【給食が不登校の原因に!?】入学早々に悩む子供に親ができること

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【給食が不登校の原因に!?】入学早々に悩む子供に親ができること

給食は、子どもたちが学校生活の中でとても楽しみにしている時間の一つです。しかし、その楽しいはずの給食が原因で「学校に行きたくない」と訴える子もいるそうです。
子どもの悩みに対し、親ができることは何でしょうか?
教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

給食でつまずく子がたくさんいます

子どもの悩みで意外に多いのが給食に関することです。 特に低学年では、これでつまずき、人知れず小さい胸を痛めている子が驚くほど多いのです。 給食が原因で登校渋りになる子もたくさんいます。 
 
悩みで多いのは次の3つです。 

  1. 小食で食べる量が少なく残すことが多い 
  2. 食べるのに時間がかかり、時間内に食べられない 
  3. 苦手な食べ物がけっこうたくさんある

まず、1と2についてです。 
 
以前は、「全部食べなさい。食べ終わるまで片づけてはいけません」などという理不尽な強制をする先生がかなりいました。 
 
家庭でも「盛られたご飯は残してはいけない」と強制する親がいました。 
これらは指導という名の下に行われていましたが、本当は子どもの人権侵害であり、虐待ですらあります。 
 
食事の量というものは極めて個人的かつ生理的なものです。 
もともと小食の子もいれば大食の子もいます。 
 
また、そのときどきの体調や運動量によって、あるいは精神状態によっても食べられる量はかなり違ってきます。 
ですから、決して強制などしてはいけない種類のものなのです。 
 
生理的な部分で本人もどうしようもないことを強制するのですから、それは虐待です。 

無理に食べさせるのは人権侵害・虐待です 

今は、このようなことをする先生は少なくなりましたが、それでも似たようなことをする先生はけっこういます。 
 
よくあるのが次のような言い方です。 
 
「全部とは言わないけど、せめて半分は食べなさいね」 
「自分で盛った分だけは残さず食べなさいね」 
 
半分と言われても、極めて小食な子にとってはそれがものすごく多い量なのです。それをわかってあげて欲しいと思います。 
 
また、自分では全部食べられると思って盛ったとしても、いざ食べてみると多すぎだったということは大人でもよくあることです。 
大人でもバイキング料理を取りすぎて食べ残してしまうことはあります。 
 
もちろん先生は子どものためという善意で言っているのかも知れませんが、言われる方にとっては大きな苦痛です。 
 
大人であるみなさんが自分の食べられる量の2倍を出されて、どうしても食べなければならないと強制されたら、ものすごく苦痛なはずです。 

正論も個人差への配慮を忘れた途端に間違いになる 

給食の後で「今日は25人が完食!」などと発表する先生もいます。 
これをやられると小食で食べ残す子はたまりませんね。 
 
当然、子ども同士でも「○○ちゃん、残しちゃダメでしょ」という言い方がされるようになります。 
 
どの学校でも給食の残量調査というものを定期的にやっています。 
これは、給食を食べ終わった後で食缶にどれだけの残量があるかを調べる調査です。本来の趣旨は、給食を作る側が献立内容や調理の工夫に役立てるためのものなのです。 
 
でも、この残量が少ないクラスほど給食指導がよくできている、などという勘違いをしている先生がかなりたくさんいるのです。 
 
こういう勘違いのせいで、人知れず苦しんでいる子どもたちが大勢いるということに、気づくべきです。 
 
子どもにできるだけ食べさせようという意識の背景には、「成長期にしっかりした食事をさせることが心身の健やかな成長に必要だ」という考えがあります。 
 
それは一般論的には正しい「正論」かも知れませんが、個人差への配慮を忘れた途端に間違いになってしまいます。 
 
ただの間違いでなく人権侵害に、さらには虐待に該当するものになってしまうこともあるのです。 

親の力で上手に子どもを守ってあげましょう 

お子さんが1、2のような悩みを持っている場合は、先生に “上手に” 伝えてあげてください

本来楽しいはずの食事が、苦痛の種になってしまうのは決してよいことではありません。
親の力でお子さんを“上手に”守ってあげてください。

「保育園(幼稚園)のとき、無理に食べさせようとしたら登園渋りになってしまいました」と言うと効果があります
先生としては、登校渋りになられるととても困るからです。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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