【医師監修】子どもを低血糖にさせないために保護者ができること よくある質問Q&A

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【医師監修】子どもを低血糖にさせないために保護者ができること よくある質問Q&A

前回は、子どもの低血糖の原因は風邪や胃腸炎だけでなく、長時間体内に糖分が補給されないために引き起こされることなどをご紹介しました。今回は、子どもの低血糖を防ぐために保護者ができることを解説します。

お話は、前回に引き続き、たけつな小児科クリニック院長の竹綱 庸仁先生です。

目次

“非日常の日”は、手軽な糖分補給を心がけて

子どもがたびたび糖分不足による低血糖を繰り返したとしても、それをきっかけに病気になる、ということはあまりありません。しかし、何度も低血糖発作を起こす場合は、なんらかの病気が隠れている可能性があるため、小児科を受診するようにしましょう。

子どもに関わらず、人間の体は「恒常性」といって、体をもとの状態に戻そうとする機能があるため、基礎疾患や体調不良、過度な運動などの“非日常”がなければ、低血糖を頻繁に起こすことはまれです。普段からよい栄養バランスと十分な休息を心がけ、生活リズムを整えることは、子どもの健やかな成長のためにはいうまでもありません

ただし、旅行や一日中出かけて活動する、激しい運動をするといった“非日常”を過ごす場合は注意が必要です。食事時間が不規則になり、栄養バランスを整えるのが難しく、子どもも大人も遊びに夢中で食事がおろそかになり、低血糖を起こす可能性が高まるからです。手軽に、いつでも糖分補給ができるようにアメやグミなどをカバンに常備し、2時間ごとなどに意識して与えるようにしましょう。

大人と子どもでは体に糖を貯蔵できる量が異なります。大人よりもこまめに、良質の糖分を補給できるように準備してあげましょう。

普段から気をつけたい! 良質な糖分補給Q&A

Q 子どもへの“良質な糖分”とは具体的には何でしょうか?

A 血糖値を上昇させて、持続させる食材です

前回おすすめした「おにぎり」「おせんべい」は、血糖値を上げ、長時間維持できるため、おすすめです。そのほか、「ようかん」、「サツマイモ」も良質な糖分といえます。

おにぎりをほおばる子ども

お菓子などの甘いものやカロリーが高いものは血糖値を上げはしますが、急速に落ちる食材もあるため注意が必要です。たとえば、チョコレートやアイスクリーム、ジュースなどは血糖値を急激に上げるものの持続性がなく、2時間後くらいにまた不調になることもあるので注意が必要です。

Q 子どもが低血糖にならないように朝は菓子パンやジュースなど高カロリーなものを与えています

A カロリーではなく糖質の量で検討しましょう

低血糖を予防したり、回復したりするためには食品のカロリーではなく「糖質の量」が重要です。繰り返しになりますが、「血糖値を急速に上げすぎない」「血糖値を維持する」食材を選ぶようにしましょう。

Q 胃腸炎のとき、リンゴジュースをすすめられるのはなぜですか?

A 栄養価が高いからではなく味がやさしいからです

胃腸炎では多くの場合、吐き気や嘔吐が見られます。オレンジジュースは酸味が強く、吐き気につながることもあるため、口当たりが優しく飲みやすいリンゴジュースやももジュースがよい、とされています。

子どもの好みにあわせて大丈夫ですが、ぶどうジュースは吐いたときの色を怖がることもあるので要注意。

Q ラムネ菓子も糖分補給には有効でしょうか?

A 吐き気との相性はあまりよくありません

ラムネ菓子は糖分だけで構成されているので、栄養価としては優秀ではありますが、ぱさぱさ感がのどを刺激してしまう可能性も。元気なときやお出かけのときなどにはOKですが、病後で吐き気がある場合などは、アメのほうがよいかと思います。ただしアメには血糖値の持続性はないことと、誤飲に注意してください。

飴をなめる子ども

Q コーンスターチが糖分補給によいと聞きました

A 食事に工夫して取り入れてみてみましょう

コーンスターチは、長時間血糖値を維持できるのでおすすめです。スープなどのとろみづけに利用して摂取するのもよいでしょう。


子どもの体調変化は、急に起こることもあります。少しでもいつもと違う様子、行動が見られた場合、保護者の方が違和感を覚えたときは、小児科を受診しましょう。早めに受診することで、重症化や入院を回避することができます。

この記事の監修・執筆者

たけつな小児科クリニック 院長 竹綱 庸仁

愛知医科大学医学部卒業後、愛知医科大学病院 小児科で勤務。大学病院を退職後、奈良県の二次医療機関の小児科の立ち上げを行い、平成29年奈良県生駒市にたけつな小児科クリニックを開院。「日本一、子どもに好かれる小児科医」として親しまれ、「すべては子どもたちのために」をモットーに地域の子どもたちの「こころ」と「からだ」を支えている。病児保育室、発達支援施設も運営。取材、執筆多数。

http://www.taketsuna-kojika.com

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