位の組織が損傷してひどくなることがあるため、短時間に留めます。
服の上からやけどをした場合、布が皮膚にはりついている場合があるため、絶対に無理に脱がせず、そのまま冷やします。
冷やす過程で低体温になりそうな場合や、寒そうな場合は保温しながら冷やします。

(2)患部を保護する

清潔なガーゼを当て、患部には何もぬりません。水ぶくれができたり、皮膚がただれたりしている場合は病院へ。
水ぶくれが破れたときは無理にはがしたりせず、そのまま病院へ。

こんなときは救急車を呼ぶ・急いで病院へ

  • 体表面積の10%以上のやけど
  • 頭、顔、肛門、性器周辺のやけど
  • 皮膚が黒っぽい、白っぽい
  • 患部から衣服がはがれない
  • 強い痛みがある
  • 水ぶくれがある
  • 低温やけどをした

2 こんなときどうする? 日焼け

実は、「日焼け」もやけどの一種だとご存知でしょうか。

日焼け対策をしたうえで、生活の中でじょじょに焼けているのであれば必要以上に心配しなくても大丈夫です。

ただ、急に長時間、太陽に当たったり、プールや海など紫外線の強いところに行ったりすると、痛みや熱を持つことがあります。

まずはCheck!

□日焼けの面積
□赤みや痛みはあるか
□水ぶくれの有無

手当ての仕方

(1)冷やす

皮膚への刺激を押さえて、弱めの流水やぬらしたタオル、保冷剤を包んだタオルなどを患部に当てます。

(2)保湿する

肌のほてりをしずめてから、保湿をします。刺激の少ない保湿剤やワセリン、ローションなど、油分が少なく伸びがよいものを選びましょう。

また、日焼けした際は、皮膚のバリア機能が弱って、体全体の水分も、普段よりも少なくなっています。しっかりと水分補給を行いましょう。

ほてりや痛みが治まるまで、熱いお風呂やシャワーは避けて、ぬるめの弱いシャワーにするとよいでしょう。
まずは予防として、日焼け止めが有効ですが、ひどい日焼けをした場合は、患部を冷やした後、日焼け止めを落としてから保湿を行います。

こんなときは病院へ

  • 脱水症状がある
  • 高熱が出る
  • 水ぶくれができている
  • 倦怠感が治まらない





まだまだ暑いこの時期、適切な予防対策をしっかりとしながら、夏を楽しみましょう!

この記事の監修・執筆者

みやのこどもクリニック院長 宮野 孝一

みやのこどもクリニック院長。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医であり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの診療にも積極的に取り組む。

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