学校での視力検査で近視と言われた、学校の黒板が見えづらいと言っている、本やテレビをしかめっ面で見ている…。子どもの視力が悪いことがわかり、この夏、初めてのメガネを作ることになったという方も多いのではないでしょうか。
いざメガネを作るとなると、どんなメガネをどこで買えばいいのか、子どもにどうやってメガネの扱いを伝えたら…など、さまざまな疑問が胸をよぎります。大人用と子ども用でメガネはまったく違うものといいます。子どもメガネの専門店「こどもメガネ アンファン」を展開するオグラ眼鏡店の舘田一幹さんに、初めて子どもにメガネを用意するときのポイントをお伺いしました。
メガネ店へ行く前に、小児眼科で正確に検査を
メガネは子どもの目が正しく発達するためにかける「医療機器」です。子どもの成長と未来のためにも、ぜひ正しい知識をもとに、お子さんにぴったりのメガネを選んでください。まずは近視のお子さんのための、メガネの選び方をご紹介します。
子どもの目は成長過程にあり、機能も完成していません。そのため、お子さんにメガネを用意するときは、まずは眼科で正確に視力を測り、視力低下のほかに見えづらさの原因がないかの確認が必要です。
学校の視力検査の結果だけでメガネ店を訪れるのではなく、まずは眼科でしっかりと検査したうえで視力矯正が必要な場合に、処方箋をもってメガネ店を訪ねるようにしてください。
●使用意図を正確に把握して
眼科の先生とお話をよくしていただき、メガネが必要なのが授業中だけなのか、体育やスポーツをするときはどうするのかなど、お子さんの視力矯正の使用意図を把握しておくことが大切です。たとえば、サッカーとスイミングでは、準備するメガネの種類も変わってきます。細かく眼科医と相談し、正しくメガネを使いましょう。
お子さんの視力を守るためにも、眼科から処方された使い方を正しく守ることが大切です。
●メガネ店選びのポイント
子どものメガネには定期的なメンテナンスが必要なので自宅からの通いやすいお店を選びましょう。メガネの扱いに慣れていないお子さんの場合、フレームがゆがんだり、レンズに傷がつくこともよくあるので、相談しやすいお店を選ぶのがよいでしょう。そのうえで、子どものメガネをよく理解しているスタッフがいるお店が安心です。
メガネ選びはまずサイズを測ってから
メガネ店へ行くとさまざまなメガネが並んでいますが、一番大切なのは顔のサイズに合ったものを選ぶこと。いろいろなメガネを試す前に、まずは顔のサイズを測りましょう。
眼科医が出す処方箋には、お子さんの視力に合わせたメガネの度数が指定されています。それは、眼球からレンズが12mm離れているときに適切な視力になるように処方されています。つまり、サイズが合わないメガネをかけると、眼球からレンズの距離が近すぎたり、遠かったりして、レンズ本来の度数が発揮されず、視力もうまく矯正されなくなってしまうのです。
眼球とレンズの距離などが正しい眼鏡を作るためには、顔のサイズを測り、お子さんの顔に合ったフレームを選ぶことをオススメします。
お子さんが成長すると、骨格も変わってくるため当然メガネのサイズも合わなくなってきます。できるだけ3カ月に一度はメガネ店で定期メンテナンスをし、レンズ位置やかけ心地のチェックをするようにしましょう。
「子どもはすぐに大きくなるから大きめのメガネを作りたい」というご相談もよくいただきますが、同じ理由でおすすめはできません。今のお子さんのサイズに合ったメガネを作ることが、お子さんのためと言えるでしょう。
●メガネのフィッティングのポイント
・フロント(前枠)のサイズが顔幅に合っているか
・鼻パッドが鼻にフィットしているか、調整は可能か
・テンプル(つる)の長さは適切か
・モダン(テンプルの先)が耳にしっかりかかっているか
●子ども用に作られたメガネがよい理由
子どもは顔と耳のバランスも骨格も、大人とは異なります。そのため、子ども用のメガネと大人用のメガネは根本的に作りが違うのです。
子ども用メガネは、子どもの顔の形を研究し、フィットするようにデザインされているため、度数を正確に出すことができ、かけ心地がよく、結果的にかわいらしく見える、といいことばかりです。子どもに配慮したメガネをぜひ選んであげてください。
「アンファン」のオリジナルフレームは、よりきめ細かな調整ができる独自の設計をしています。鼻が当たる部分は、高さも幅も正しいフィッティングになるような構造で、強度も十分です。つるの先端部分も、耳をがっちりホールドしたい場合にはオプションで形を変えられるので、お好みや使用意図に合わせてパーツを選ぶこともできます。
★子ども用メガネ専門店 人気のメガネフレーム3選
「フェイスフォントジュニア」
βチタンとナイロン製樹脂で構成された軽量フレーム。デザイン性と機能性が高く、人気の商品。
「シー・モード ジュニア」
アンティーク調カラーの丸型タイプは、トレンド感のあるクラシカルデザイン。
「アンファン スペックス」
軽くて強いシンプルなスタイルで、お子さまも安心。フレームが顔を包み込むつくりで、しっかりフィット。
サイズが合うもののなかから、子どもが気に入るものをチョイス!
お子さんの顔のサイズに合っていて、必要としている機能を備えたメガネがわかれば、それを満たしたメガネをたくさんかけてみてください。かけてみると、フレームの好き・嫌いや、似合う・似合わないがわかってくると思います。ランドセル選びと同じで、お子さんが好きだなと思ったものを選ぶとよいでしょう。お子さんの反応をよく見てあげてください。
素材は大きく2つに分けて、プラスチックとメタルがありますが、お好みで構いません。調節幅があるか、細かな調節に対応できる作りかを見ておくとよいでしょう。
顔に似合うかどうかの判断は本人やご家族次第ですが、メガネを選ぶ際は以下の2点もチェックしてください。
・黒目がメガネのレンズの真ん中より、やや内側にきている
・黒目の高さはレンズの真ん中より少し上くらい
メガネの取り扱い方法を伝えよう
●持つときのポイント
顔からメガネをはずすとき、片手でヒョイッと取ることを繰り返していると、フレームがゆがんでしまいます。メガネを持つときは、
・両手で持つ
・フレーム(つるの部分)をやさしく持つ
ことを意識しましょう。
●清潔を保つ
メガネは肌に触れるものなので、汚れがちです。長く、気持ちよくつき合っていくためにも、清潔にしましょう。
・汗をかいたときはやわらかい布で拭く
・1日に1度は水道水で洗って、拭く
・汚れたときは、中性洗剤(食器用洗剤)を薄めた水で洗い、よくゆすいで拭く
・メガネ拭きは、定期的に洗濯用ネットに入れて洗う
●使わないときはケースに入れる
初めてメガネを使うお子さんは、なにげない動作でメガネをはずし、どこに置いてきたかわからなくなることがよくあります。『メガネをはずしたら、必ずケースに入れる』、このルールを徹底することで、メガネの紛失は防げます。踏んでしまったり、壊してしまったりすることもなくなるので安心です。
●定期メンテナンス・アフターフォローを利用する
メガネが壊れていない場合も、かけ心地や不具合のチェックを定期的にすることが大切です。「アンファン」では、3カ月に一度のメンテナンスをオススメしています。きめ細かな調整で、快適なメガネ生活が送れます。
また、もしもメガネをぶつけたり、踏んでしまったりしたときは、その都度お店をたずね、メンテナンスを依頼してください。
子どもの視力を守るためにも、そしてよりよい成長を支えるためにも、楽しくメガネをかけられる環境をつくっていきましょう。
この記事の監修・執筆者
1991年、こどもメガネ専門店として誕生し、一人ひとりに合ったオンリーワンのメガネを提案。小児眼科医からの意見を取り入れ、きめ細かな調整ができるオリジナルフレームのほか、成長期の活発な子どものためのカスタマイズやアフターフォローが充実している。
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