【小4の壁ってなに?】原因やのり越え方、保護者のNG行為とは? 

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【小4の壁ってなに?】原因やのり越え方、保護者のNG行為とは? 

「小4の壁」とは、10歳くらいの子どもが、放課後の居場所がないと感じたり、学校の勉強についていけず劣等感をおぼえたり、といったさまざまな悩みに直面することを指します。

なぜこのタイミングで悩みごとが増えるのでしょうか。この記事では、小4の壁の原因や、のり越えるために保護者ができることについてご紹介します。

文/マムズラボ

目次

小4の壁の具体的な問題と原因

小学4年生くらいの子どもが悩みにぶつかる「小4の壁」ですが、この年頃の子どもがどのような悩みに直面しやすいのかをご紹介します。 

放課後に居場所がない

かつて、「小4の壁」は学童保育が小学4年生から使えなくなるため、子どもの行き場がなくなる問題、という意味で使われていました。

2015年4月に「子ども・子育て支援新制度」が施行され、学童の対象年齢が「おおむね10歳未満」から「小学6年生まで」に引き上げられましたが、地域や学校によっては、実際に利用しているのは低学年の子が多くなっています。そのため、同学年の友だちがいないことから行きたがらないなど、小学4年生くらいで退所する子どもが多いのが現状です。 

制度上は改善されても、学童を退所したため小学4年生の子どもが放課後1人でお留守番せざるを得ないという状況が一部で残ってしまいました。その結果、なかには「自分の居場所がない」と寂しさを感じてしまう子どももいるようです。 

勉強についていけない

小学4年生になると、勉強の難易度がグッと上がるのも小4の壁の原因の1つです。算数や理科などは、とくにイメージのしにくい抽象的な概念の問題が増えてきます。そのため、勉強に対して苦手意識を持ちやすく、「ついていけない」とつまずいてしまう子どもも少なくないのです。 

また、大都市圏など中学受験が盛んな地域では、小学3年生の2月から中学受験の塾に入る子が多くなります。「塾に入れば勉強はできるようになるだろう」と保護者は思い込みがちですが、塾内での学力格差に、子どもが人知れず悩んでいることも少なくありません。

友だちづき合いがうまくいかない

 小学4年生ごろになると、友だちづき合いもそれまでとは変わってきます。 

この年頃では、精神的にも成長し、物事を客観的に見られるようになります。同時に、学力や容姿、環境の差など、他者と自分を比較することもふえ、自信をなくしやすくなるのです。 

また、友だちとの仲間意識やグループ化により、「周りに合わせないと仲間外れにされてしまう」といった同調圧力も感じやすくなります。ほかにも、友だちどうしの束縛や依存など、友だちづき合いがうまくいかなくなってしまうケースも小4の壁の原因の1つといえるのです。 

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小4の壁をのり越えるために保護者ができることとは?

「小4の壁」にぶつかって子どもが悩んでいるとき、保護者の対応がとても大切です。しかし、どう接したらよいのか迷うこともあるでしょう。 

ここでは、小4の壁をのり越えるために保護者ができることをご紹介します。

子どもと関わる時間を見直す

4年生くらいになると、常に保護者がついている必要がなくなるため、子どもとの時間がへってしまうという家庭が多いようです。仕事などで子どもとの時間があまり確保できていないと感じるかたは、平日はできるだけ早く切り上げたり、休日に子どもとの時間を意識してつくったり、子どもと関わる時間を意識してふやしましょう。 

保護者が忙しそうにしていると、子どもは遠慮してなかなか本音を言えないこともあります。子どもと過ごす時間をふやし、話を聞いてあげることで、子どもは精神的に安定し悩みをのり越えやすくなります。 

子どもの学習をサポートする

前述のように勉強が難しくなるので、学校の授業についていけているか、保護者はなるべく目配りをしましょう。 

とくに、算数は一度つまずいてしまうと、その先もわからなくなってしまいます。どこからわからないのか、早期につまずきを発見することが大切です。保護者が教えるのもよいですが、教え方が学校と違うと、混乱の元となります。 

つまずきが最近ならば担任の先生につまずいている箇所を連絡帳などで伝え、フォローをお願いするのがよいでしょう。かなり前からつまずいている場合は、教科書に準拠したドリルの活用、また補習塾、家庭教師などを検討する場合もあるかもしれません。 

子どもの自己肯定感を高める

学習のつまずきや友人関係のストレスなど、小4の壁にぶつかった子どもは自己肯定感が低下したり、精神的に不安定になったりしやすくなります。そのため、保護者は子どもが自己肯定感を高められるような接し方を意識しましょう。 

とくに、客観的に優劣のわかりやすいテストの点数やスポーツでの勝ち負けなどは、子ども自身が気にしていることがあります。そのため、結果ではなく、がんばった過程をほめるようにしましょう。

「すごく努力しているね、かっこいいよ」「毎日コツコツ練習していてすごいと思う」など、子どもががんばっているという事実を認めることが大切です。 

保護者はいつでも子どもの味方であることを伝える

小学4年生ごろになると、「プレ思春期」とよばれる時期にさしかかります。保護者と距離をとりたくなったり、反抗的な態度をとったりと、なかなか本音を話してくれないこともあるでしょう。それでも、「ママパパはいつでも味方だよ」「困ったときはいつでも助けるからね」と伝えることが大切です。 

いつでも守ってくれる存在を感じることで、子どもは安心して「小4の壁」をのり越えることができるでしょう。

小4の壁に直面したときに、保護者がしてはいけないNG行為とは?

小4の壁に直面した子どもは、大人が想像する以上に繊細で、傷つきやすく、ストレスを抱えやすいものです。保護者が対応を間違えてしまうと、子どもを追い詰めてしまうことになりかねません。ここからは、保護者が気をつけたい、してはいけない行為を解説します。 

子どもと向き合おうとしない

仕事や家事・育児など、保護者も日々忙しいでしょう。しかし、その忙しさを理由に子どもの存在を忘れてはいけません。保護者に向き合ってもらえなかった子どもは、「自分は大切にされていない」と感じ、自己肯定が育まれない可能性があります。 

忙しくても、子どもとのスキンシップや会話をする時間を確保し、「いつでも気にかけているよ」と伝えることが大切です。 

ほかの子どもと比較する

小4の壁に直面している子どもは、友だちと自分を比較し、自信をなくしてしまいがちです。そんなときに、大好きな保護者からほかの子どもと比較されると、自分が否定されたような気持ちになってしまいます。 

比べるなら友だちとではなく、過去の本人と比べ、「こんなに成長している」と伝えるのがよいでしょう。 

感情的に意見を押しつける

子どもが素直に話してくれなかったり、反抗的な態度をとったりすると、思わずイライラして感情的に叱りたくなってしまうこともあるかもしれません。しかし、子ども自身も悩み、どうしてよいのかわからずストレスを抱えています。

保護者は冷静に対話することを心がけ、頭ごなしに叱ったり、感情的に意見を押しつけたりしないようにしましょう。 子どもから話してくれることを待つ忍耐も必要です。

子どもといっしょに小4の壁をのり越えよう

小4の壁は、子どもから思春期への大きな変化の第一歩です。子ども自身も悩みを抱えますが、保護者もどうしてよいのかわからず、慌ててしまうこともあるでしょう。 

しかし、いつまでも同じ壁が立ちはだかっているわけではありません。落ち着いて「どんなときもママパパが見守っているよ」と伝え、温かく寄り添い、子どもが自分の力で壁をのり越えるのをサポートしていきましょう。 

この記事の監修・執筆者

曽田照子

作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』

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