【専門家監修】脳と体に刺激がいっぱい! 公園で楽しむ親子の運動遊び

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ポカポカ陽気に誘われて、公園で遊ぶのが楽しい時期ですね。遊具や砂場で遊ぶのもよいですが、おすすめしたいのが全身をたっぷりと使った運動遊び。子ども自身が体を動かすのが好きになるのはもちろん、集中力が増すなど脳にもいいことがいっぱいです。前回の「おうちで親子の運動遊び」に続き、栁澤友希先生にお話をうかがいます。

イラスト:野田 節美

目次

公園での遊びは子どもへの刺激がいっぱい!

「気温や風の移ろいを肌で感じたり、花の香りに気づいたり、年上の子どもの遊び方を見て学んだり、と家の中よりも刺激の多い公園遊びは、子どもの発育にもいい影響がいっぱいです」と話すのは、運動保育士で、多くの未就学児に運動遊びの指導を行っている栁澤友希先生。

「なにげなく空に飛行機を見つけたり、たくさんの人の声が聞こえたり、足元にアリを見つけたり…と、たくさんの刺激を受けることができるのが、外遊びのよいところ。刺激をたっぷり受けることで、子どもは好奇心旺盛になり、遊びたい意欲、やってみたい気持ちが高まります。見つけた不思議なことについてママやパパに聞くことで親子の会話が増え、お子さんの言葉力もぐーんとアップ。公園遊びでできるようになったことをほめるのも、子どもの脳にいい刺激を与えます」

だけど、外はキケンがいっぱいでは…とママ・パパとしては心配も尽きないですね。

「確かに外で遊ぶと、ときには転んだり、ほかの子とぶつかったりすることもあるでしょう。そういった経験を『危険なこと』ととらえるのではなく、『うまい転び方ができるようになった』『ほかの子とぶつからないように身をかわし、自分の体をコントロールできるようになった』と思うほうが、子どもの運動経験値はアップします。そうして体と心がうまくつながり、自分で立ち上がる…ひいては、自分で生きる力が育つと思うんです。

公園で子どもが転んだときは、「だいじょうぶ!?」と駆け寄ってすぐに手を貸すのではなく、「痛かったね」と気持ちに寄り添いつつ、様子を見ながら自分で立てるように促してみてください。子どもが育つ瞬間に親が立ち会えるのも、運動遊びのよいところです」

では、公園での運動遊びの注意点を教えてください。

「何歳までにこの動きができないとダメ!というものではないので、子どもの興味とやりたい気持ちに寄り添いながら、<さまざまな動きができるようになる><バランスのよい体をつくる>ことを意識するとよいですね。親の動きをマネさせると理解も早いはずです。強制ではなく、遊びながら、楽しみながらできているかを気にしてみてください」

実践! 親子でチャレンジ、公園で運動遊び 6選

※感染対策をとったうえで楽しんでください。

※熱中症に注意し帽子をかぶる。水分補給、休憩も随時行いましょう。

運動遊びを楽しむポイント

子どもはママ・パパにほめられるのが大好きです。できたときはたくさん褒めて、いっしょに喜びましょう。できなくてもスモールステップを認め、楽しみながらできる雰囲気を大切にします。公園に行ってから何をするかを決めるよりも、「今日は〇〇公園で●●をしよう、△△できたらいいね」と出発前に目的をはっきりとさせておくと、子どもにもわかりやすく、取り組みやすくなります。とはいえ、強制するのではなく楽しめる範囲で挑戦し、ほかの遊びをしたくなったらおしまいにしてOKです。

1.走って遊ぼう!

1歳過ぎから歩けるようになったら、少しずつ走れるように親子で遊びましょう。走ると「基礎体力」「空間認知力」「持久力」が身につきます。速く走ろうとしなくてよいので、転ばずに走ることを最初の目的にします。

★レベル1 大人が追いかける追いかけっこ(1歳すぎ~)

子どもが逃げるのを大人が追いかけます。「待て、待て~」と言うと、子どもは楽しく走れます。タッチして交代し、大人が逃げて、子どもが追っても楽しめます。「鬼が追いかける」というルールが難しい場合は、ボールを持っている人が追いかけるルールにすると分かりやすいです。大きくなっても大好きな遊び、たくさんいっしょに走りましょう。

★★レベル2 くねくねコースでかけっこ(2歳以上)

コーンなどの目印を等間隔でおき(最初は1メートル間隔程度)、ジグザグのコースを作って走ります。走りながらどちらの方向に行くかを見定めるのは実は難しく、空間認知力が必要です。初めてだとジグザグの進み方もわからないため、大人が見本を見せてあげましょう。身をこなす力バランスよく強弱をつけて走る力がつきます。うまく走れたらたくさんほめましょう。

2.ジャンプで遊ぼう!

その場でのジャンプは2歳近くになるとできますが、跳んで前に進むという動きは、やろうとしないと体験できない動きです。「脚力」「跳躍力」のほか、手の動きをつけることで「手と足の連動」になります。この動きがこの先の縄跳びにつながるので、幼いうちから取り入れたい遊びです。

★レベル1 線をぴょんぴょん 跳んでみよう(2歳~3歳くらい)

地面に20~30cmほど離して線を約10本引きます。線を踏まないように、最初は歩いて、次は跳び越えて進んでみましょう。はじめは両足揃ってなくても、ゆっくりでも大丈夫。親が手をつないであげてもOK。2歳後半から両足を揃えて跳ぶように伝えましょう。「(足と足が)のりでくっついちゃったぞ~。くっついたまま、ぴょん、だよ」と伝えるとわかりやすいでしょう。少しずつ線の距離を離したり、スピードアップしたりして、跳びながら進むことに慣れていきましょう。

★★レベル2 グーパージャンプ(3歳以上)

地面にグー(〇)とパー(〇〇)を連続して描きます。最初はグー(〇)も両足でOK。慣れてきたら、グー(〇)は片足で連続して跳べるように練習します。

さらに難しくするにはグー(〇)のときは手をグー、パー(〇〇)のときは手をパーにしても。手と足の連動する力がつきます。

※地面に描く〇(グー)と〇〇(パー)は、最初はくっつけて書き、慣れてきてレベルをあげたいときはグーとパーの間を少しずつあけるとよいでしょう。

<ちょこっとアドバイス>

グー(〇)を利き足だけで跳んでしまうと、左右バランスに偏りがうまれてしまいます。右足、左足は交互に使うように伝えましょう。どんなスポーツを始めても左右バランスがよいほうが必ず有利ですし、転びにくい体になります。

3.ブランコで遊ぼう!

ブランコはただの遊具にあらず! 幼いうちからさまざまな感覚を身につけられる運動遊びとして、積極的に取り入れましょう。ブランコで遊ぶことで「腹筋」「背筋」「バランス」「体重移動」「体幹」のほか、ブランコにぶつからないようにする「危機回避力」、並んで待つ「社会性」を鍛えることができます。なによりも風を感じてリフレッシュできるのが、ほかの遊びにはない楽しさです。子どもが恐怖心を抱かないように最初はいっしょに座り、楽しく声がけします。

★レベル1 ブランコに座り、大人が優しく後ろから押す(1歳~)

子どもはブランコに座ってしっかりとチェーンを握り、大人は後ろに立って優しく押しましょう。揺れに慣れ、バランス感覚を養います。難しい子はおうちの方のひざの上に座らせて、いっしょに乗るのがおすすめです。乳児向けのイス型ブランコもあるので、赤ちゃんの時期から慣れていきましょう。

★★レベル2 体重移動して自分でこぐ (3歳~)

子どもは一人でブランコに乗り、足を曲げたり伸ばしたりし、体重移動をして自分でブランコをこぎます。タイミングや体重移動の仕方は、大人や友だちが隣で見本を見せるとわかりやすく伝わります。

<ちょこっとアドバイス>

チェーンを握っている手を離すと落下してしまうので、注意。並んで待っている子と交代するなど、周りの環境にも配慮しましょう。

4.ボールで遊ぼう!

ボール遊びは、ものを掴んで離すことができるようになる生後半年くらいからできます。ボールを前に投げる動きは思っているよりも難しく、ボールから手を離すタイミングを理解しないとできません。ボール遊びでは、「空間認知力」「協応性」「敏捷性」のほか「先を見越す力」などが養われます。経験していないと小学生でもうまく投げられない子もいるため、幼いうちから体験を重ねましょう。

★レベル1 ボールを好きなところに転がす、投げる(0歳後半~)

前に投げるのが難しい1歳までは転がして遊びましょう。15㎝くらいのやわらかく、扱いやすいボールを好きな方向に転がしたり、投げたりします。ポイントは好きな方向、つまり自分の思っている目標に向けて転がしたり、投げたりすること。”適当に”ではなく、目的をもって遊ぶことが大切です。

★★レベル2 大人とペアになりキャッチボールをする(1歳~)

5~10cm程度の片手で持ちやすいボールを用意し、キャッチボールをして遊びましょう。1歳なら両手投げ、2歳なら下手投げ、3歳からは上手投げで、最初は短い距離から始めます。キャッチが難しいようなら、バケツなどの容器に結んだタオルを入れるチャレンジも楽しく行えます。交代しながら投げたり、キャッチしたりに慣れていきます。

その他、地面にバウンドさせたり、壁にぶつけたりしたボールをキャッチするなど、いろいろな動きに慣れていきましょう。

<ちょこっとアドバイス>

ボールを投げる遊びの際は、柔らかいボールが適当ですが、蹴って遊ぶ場合は、ボールが柔らかすぎると、ボールを踏んで乗り上げてしまうこともあり危険です。転倒やケガを避けるためにも、蹴りたいときは硬いボールを選びましょう。

 5.鉄棒で遊ぼう!

鉄棒は、まずはぶら下がる楽しさを感じられるように遊びに取り入れましょう。「指・うでの力」「懸垂力」「腹筋」「背筋」「空間認知力」「体幹」などが養われます。鉄棒は、顔の高さ~鉄棒から顔が出るくらいの高さのものから試し、子ども本人が怖がらない高さでチャレンジします。

★レベル1 ぶら下がって足パッチン(2歳~)

鉄棒にぶら下がり、足の裏をパッチン!と打ち合わせましょう。最初は、足を持ってあげて、「ブーラブラ」と言いながら揺らしてあげたり、足の裏を合わせる補助をしてもOK。慣れてきたら、2回連続パッチンしたり、ぶら下がる時間を長くしたりします。この段階では握り方はなんでもOK。鉄棒の下に親指が来ないサル手も、落ちなければ大丈夫です。

★★レベル2 引き寄せてだーるまさん(3歳~)

鉄棒を逆手でにぎり、ひじを曲げ、胸にうでをくっつけてぶら下がり、体を丸めます。あごを鉄棒の上に軽くのせて5秒数えましょう。ひじが伸びないように、声をかけます。この動きが逆上がりにつながっていくため、ぶらさがっている時間を長くしていくとよいでしょう。

<ちょこっとアドバイス>

鉄棒で試す前に、ママやパパの腕で体勢を覚えます。お子さんが立って、うでを折り曲げて胸にぐっとくっつけます。「うでをのりでくっつけちゃうよ~」などと声かけをすると、がんばってくっつけるでしょう。おうちのかたはお子さんの正面に立ち、うでを握って、上に持ち上げます。体ごと持ちあがったら大成功! 楽しくくり返し、動きに慣れましょう。※お子さんの体重が軽いうちがおすすめです!

6.うんていで遊ぼう!

うんていは、既出の<5-1 鉄棒でぶら下がる(レベル1)>をクリアできたら挑戦します。高さもあるので、最初は大人が支えて怖くないように配慮しましょう。いきなりはできないのでひとつ進めたら褒め、経験を重ねることが大切です。「握力」「背筋」「腹筋」「バランス感覚」「リズム感」「持久力」などを養うことができます。

★レベル1 支えありで1つずつ進む(3歳~)

1~2歳は抱っこをしながらお尻も支え、3~4歳なら両足を抱えて持ち上げるなどし、まずは大人に支えてもらってぶらさがることを楽しみます。自分のタイミングでうんていを1つ進み、ぶら下がります。1つ進めたら褒め、「今日は5個進んでみよう」などと目標を立てるとよいでしょう。

★★レベル2 支えなしで1つずつ進む(3歳~)

レベル1に慣れたら、大人の支えなしで1つずつ進みます。自分で体を揺らしながら右手で1本つかんだら、左手で次の棒をつかんで進みます。慣れてきたら、1本ぬかしで進んでも楽しいでしょう。降りるときも自分の意志で飛び降りられるようになります。

この記事の監修・執筆者

運動保育士 栁澤 友希

やなぎさわ ゆき/1985年長野県生まれ。松本短期大学幼児教育科卒業。運動保育士として長野県下の幼児教育機関で運動支援を行う。父である栁澤秋孝氏が考案した「栁澤運動プログラム®」をもとに、運動遊びや親子遊びを通した幼児期の支援方法を調査・研究中。2児のママ。

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