親の「過干渉」が子どもの主体性を奪い無気力にさせる【ただ見守る科学的子育て】

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親の「過干渉」が子どもの主体性を奪い無気力にさせる【ただ見守る科学的子育て】

「子育てに失敗したくない」
「子どもを幸せにしてあげたい」
「私の失敗や後悔を子どもにはさせたくない」
そんな気持ちが強い方は、過干渉になっているかもしれません。

たくさんの親子を見てきていえるのは、のびのび育っているお子さんは、家で「楽しく過ごしている」という共通点があること。

親が頑張らないという選択は、決して放置や放任ではありません。
それは、子どもの意思を尊重し、信頼するという、最上級の関わり方なのです。

親は省エネで、ラクちん。それなのに、子どもはどんどん主体的になる。これこそが「ただ、いる」子育ての魔法です。

※こちらの記事は『ただ見守る科学的子育て 3兄弟が一橋、慶應、東京藝大に合格! わが子に主体性が勝手に身に付く最も簡単な方法』(Gakken)より、一部内容を抜粋・再編集してご紹介しています。

目次

子どもにマイナスの影響しかない「過干渉」

登校する親子

過干渉になるのには理由があります。

  • 不安や心配が強すぎて、親自身が「安心」できない
  • 「こう育てなきゃ」と強い思い込みがある
  • 子どもを信じたいけれど信じきれない

過干渉になってしまう人は、愛情が強いがゆえに、責任感が強すぎる人でもあります。
自分自身が子どものとき、親が過干渉だったり、反対に放任されすぎたりと、親とのつながりを感じられなかった過去の痛みがあります。
その痛みがあるからつい、「心の空間を越えて踏み込みすぎてしまうんだな」と自分に言ってあげるだけで、過干渉を少しずつ減らしていけます。

過干渉が子どもの脳に与える主な影響として、

  • 自分で考えて決める回路が育ちにくい
  • 緊張が高止まりし、ストレスホルモン増により脳の機能低下、不安・自己否定・過剰反応が起きやすい
  • 「褒められるため」「叱られないため」に動く外的動機づけが優位になるため、「やりたいからやる気持ち」が弱まり、継続しづらく燃え尽きやすい
  • 「親の期待」が「自分の声」よりも影響を及ぼしてしまうため、何が好きで何を感じているかの回路が鈍る。思春期以降、アイデンティティ(他者とは違う自分という存在を確信すること)の混乱・反抗・無気力に影響する

以上のように、脳にとってマイナス要素しかありません。

「過干渉」は、子どもの無気力と反発を生み、大人になっても残り続ける

疲れた子ども

教育熱心な人ほど、子どもの細かな言動が気になってしまいがちです。

「それはうまくいかないんじゃない?」
「もっと気をつけないと」
「こうすれば良かったのに」
「親のアドバイスを聞かないから失敗しちゃったんだよ」

毎日何気なくそういう言葉を使っているとしたら結果として、子どもは次のような人になるかもしれません。

自分に自信が持てない(自己肯定感が低い)

いつも親が「こうしたほうがいい」という意見や価値観を持ち、同意しないとアドバイスされたり、否定されたり、不機嫌になったりするので、自分の感じ方、自分の意見にいつも自信がない、という人になりがちです。

自分がない、と感じる

「どう感じてる?」「どんな意見?」と言われても、ぼんやりしてしまい、好きなのか嫌いなのかもわからないときがあります。自分はいてもいなくてもいい存在だと感じがちです。

他人に影響されやすく、自分で決められない

親の意見に従う状況が何年も続くので、親のもとを離れても、他人に影響されやすくなります。

依存しやすく、被害者意識が強くなりがち

自分には力がないと思っているので、自分以外の誰か、彼や彼女、パートナーに依存したり、アルコールや買い物の依存、恋愛依存になりやすい傾向にあります。

まわりの目が気になり、自分の人生を生きている感覚がない

自分の気持ちや感情より、まわりの目が気になってしまいがちです。やってみたいことがあっても、失敗やチャレンジができないまま過ぎて、慢性的な欲求不満が溜まることもあります。

自分を自由に表現できない

自分はいつも何か足りないと思っているので、自分を表現するとダメ出しがくる、失敗すると思っています。また、自分の感情を抑え込んだり、感じないようにしたりで、頭で考えて失敗を恐れ、結局、自分を表現しないほうを選びがちです。

人間関係がうまく築けない

相手が上か下かの関係性しか体験できないまま大人になるため、人を上下で判断しがち。対等であることが感覚的に理解できず、心の「つながり」がよくわかりません。

「自分のことかも?」とドキッとした方もいるかもしれませんね。「私ってそうだったんだ」と、もし一つでも当てはまるとしたら、今はピンとこなくても、実はあなた自身がそれだけ過酷な状況を生きてきたということ。
知らず知らずのうちに、ものすごく本当に頑張ってきたんです。

親が頑張るほど子どもが動かなくなる

勉強を教える親

「こんなにやってあげてるのに」
「私だって頑張ってきたんだから!」
「ちゃんと育ってほしいから、できることは全部してあげたい」
親が一生懸命になっているときほど、なぜか子どもが動かなくなる。自分が空回りしている。頑張れば頑張るほど、子どもが受け身になっていく。

親が頑張って宿題を見たり、習い事を調べたり、あれこれ指示したりしているとき、その背後には「私はこんなにやってるんだから、あなたもちゃんとやってよ」という“圧”が流れていることがあります。

子どもはその空気を敏感に感じ取り、「うわ、めんどくさー」「勝手に決められてる」と受け取り、やる気のスイッチがオフになるのです。
まさに、親の「頑張るエネルギー」が上がれば上がるほど、子どもの「主体性」は下がっていく。

親が自分の人生を楽しんで生き、いい意味で「ただ、いてくれる」と、子どもは自分で考え始め、自分の内側から湧いてくるエネルギーで動き出します。

「我が子のために!」よりも「普通でいる」ほうを子どもは望んでいる

洗濯を干す

「私のせいでこの子がうまくいかないのかもしれない」
「ちゃんとできていない私が悪いのではないか」
そんなふうに、自分を責めてしまうことは、親になった誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

SNSを開けば、丁寧で完璧に見えるママたち。笑顔で子どもと遊び、仕事も家事もバランスよくこなしている投稿。そんな理想の姿と自分を比べて、「私は全然ダメだ」と落ち込んでしまう。そんな声をたくさん聞いてきました。

でも、私たちは完璧な存在ではなく、手探りで日々を生きる一人の人間にすぎません。親だってわからないことだらけで、失敗しながら、悩みながら、それでも子どもと向き合い続けています。

そこで、自分にこんなふうに問いかけてみてください。
「この責任感、本当に今のこの子のために必要?」
「それとも、親としてこうあるべきという思い込み?」

責任感は抱えすぎると“愛”より“重荷”になります。子どもは、責任感でいっぱいの親の姿を望んでいません。「あなたのために頑張っているのよ」と言われたら、誰でもきっと息が詰まるでしょう。子どもは“普通”にしてくれているほうがよっぽど助かるのです。

責任感を降ろすことは、子育てを放棄することではありません。
「ちゃんとしなきゃ」という重たいリュックを降ろすだけで、心がラクになり、笑顔が戻ります。もし、あなたが今、責任を感じすぎているなら、そのたびに自分に言ってあげてください。「それはもう、必要ないよ」と。

そして、自分の「やりたいこと」と「やるべきこと」がぶつかったときは、子どもやパートナー、家族や友人に、心を開いて相談してみてください。必ず、第三の道が見つかります。きっと世界は、思っているより、優しいことを実感できるのだと思います。

親は責任感の呪縛から逃れ、子どもは主体性を持つ

真剣な子ども

これからの時代に必要なのは、「親から子ども」という一方的な関係を、お互い対等な「親と子ども」という関係に変えることです。

親がすべてを背負わなくてもいい。
「親が教える」「親が決める」「親がやる」から、「一緒に考える」「一緒に決める」「子どもがやる」へ。そう思えたら、とってもラクになりますよね。

「親が子どもを育てる」から、「親と子どもが一緒に成長する」へ。親も責任感を降ろしてラクになり、子どもは主体性と生きる力を取り戻します。

毎日子どもの隣に「ただ、いる」だけでいい

親子で料理

私は親子家族セラピストとして活動しております。簡単にいえば、親子関係を良好にして、家族が快適に過ごせるお手伝いをしているということです。

日本人で唯一のコンシャスペアレンティングコーチでありますが、これは、人とのつながりを大事にするために、頑張らず、自分らしく楽しく生きることを目指すサポートをする役目を持っています。子育てにおいては、子どもは「親の希望通りに変える存在」ではなく、「親に気づきを与えてくれる“人生の教師”」という前提に立つのが、大きな特徴かと思います。

これまで18年、のべ6000人以上の家族のつながりや、自分らしく楽しく生きるサポートをしてきました。
セッションや講座を開催しながら、心理学、人間関係の力学、コーチング、脳科学、自然療法、エネルギーワーク他、国内外で著名な先生やメンターに学び、知識や経験を深めました。あらゆる知見を総動員しており、科学的にも説明のつく方法になっています。

その鍵が、見守ること。それも「ただ、一緒にいるだけ」。

それまでの私は、子どもの言動に振り回されてばかりいました。
ですが、子どもの横で見守ることができるようになったときに、子どもを笑顔で見られることが増えました。すると子どものかんしゃくも減り、笑うことが増え、どんどんイキイキとしていったのです。
「この子を信じていこう」。子どもへの「心配」が、「信頼」に変わり始めたのです。

たかもりくみこ(著)
定価 1,650円 (税込)

スマホを置いて、親がそこに「ただ、いる」だけで、子どもの心が充電され元気になる。だから可能性も才能も最大に発揮できていく。

「それならできそう!」。そう思えたあなたは、子どもも、さらにあなたも才能や可能性を最大に発揮する幸せな道を歩み始めています。私とともに、このメソッドを使って、家族で心から笑い合って楽しく過ごす毎日と未来を手に入れてください。

ただ見守る科学的子育て

長男一橋大、二男慶大、三男東京藝大現役合格に導いたのは、10秒ほど寄り添うことがメイン。
従来の放任主義とは違うその方法を公開!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【まえがき】科学的にも解明! 毎日子どもの横に「ただ、いる」だけでいい
・何十回も親をやめたくなった私でもできた
・UCLA合格、メンタル安定、才能を発見、会社で大活躍!
・反抗期も乗り越えられる! 子供たちの夢も叶う!

【序章】現役で東京藝大はじめ、私立美大全部合格の三男が教えてくれたこと
・東京藝大に挑む三男は言った。「ゼロ勉でいく!」
・育児書200冊には書いていなかった解決策とは?
・倍率20倍&現役合格者一桁の難関に合格!
・1日10秒見守るだけでいい「世界一簡単な育児法」

【第1章】「子どもが思う通りにならない」ときに起きていること
・子どもが思う通りにならないときこそ成長のチャンス
・「自分の地雷」に気づくことが「幸せの招待状」
・「我が子のために!」よりも「普通でいる」ほうを子は望んでいる
・優しく語りかければいいは、大間違い
・「子どもにマイナスの影響しかない過干渉」を簡単に止める方法
・「健全な期待」と「不健全な期待」の違い
・「この子は、必要なものはすでにすべて持っている」と思うだけでいい

【第2章】「そのままを受け容れる」ことの持つ大きな力
・“そのままを受け容れる”とは「何もしないこと」ではない
・行き詰まった時は「新しい扉」が開くサイン
・親の仕事は「指導」というより「農業」
・10の「本質タイプ」ごとの特徴と、それぞれが目指していること
・その子に本当に合う接し方や育児法まで見つかる
・「才能」は何気ない日常の行為として現れる
・「承認」と「受け容れる」は、まったく違うもの
・子どもも自分も「そのままを受け容れる」と、良くなろうとする
・やる気を出させる秘訣は、ハッパをかけるのではなく受け容れること
・「子どもの心の声」を聞くためのコツ
・「しつけ」とは、お行儀よく、いい子にさせるものではない
・子どもと関わる「第3の道」がある
コラム)幼少期の過ごし方(我が家の場合)

【第3章】毎日10秒、子どもの隣に「ただ、いる」だけでいい
・反抗期に入っても、毎日10秒のつながりで乗り越えられる
・スマホやゲーム機と上手に付き合うための5つのポイント
コラム)我が家では、子どもにどんな本との出会いをつくったのか

【第4章】親が頑張るのをやめるほど、子どもが育つ
・親が頑張るほど子どもが動かなくなる原因
・頑張ってしまうのは「自分の不足感」があるから
・家では「頑張らせる」より「楽しい時間」を過ごす
・不安だらけの「させなきゃワールド」と、楽しさに満ちた「やっちゃうワールド」
・「やっちゃうワールド」への引越し方う
・親も責任感の呪縛から逃れ、子どもは主体性を持つ「一石二鳥の方法」
・人生は勝ち続けても、永遠に安心は訪れない
・ハーバード大の研究でも明らかに! 幸福の最大の要因は「つながり」
・今後は「学歴」から「才能」へ確実になっている
・受験で一番試されるのは「親」自身
コラム)我が子が小学生時代にやっていたこと

【第5章】子どもも私も笑顔になる「最高の未来」のつくり方
・親を支配する“無意識”の呪縛から解放されるための「3つの気づき」
・子どもは、本来の魅力ある「親のあなた」を蘇らせる力がある
・子どもは「最高の設計図」を携えて生まれてくる
・「発達障害」という言葉に、子どもを閉じ込めない
・「不登校」や「行き渋り」も、親子関係を見直すチャンス
・子どもの「問題行動」は、すべて親へのメッセージ
・子育てのハードルを究極まで下げる
・「エビデンスに基づく子育て」の落とし穴
・「執着を手放す」勇気があるほど受験はうまくいく

この記事の監修・執筆者

一般社団法人コンシャスペアレンツジャパン代表 たかもりくみこ

親子・家族関係の専門家/日本人唯一のDr.Shefali認定コンシャスペアレンティング&ライフコーチ。18年以上のべ6000人以上の親子・家族をサポート。
「人とつながり、自分らしく生きる世界を創る」をビジョンに、心理学・東洋思想・脳科学・力学・マインドフルネスなどを統合。本来の力を発揮する“つながり方”を体系化し、再現性あるメソッドとして確立。数々実績を生んだ「コンシャスフル心理学」講座の認定講師養成、「一家に一人セラピスト」を掲げセラピスト養成クラスを展開。シェファリ博士に8回渡米して学び、2019年初来日講演会を主催。大好評を得た。著書に『子どもが幸せに育ち自立する頑張らない子育て』(創藝社)、『男の子を大きく伸ばす方法 ダメにしない秘訣』(さくら舎)。『ただ見守る科学的子育て 3兄弟が一橋、慶應、東京藝大に合格! わが子に主体性が勝手に身に付く最も簡単な方法』(Gakken)が発売中。X、ブログ、インスタ、YouTube他SNSで発信中。名古屋大学法学部卒。

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