「保護者がフリーランスでも子どもを学童に入れることはできるの?」と気になっている保護者もいるのではないでしょうか? 結論からいうと、保護者がフリーランスでも、子どもを学童保育に入れることは可能です。
本記事では、実際にフリーランスとして働く筆者の経験を元に、学童保育に入れるために必要なものや、入れてよかったと感じたことなどをご紹介します。就学前の子どもがいるフリーランスやパートタイマーの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
文/マムズラボ
学童保育とは?
学童保育とは正式には「学童クラブ事業(放課後児童健全育成事業)」といい、児童福祉法に基づき日中保護者が就労している小学生の児童に対し、学校の授業終了後に適切な居場所を与え、児童の健全な育成をサポートしてくれるサービスです(※1)。
学童は、各市町村によってさまざまな基準が定められ運営されている「公立学童」と、会社や学校法人などが運営している「民間学童」の2種類に分かれます。
公立学童と民間学童の違い
公立の学童は費用が安く、学童での過ごし方は自由度が高いです。またほとんどの公立学童では預けられる時間は最大19時となります。
対する民間の学童は送迎のサービスや英語・運動などの学習カリキュラム、22時くらいまでの延長サービスがあります。月々の費用は高いですが利用者の中には習い事も兼ねて活用している方もいるようです。
自治体によって異なる学童保育のあり方
保育園では18時ごろまで預けることができますが、小学生になると13時半〜15時ごろで学校が終わることが一般的です。会社員の方はもちろん、フリーランスやパートタイムなどである程度裁量権のある働き方をしていても、さすがに15時台に子どもが帰ってきてしまうと、仕事の時間を確保することが難しくなります。
保育園に預けていたころより仕事と家事と育児の両立が難しくなることを「小1の壁」といいますが、この「小1の壁」問題の解決に向け、学童保育が運営されているのです。
「放課後子供教室」という選択肢もある
筆者の住んでいる自治体では「新・放課後子ども総合プラン」が採用されていました。学童クラブと「放課後子供教室」は利用する教室や職員は同じで、違いは「おやつがあるかないか」くらいでした(※2)。
学童への入会と違い、必要な書類も多くないので、まずは「放課後子供教室」に通わせてみようと考えるフリーランスの方もいます。
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学童保育に入るために必要なもの
保護者がフリーランスであっても子どもを学童保育に入れることはもちろん可能です。学童保育に入るための準備は小学校を選ぶタイミングでいっしょにスタートさせることが望ましいです。
小学校を選ぶことなく指定の公立校に入学する場合でも、前年度の秋ごろ(9月〜10月)から学童の申し込みに関する説明会や書類配布などが開始され、見学会などが実施される場合もあります。
申請書類は自治体によって異なりますが基本的に必要となる書類は下記のとおりです。
【勤務形態にかかわらず必要となる書類例】
・学童保育事業利用申請書
・勤務証明書
・勤務実績表
・在学証明書
など(※3)
【保護者がフリーランスの場合に必要となる可能性のある書類例】
・勤労状況申告書
・勤労等実績申出書
上記を客観的に証明できる書類
など(※4)
フリーランスの場合、会社の人事や総務にお願いして書いてもらうのではなく、すべての書類を自分で記入することになります。在宅勤務の場合、就労実績を証明することを難しく感じるかもしれませんが、保育園入園のときと同じで事実を書けばOKです。場合によっては確定申告の書類や開業届を求められることもあります。
転職してフリーランスになったという方も、用意する書類に変更はありません。上記で紹介している書類を用意し、申請を行いましょう。
ただし自治体によっては学童保育の人気は高く、定員オーバーするケースもあります。その場合は、拘束時間の長い会社員のご家庭が優先される可能性があるでしょう。
フリーランスの筆者が、子どもを学童に入れたよかったと感じたこと
父親が会社員、母親がフリーランス(基本在宅)、息子1人の我が家は、保育園時代は17時〜17時半まで預けていたため、小学校入学時もまずは学童保育でお世話になることを考えていました。実際学童保育に預けたのですが、その際によかったと感じたことをご紹介します。
安心して仕事ができる
フリーランスの方は、基本在宅で勤務している方も多いと思います。子どもの学校が終わり14時台に帰宅すると仕事時間の確保が難しくなることもあるため、保育園時代と同じように17時〜17時半まで預かってもらえるのは非常にありがたかったです。
筆者の住んでいる自治体では、18時までなら月額4,000円で学童に預けることができます。18時以降まで学童を延長したことはありませんがこの費用の中に土曜日も含まれるため、土曜日に仕事のある方も安心して学童を利用することができるでしょう。
さらに、学校によっては学童が学校内に併設されている場合もあるため、学童までの移動も心配ありません。なお、学校内にはあるものの校舎とは別の建物にある学童、学校内ではなく近隣の公民館にある学童など、学童の設置場所も学校や自治体によって異なります。学童へ預けることを検討している方は、事前に学童がある場所に子どもが安全に通えるかを確認しておきましょう。
職員と密に連絡が取れる
自治体によりますが、事前に子どもの出欠を確認し、職員の方が保護者まで出欠状況を報告してくれる学童保育もあります。さらに、息子がお世話になった学童では、入学前、入学直後、ゴールデンウィーク明け、夏休み前と個別に面談の機会を用意してくれ、学童内での生活やお友だちとちょっとした喧嘩をしたことなどを報告してくれたため、安心できました。
また、「着替え」などの私物を保管してくれたり、個人ロッカーの用意もしてくれたりします。洋服を汚してしまったときのために衣服などをストックしておけるので安心できます。
おやつがある
おやつ代は別途毎月料金かかる場合がありますが、子ども一人ひとりにおやつを用意してくれます。給食がしっかり食べられなかった日の補食にもなりますし、何より子どもにとってはうれしい時間になるはずです。家に帰ってきてからおやつの用意をする必要もなく、助かるサービスだと感じました。
友だちが増える
息子の利用した学童は3年生まで利用可能でした。そのため1年生から3年生まで幅広く顔見知りや友だちができたことも、通わせてよかったと感じた点です。一人っ子の我が子にとって、お兄さん・お姉さんと遊べることはとても楽しかったようで、貴重な時間になりました。
学年関係なくさまざまな年齢の子どもが学童にはいますので、年上や年下の子どもたちとも触れ合ってほしいと考えている保護者には、学童の利用はよいかもしれません。
フリーランスは学童を利用しつつ、仕事と子育ての両立を図ることが大事
フリーランスという就業方法を選んでいる方で、子どもを学童に通わせたいと考えている方は、まずは自分の住んでいる自治体の情報を収集しましょう。
また、同じ自治体内であっても学校によって「学童クラブ」と「放課後子供教室」のようなその他のサービスのあり方も違います。お子さんの通う学校に付随する「学童クラブ」や「放課後子供教室」がどのようなものなのか下調べすることもオススメします。子どもと保護者にとってストレスフリーな「放課後の過ごし方」を考えてみてくださいね。
【引用】
(※1)厚生労働省「学童保育の目的・役割がしっかりと果たせる制度の確立を」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/07/dl/s0728-8b_0001.pdf
(※2)厚生労働省「放課後児童クラブ関連資料」
https://www.mhlw.go.jp/content/shinnplan.pdf
(※3)目黒区「提出書類確認票 」
https://www.city.meguro.tokyo.jp/shinseisho/kosodate/gakudo/kakuninnhyo.files/kakuninnhyou.pdf
(※4)中野区「就労状況申告書(学童クラブ利用申請用)」
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/247000/d026432_d/fil/syuurouzyoukyoupdf.pdf
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