“イマドキの小学4年生”は、どのような生活を送っているのでしょうか?
学研教育総合研究所が2010年から実施しているインターネット調査「小学生白書Web版」の、2023年10月調査の結果をまとめてみました。
小学4年生200人に聞いた、リアルな生活実態とは?
一番多い習い事は「水泳」、2番目は「塾」
学校以外で行っている習い事をきいたところ、1位「水泳」(28.5%)、2位「塾」(18.0%)、3位「英会話教室」(14.0%)となり(下の表「学年別」 「小学4年生」の部分参照。以下同様)、小学4年生になると低学年の時に多かった「音楽教室」などの習い事が減り、塾へ通う子どもが増えることが分かりました。
また、「学校以外で行っている習い事(勉強やスポーツなど)はない」は23.5%で、特に習い事はしていないという子が「塾」や「英会話教室」よりも多く見られました。
学年別にみると、1年生から4年生までは「水泳」、5年生と6年生では「受験のための塾・学校の補習のための塾」が1位でした。
中学受験を希望する子は3年生より減少
4年生になると塾へ通う子が増えることが分かりましたが、子ども自身が中学校受験を希望しているかをきいたところ、「希望している」は31.5%となり、3年生(36.0%)や2年生(40.0%)、1年生(42.0%)の時と比べると減少する傾向が見られました。
また、4年生の保護者に対し、子どもに中学校受験をしてほしいかをきいたところ、「してほしい」が31.5%と、こちらは子どもの希望と同じ結果となりました。
自分専用のスマートフォンを持っている子は27.5%に
最近は、ゲーム機やスマートフォンについて、何歳で子どもに与えるべきかお悩みの保護者も多いのではないでしょうか。
家庭内で自由に使える通信機器をきいたところ、小学4年生では「ゲーム機」は50.0%と、半数の子どもが何らかのゲーム機で遊んでいることが分かりました。また、「スマートフォン」は子供専用が27.5%、家族と共有が16.0%と、子供専用のスマートフォンを持たせるご家庭が増えているようです。
前回の2022年調査と比べてみても、子供専用が20.5%、家族と共有が17.0%となっており、4年生で専用のスマートフォンを持つ子どもが昨年よりも増えていることが分かります。
また、学年別にみると、「パソコン」と「スマートフォン」は学年が上がるにつれ高くなる傾向がみられ、6年生では「パソコン」が51.5%、「スマートフォン」が63.5%となっています。
一番楽しいことは、男子も女子も「ゲーム」
何をしているときが一番楽しいかをきいたところ、1位「ゲーム」(45.0%)、2位「友だちとおしゃべり」(23.0%)となりました。
1位のゲームは、男子が58.0%、女子が32.0%と、男女ともに楽しいと感じている子どもが多いことが分かりました。
また、男女・学年別にみると、男子1年生では「外遊び」、男子2年生以上は「テレビゲーム・携帯ゲーム」、女子1年生では「おやつ」、女子2年生と5年生、6年生では「友達とおしゃべり」、3年生では「外遊び」が1位となり、学年によっても違いがありました。
将来なりたいのは「YouTuber」と「パティシエ」
将来なりたいと思っているものをきいたところ、男子は「YouTuberなどのネット配信者」(11.0%)、女子は「パティシエ(ケーキ屋)」(10.0%)が1位となりました。
男子の場合は、低学年では「警察官」や「運転士」が1位でしたが、女子は全ての学年で「パティシエ(ケーキ屋)」が1位でした。
33.0%の子が本を1冊も読まないと回答、10年前の2倍以上に
月にどれくらい本を読むか、【本】【まんが】【電子書籍】に分けてきいたところ、【本】では「3~4冊」が20.0%と最も多く、平均は4.1冊でした。
しかし、「読まない」と答えた子どもは33.0%と、まったく本を読まないという子もかなり多いことが分かりました。これは、2014年の10年前の調査では「読まない」と答えた小学4年生は14.5%だったことと比べてみると、読書量がかなり減っているということが分かります。
また、学年別では本を読む冊数の平均は下の学年ほど多くなる傾向がみられますが、高学年と低学年では読む本が違うため、こちらの結果については1冊あたりのページ数も影響していると思われます。
7割近くが午後10時までには就寝
ふだん夜何時ごろ寝ているかきいたところ、最も多かったのは「21:31~22:00」(29.5%)で、平均時刻は21:42でした。
また、それ以前に就寝している人数を合わせると、小学4年生の7割近くが午後10時までには就寝しているようです。
過去の調査と比較すると、平均時刻は、21:46(2020年)→21:45(2021年)→21:45(2022年)→21:42(2023年)と、大きな変化はみられず、21時台後半で推移している結果となりました。
白書シリーズについて
↑↑紹介した調査以外にも、「おこづかい」「好きな教科・嫌いな教科」「悩み」など、より詳しい調査結果が見られます↑↑
『白書シリーズ』は、幼児(3~5歳)、小学生、中学生、高校生を対象とした大規模アンケート調査です。子どもたちの日常生活や学習、将来つきたい職業や習い事に至るまで、調査内容は多岐にわたります。40年以上前から、時代と共に変わりゆく子どもたちの“いま”を捉え、発信し続けています。
回答者の属性
【子どもの属性】
2023年調査時に小学1~6年生、性別は男子と女子が半数ずつ。
<6学年総合計1,200人>
1年生 200人 (男子100人/女子100人)
2年生 200人 (男子100人/女子100人)
3年生 200人 (男子100人/女子100人)
4年生 200人 (男子100人/女子100人)
5年生 200人 (男子100人/女子100人)
6年生 200人 (男子100人/女子100人)
【住んでいる地域】
人口比率を考慮し、日本全国から回答を得ることができるように実施。北海道・東北地方(8.3%)、関東地方(35.6%)、中部地方(17.8%)、近畿地方(19.9%)、中国・四国地方(8.2%)、九州・沖縄地方(10.3%)。
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