【浴衣をセルフクリーニング】基本の洗い方や保管方法を専門家が解説

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浴衣は季節らしさを感じることができ、着るだけで日常に特別感を演出できますよね。けれど、お手入れの仕方や保管方法をよく知らない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで本記事では、ご家庭でできる浴衣のかんたんお手入れ方法や、保管方法について解説します。ぜひ参考にして、浴衣に親しむきっかけにしてくださいね。

文/マムズラボ

目次

浴衣は自宅でお手入れできる? 毎回洗わないといけない?

浴衣を着た経験のある方でも、お手入れをしたことがある方は少ないのではないでしょうか? 浴衣の素材によって異なりますが、家庭でも浴衣のお手入れをすることは可能です。ここでは、その方法についてお伝えします。

クリーニングに出さなくてもOK

浴衣を洗濯する際、クリーニング店に浴衣のお手入れをお願いすることもできますが、平均して1枚あたり1,000~3,000円ほど費用がかかります。また、ノリが効き過ぎたり、プレスが強過ぎてペタンコになってしまったりと、生地の風合いを損なうケースもあります。

家庭でお手入れする場合は、クリーニングの費用を抑えながら好みの状態で仕上げることができるのでオススメです。

ただし生地の素材によっては、お家でお手入れすると縮む可能性もあります。絞りや絹紅梅などが素材の浴衣は、専門店にお手入れを任せましょう。お手持ちの浴衣の素材がわからないときは、自己判断せずに近くの呉服専門店に相談してくださいね。

とくに汚れがなければ、毎回洗わなくてもOK

浴衣は暑い季節に着ることが多いため、汗や匂いが気になることもあるかもしれません。しかし、着用の度に浴衣を洗う必要はありません。

ただし、浴衣を着用したあとはそのまま放置せずに、ハンガーに吊るして風通しのよいところで半日ほど干し、湿気を取りましょう。

その後、浴衣の状態を確認し、とくに汚れなどがなければすぐに洗う必要はありません。シーズンが終わって着なくなるタイミングで洗うだけでも大丈夫です。

汗じみができるほどに大量に汗をかいたり、泥がついたりしたときは、一度しか着ていなくても洗いましょう。着用後の汚れの状態で判断するようにしてくださいね。

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浴衣をセルフクリーニングするときのポイント6つ

浴衣を洗う前に洗濯表示を確認し、「洗濯機洗い」「手洗い」の表示があれば自宅での水洗いが可能です。水洗い不可となっている場合は呉服専門店に任せましょう。洗濯表示がない場合は、購入したお店に確認してください。

ここからは、自宅で浴衣を洗う際のポイントについて解説していきます。

1.色落ちしないか確認する

生地に使われている染料によっては色落ちしやすいものもあります。色の濃い浴衣はとくにその傾向が強いため、事前に色落ちチェックを行いましょう。色落ちチェックのときは、色落ちしても目立たないような、裏側の縫い込み部分や帯でかくれる部分で試してくださいね。

色落ちチェック

1、 白い布かタオルを水でぬらして絞り、そこに洗剤を数滴たらす
2、 1で浴衣の目立たない部分をたたく
3、 1に浴衣の色が移れば色落ちする可能性が高いため、専門店に相談を!

2.シミがある場合は前処理をする

浴衣全体をチェックしてシミがあった場合は、事前に落としておきましょう。汚れの原因によって処理の仕方が違うので、以下を参考にして汚れの前処理を行ってください。

・ファンデーションがついている場合:歯ブラシにクレンジングオイルをつけてこする
・食べこぼしの場合:下に布を敷き、水で薄めた食器洗剤をつけたタオルでたたく
・泥などがついている場合:ドライヤーを使って泥を乾燥させてから、乾いている歯ブラシを使ってやさしくこする。このとき、歯ブラシには何もつけずにこするようにする

3.ぬるま湯で押し洗いをする

前処理が終わったら、手洗いを行います。たらいや洗面器にぬるま湯をいれて、中性洗剤を溶かします。そこに畳んだ浴衣を入れて、やさしく丁寧に押し洗いしてください。

4.洗濯機で洗うときは「手洗いモード」で

手洗いが望ましいですが、洗濯機を使用する場合は、畳んだままネットにいれて「手洗いモード」で洗ってください。脱水し過ぎるとしわの原因になるため、脱水時間は1分程度にとどめてくださいね。水分が残っている状態で干すと、しわ伸ばしに効果的です。

5.風通しのいい日陰で干す

洗濯が終わったら、水分を軽く絞ります。手洗いなら、手のひらで浴衣を押しながら水分を出すようにしてください。洗濯機を使用する場合は1分ほど脱水してください。

水分を絞った後は、しわがないようにしっかりと伸ばします。直射日光が当たらない、風がよく通る場所で、形を整えて干しましょう。和装ハンガーがある場合は使用し、ない場合は物干し竿に直接かけて干してくださいね。

6.保管前の仕上げを行う

しっかりと乾いたら、着物と同じように畳みます。干すときにしっかりとしわを取っていれば、アイロンをかける必要はありません。

ノリを効かせたい場合は、市販の「スプレーのり」を全体に吹き付けてからアイロンをかける方法が簡単です。必ずあて布をして、洗濯表示の温度に従いましょう。

浴衣の保管方法で気を付けたいポイント4つ

お気に入りの浴衣を長く楽しんで着るためには、保管方法も大切です。カビと変色にはとくに注意が必要なため、ここから紹介するポイントを踏まえ、正しい保管方法で浴衣の状態を保ちましょう。

1.正しい畳み方で「たとう紙」に包んで収納

浴衣を収納する際は、正しい畳み方で畳み、「たとう紙」で包んで保管するのが基本です。「たとう紙」の和紙が水分を吸収するので、カビの発生を防ぐ効果が期待できます。

また、「たとう紙」にくるむことで汚れがつかず、きれいな状態を保ちやすくなります。ただし「たとう紙」は湿気を吸うので、定期的に交換するようにしてください。

「たとう紙」で包むときに間違った畳み方をすると、浴衣にしわができる恐れがあるため注意してくださいね。またクリーニングに出した場合は、ナイロンの袋から出して保管するようにしましょう。

2.直射日光が当たらない、湿気の少ない場所で保管

浴衣は、直射日光が当たる場所に置いておくと色褪せや変色が発生します。そのため、必ず直射日光の当たらない場所で保管しましょう。

湿気は下のほうに溜まりやすいため、保管場所はできるだけ高いところのほうが安心です。家の中でもできるだけ高い場所に保管したり、たんすやクローゼットの上段にしまうことをオススメします。

3.年に数回は「虫干し」をする

浴衣を毎年着る場合は、半年に1回くらいのペースで虫干しを行うと、虫による被害を予防できます。浴衣を着る頻度が低い場合は、4か月おきの虫干しがオススメです。

虫干しをしていれば、浴衣の変色やカビにも早いうちに気づくことができ、対処できます。シミやカビの付着が長期化すると落としづらくなり、せっかくの浴衣を着られなくなるかもしれません。定期的に虫干しを行い、浴衣を長持ちさせましょう。

また、保管するときに着物用防虫剤を入れておくと、より安心です。着物用防虫剤は、きものや浴衣に直接触れないように、「たとう紙」の上に置いてください。

4.小物類の保管方法にも注意

下駄に泥などの汚れがついている場合は、濡らした雑巾で取り除きます。しっかりと乾燥させ、汚れも取れたら、乾燥材といっしょに箱に入れて保管してくださいね。

バッグには新聞紙などを詰めて保管すると、型崩れを防ぐことができます。

正しい洗い方と保管方法で、来年も浴衣生活を楽しもう

季節のイベントはもちろんですが、普段のお出かけにも浴衣はオススメです。家庭での洗い方や保管方法をマスターすると、ファッションの楽しみを増やすことができます。ぜひ家族みんなで、浴衣生活を気軽に楽しんでくださいね。

この記事の監修・執筆者

兵庫県三木市呉服専門店「さ栄き」

昭和28年に神戸市中央区にて創業後、昭和62年に兵庫県三木市緑が丘に移転。
地元の皆様とともに60年。真心をこめて着物生活をお手伝いしています。
記事は、若女将の佐伯英美子が手掛けています。
https://www.instagram.com/kimonosaeki/

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