離乳後期(9〜11か月)ごろからはじまる赤ちゃんの「手づかみ食べ」。汚したりこぼしたりとお世話も大変になる時期なので、なるべく汚れず赤ちゃんでも食べやすい料理を作ってあげたいですよね。
そこで今回は、離乳食・幼児食コーディネーターで、著書『うたまるごはんのかんたんフリージング離乳食・幼児食』が大好評のうたまるごはんさんに、おいしくて作りやすい手づかみ食べレシピを教えてくれました。今回もすべてフリージングできるので、あいた時間に作り置きをしておくと日々の離乳食作りがラクになりますよ。
監修/うたまるごはん ライター/上野真依
そもそも手づかみ食べって何? なんで必要なの?
歯ぐきでつぶせるかたさの固形の離乳食が食べられるようになり、自ら食べものに手を伸ばすような仕草が見られたら、「手づかみ食べ」デビューのサイン。「手づかみ食べ」とは、その名の通り、赤ちゃんが自ら食べものを手指でつかんで口まで運んで食べることをいいます。
手づかみ食べには、のちにスプーンやフォークを上手に扱えるようになるための前段階としての役割があります。「食」への関心が増え、脳の発達にもいい影響があるといわれているので、積極的に取り入れていきましょう。
とはいえ、離乳後期ごろになると1日3回食がはじまり、離乳食作りの負担もますます増えてきます。毎食すべて一から作ると時間も手間もかかってしまうので、作り置きをしておくのがオススメ! 忙しいときもさっと出せるので、心の余裕にもつながります。
ひじきおやき
加熱してつぶしたじゃがいもと片栗粉を混ぜて焼いたおやきは、かんたんで食べやすく、手づかみ食べのスタートにピッタリ。具材を変えればいろんなアレンジができるので、覚えておくと便利です。
今回は、鉄分たっぷりのひじきと野菜を加えて栄養満点のひと品に。ゆでてみじん切りにした野菜は、ペーパータオルなどでしっかり水気を拭き取ってから作ると、水っぽくならずおいしく仕上がります。
材料(約15g 9個分)
じゃがいも 1個(110g)
乾燥ひじき 小さじ1/2弱
玉ねぎ(ゆでてみじん切りにしたもの) 大さじ1
にんじん(ゆでてみじん切りにしたもの) 大さじ1
片栗粉 小さじ1と1/2
ベビー用コンソメ 小さじ1
塩 少々
ごま油 適量
下準備
・乾燥ひじきは水で戻して水気を切り、短く切っておく。
作り方
1 じゃがいもは皮をむき、水大さじ1(分量外)とともにポリ袋に入れ、600Wの電子レンジで3分加熱する。じゃがいもが柔らかくなったら、熱いうちにポリ袋の上からマッシャーなどでつぶす。
POINT
・加熱時間はじゃがいもの大きさによって調節してください。
・ポリ袋は電子レンジ加熱OKのものを使用しましょう。
2 1にごま油以外の残りの材料をすべて入れる。
3 手でもみ、全体がしっとりとして具材が均等になるまで混ぜ合わせる。
POINT じゃがいもがパサパサする場合は、水を少量入れて調整しましょう。
4 ポリ袋から出した3を9等分にして丸く成形し、ごま油を薄くひいたフライパンに並べる。中火で両面にうっすら焼き色がつくまで焼く。
冷凍方法 1食分ずつラップに包んで冷凍する。
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。
しらすと青のりのごはんおやき
ごはんをこんがり焼いてひと口サイズにカットすれば、ベトベトして食べにくかったごはんが手づかみ食べレシピに大変身! 少量加えたしょうゆが香ばしく、おいしさを引き立ててくれます。
ひとりでパクパク上手に食べられるので、ごはんが飛び散る心配もなく、片づけの負担が減るのもうれしいポイントです。今回はしらすは塩抜きしていませんが、離乳期のお子さんに与える場合は、塩抜きして塩分量を調整しましょう。
材料(2食分)
ごはん 160g
しらす 適量
青のり 適量
しょうゆ 少々
水溶き片栗粉 水小さじ1+片栗粉小さじ1
ごま油 適量
作り方
1 ボウルにごま油以外の材料をすべて入れ、よく混ぜる。
2 卵焼き器にごま油を薄くひいて1を入れ、フライ返しで押しながら均一に広げる。
3 中火でこんがりと焼き色がついたら裏返し、両面に焼き色をつける。
POINT
フライ返しを使うか、フライパンを大きくふって裏返します。難しい場合は、半量ずつ焼くと裏返しやすくなります。
4 3をまな板の上にのせ、食べやすい大きさにカットする。
冷凍方法 1食分ずつラップに包んで冷凍する。
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。
チーズいももち
もちもちとした食感のいももちと、とろりととろけるチーズの相性は抜群! チーズのやさしい塩味がアクセントになっています。
材料も少なめなので手軽に作ることができ、手づかみおかずを急いで1品追加したいときにも便利! チーズを入れない場合は、コンソメや塩を少量入れて味を調節しましょう。
材料(約15g 7個分)
じゃがいも 1個
片栗粉 大さじ1と1/2〜2
牛乳(または豆乳でも可) 大さじ1
スライスチーズ 1/2枚
オリーブオイル 適量
下準備
・スライスチーズは1/2枚は7等分しておく。
作り方
1 じゃがいもは皮をむき、水大さじ1(分量外)とともにポリ袋に入れ、600Wの電子レンジで3分加熱する。じゃがいもが柔らかくなったら熱いうちにポリ袋の上からマッシャーなどでつぶし、片栗粉、牛乳を入れて手でもみ、全体がしっとりとするまで混ぜ合わせる。
POINT
・加熱時間はじゃがいもの大きさによって調節してください。
・ポリ袋は電子レンジ加熱OKのものを使用しましょう。
2 1をポリ袋から取り出して7等分して平たく伸ばし、小さめにカットしたスライスチーズを真ん中にのせて包み、形を整える。
POINT
軽く手を濡らして作るとタネが手につかず成形しやすくなります。
3 フライパンにオリーブオイルを薄くひいて2を並べ、中火で両面にうっすら焼き色がつくまで焼く。
冷凍方法 1食分ずつラップに包んで冷凍する。
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。
ふわふわ豆腐ハンバーグ
鶏ひき肉と絹ごし豆腐で作る、ふわっふわのハンバーグ。歯ぐきでつぶせるくらい柔らかいので赤ちゃんでも食べやすく、初めてのハンバーグにオススメです。お肉などのタンパク源といっしょに、複数の野菜が食べられるのもうれしいポイント。苦味が苦手なお子さんの場合は、ピーマンを抜いてもOKです。
材料(約30g 9個分)
鶏ひき肉 120g
絹ごし豆腐 75g
玉ねぎ(みじん切り) 大さじ4
にんじん(みじん切り) 大さじ2
ピーマン(みじん切り) 大さじ1
パン粉 大さじ1
牛乳(または豆乳でも可) 大さじ1と1/2
ベビーコンソメ 小さじ1
下準備
・パン粉は牛乳に浸しておく。
・野菜は耐熱ボウルに入れ、600Wの電子レンジで1分加熱し、粗熱をとっておく。
作り方
1 ボウルにすべての材料を入れてよく混ぜる。
2 フライパンにクッキングシートを敷き、スプーンを2個使って1/9量ずつ落とし、丸く整える。
POINT
焼くと縮んで厚くなるので、薄めに形成するのがポイント。
3 弱めの中火にかけ、ハンバーグの周りが白くなってきたら裏返し、両面にうっすら焼き色をつける。
4 フタをして、弱火でしっかり中まで火を通す。
冷凍方法 1食分ずつラップに包んで冷凍する。
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。
くるくるサンドイッチ
食パンの真ん中にバナナを入れてくるくると巻いた、おやつ感覚で食べられるひと口サイズのサンドイッチ。かぼちゃやさつまいものペースト、砂糖不使用のいちごジャムなど、中に入れる具材を変えれば、バリエーションは無限大。いろいろ試してお子さんの好きな味を見つけてくださいね。パンがパサパサで食べにくそうな場合は、ホットミルクに浸けると、食べやすくなります。
材料(2食分)
食パン(6枚切り・耳は切り落とす) 1枚(35g)
バナナ 1/2本(60g)
ヨーグルト 小さじ1
お好みのジャム(今回はいちごジャムを使用) 小さじ1/2
作り方
1 食パンはめん棒でのばす。
2 ヨーグルトとジャムを混ぜて1の食パンにぬり、皮をむいたバナナをのせる。
3 ラップで包み、両端を巻く。5分ほど置いて1cm幅に切る。
冷凍方法 1切れずつラップに包んで冷凍する。
解凍方法 600Wの電子レンジで20〜30秒加熱する。
いかがでしたでしょうか? ついマンネリになりがちな手づかみメニュー食べですが、バリエーションが多いと、お子さんも楽しんで食べてくれますよ。今回ご紹介したレシピは、具材を変えてアレンジが楽しめるものばかりなので、ぜひさまざまな具材で試してみてください。
この記事の監修・執筆者
離乳食・幼児食コーディネーター、離乳食アドバイザー。2歳の女の子のママ。Instagramを中心に、子どもも大人も楽しめる離乳食・幼児食のレシピを日々発信している。『うたまるごはんのかんたんフリージング』離乳食・幼児食(Gakken)が発売中。
Instagram
https://www.instagram.com/utamaru_gohan/
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