新年度になると学校から新しい教科書が支給されます。そのため、学年をまたいで使うものや、復習のために保管しておく教科書とは別に、不要になる教科書が出てきます。
今回は、教科書の処分のしかたや捨てる以外の方法をお伝えします。処分する際の注意点についてもご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
文/マムズラボ
教科書の捨て方や分別方法は?
教科書を捨てるときの主な方法は「資源ゴミ(雑誌・その他の紙・雑がみ)として捨てる」「可燃ゴミとして捨てる」の2つです。捨てるときには、各自治体により分別方法や回収日のほか、捨てる場所などのルールが定められているので、あらかじめ確認しておきましょう。
資源ゴミ(雑誌・その他の紙・雑がみ)として捨てる
ダンボールなどの古紙類等は、町内会・自治会・学校PTA・マンション管理組合等の実施団体と回収業者が協力して、資源集団回収という仕組みで回収を行っています(※1)。お住まいの地域により違いはありますが、資源集団回収では、教科書は基本的に「雑誌・その他の紙」や「雑がみ」に分類されていることが多く、資源ゴミとして捨てることが可能です(※2)(※3)。資源ゴミとして回収されると新しい紙製品にリサイクルされるので、環境にもよい処分方法といえます。
教科書を束ねるときは「ひもで十字にくくる(※2)」ことが一般的ですが、自治体によって束ね方の決まりがある可能性があります。
ほかにも、資源ゴミを回収している「リサイクルステーション」へ持ち込む方法もあります。リサイクルステーションは自治体が設置しているものや、スーパーや家電量販店などが駐車場や店頭に設置しているものなどがあります。
資源ゴミ(ミックスペーパー)として捨てる
自治体によっては、「汚れた紙・臭いの強い紙」と「資源集団回収の対象物である新聞紙・雑誌・ダンボール・牛乳パック等」以外のすべての紙類(※4)を資源ゴミとして扱うところもあります。
教科書がひどく汚れていて雑誌・その他の紙・雑がみとして回収されない場合、ページを破り、ミックスペーパーとして回収できることがあるので、各自治体に確認してみてくださいね。
●ミックスペーパーの具体例
・紙リサイクルマークがついているもの
・投込みチラシ
・パンフレット
・包装紙
・封筒
・はがき
・写真
・ノート
・メモ帳
・シュレッダー紙などの紙
・プラスチックコート紙
・合成紙
・レシート
・伝票等の裏カーボン紙など
(※4)
可燃ゴミとして捨てる
資源ゴミはリサイクルが前提のため、教科書がひどく汚れている場合は資源ゴミとしてみなされず、回収されない可能性があります。資源ゴミに該当しない教科書は、細かく破り可燃ゴミとして捨てるとよいでしょう。
●資源ごみ収集に出すことができない(リサイクルできない)紙類
・圧着はがき
・油紙
・感熱紙、感圧紙
・カーボン紙、ノーカーボン紙
・ビニールコート紙
・合成紙
・紙コップ等の内側加工品
・ステッカー、シール、ラベル類
・食品や油のついた紙
(※5)
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教科書を捨てる際の注意点
続いて、教科書を捨てるときに注意したいポイント3つをご紹介します。
1.来年も使うか確認する
捨てる前に、新しい学年でも引き続き使う可能性がないか確認しましょう。図工や保健、家庭科などの教科は、学年をまたいで次年度以降も同じ教科書を使用することがあります。また、社会の地図帳、音楽の歌の本などといった副読本や教材も、配付されてから卒業までずっと使い続ける学校が多いです。
筆者は、子どもが4年生になっても使う図工の教科書を3年生の春休み中に誤って処分したことがあります。購入しなおすことで解決しましたが、不安な場合は前年度の教科書を保管しておき、新年度がスタートして使用する教科書がはっきりわかってから処分することをオススメします。
なお、学年をまたいで使う教科書や資料については、年度末までに配付される学校からのお知らせなどに記載されていることがあります。不明な場合は担任の先生に確認してみましょう。
2.名前や学校名を消しておく
リサイクルステーションやゴミ収集所は、不特定多数のさまざまな人が利用します。名前や学校名がわかることで、個人が特定されたり、自宅や家族構成などが知られたりする恐れがあります。
そのため、教科書を廃棄する際は個人情報が記載されている部分を切り取る、黒ぬりするなどしてから破棄しましょう。
3.紙以外のものがついている場合は外す
ワークブックや副読本のほか、参考書や問題集などにCDなど紙以外の付属品がついている場合があります。資源ごみとして捨てる場合、紙以外の付属品はできるかぎり取り外してから捨てるようにしましょう。
捨てる以外の教科書の処分方法
教科書の状態がよく、捨てるのがもったいないときは、「寄付をする」「古書店などに売る」などの方法もあります。
寄付する
NPO法人などでは、使い終わった参考書や問題集の寄付を受けつけているところがあります。寄付した参考書は、必要としている人へ受け渡され再利用されたり、NPO法人が代わりに売却し、そこで得た資金を活動資金にしたりします。
寄付には条件が設けられていることもあるため、前もって各団体に確認してくださいね。
●寄付する条件の例
・寄付対象の品目が限られている
・汚れや落書きがなく、比較的きれいな状態である
・個人情報が削除されている
・送料は自己負担
など
専門の古書店などに売る
小学校の教科書は、以下の理由から買い取りを行う古書店は多くありませんが、一部の古書店では教科により買い取りを行っているところもあります。
・流通量が多い
・4年に一度の改訂ルールのほか、教育指導要領の変更などにより改訂が多いため情報が古くなりやすい
・ニーズが各学年だけに限定されるため需要が少ない
など
また、買い取りができない教科書を引き取る古書店もあります。教科書を捨てることに抵抗がある場合は、相談してみてもよいかもしれません。
知り合いに譲る
年下のきょうだいや知り合いに譲るのもひとつの方法です。義務教育である小学生のうちは毎年無償で教科書が支給されるため、受け取った人は2冊同じ教科書を持つことになりますが、学校用と自宅用、塾用などと使い分けることができます。
ただし小学校の教科書は改訂が多いため、新学年では内容が異なる場合があります。譲る前には、同じ改訂版のものかなどを確認しておくと安心です。
教科書の捨て方を知って、適切な処分方法を考えよう
新たな気持ちで新年度を迎えるためにも、子どもの学習環境はすっきりと整えておきたいもの。不要になった教科書の次の使い道を子どもといっしょに考えることで、子どもも、学びへの感謝や環境配慮への意識がさらに高まるかもしれません。親子でぜひ、教科書の断捨離を行ってみてくださいね。
【引用】
(※1)川崎市「資源物(段ボールなどの古紙類、布類等)の回収【資源集団回収】」
https://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/24-1-23-1-1-6-6-0-0-0.html
(※2)神戸市「資源集団回収 出し方ルール」
https://www.city.kobe.lg.jp/a04164/kurashi/recycle/gomi/dashikata/shudankaishu/katudoujouhou/dasikata.html
(※3)横浜市「ごみと資源の分け方・出し方>地域で回収するもの>古紙」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/gomi/kaishu/das14.html
(※4)川崎市「ミックスペーパーについて」
https://www.city.kawasaki.jp/300/page/0000035295.html
(※5)広島市「ごみの減量・リサイクル」
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/recycle/13789.html
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