小学4年生(9歳・10歳)は、学校での勉強も進み、長文を読むことにも慣れてくる年齢です。
今年の夏休みこそ読書感想文に挑戦してみたい! というお子さん向けに、書き方のコツを分かりやすく解説します。
小学4年生(9歳・10歳)の年齢にあった、読書感想文に最適な本12選も紹介します。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
文/こそだてまっぷ編集部
小学4年生(9歳・10歳)の読書感想文の書き方
読書感想文はどのような手順で書き進めればよいのでしょうか? 小学4年生(9歳・10歳)であれば一人で完成できるお子さんが多いかとは思いますが、場合によっては親が適宜サポートしてあげるとよいでしょう。
本選びや大まかな構成などについて、親子で話し合ってみると、お子さんが一人で考える場合とはまた違ったアイデアも生まれます。
読書感想文は、主に次のような流れで進めていきます。
1. お子さんが興味のある本を何冊か読んでみる
2. 気に入った一冊を選ぶ
3. 導入・本文・まとめなど、大まかな構成を考える
4. 感想文を書く際に必要な関連情報をネットや書籍などで調べる
5. 下書きをする
6. 清書をする
小学4年生(9歳・10歳)向け! 読書感想文の本の選び方
読書感想文の本は、お子さん自身が興味のある内容のものを選びましょう。夏休みに初めて読む本でもいいですし、忙しくてあまり読書の時間が取れないというお子さんなら、お気に入りですでに何度も読んでいる本でもよいですね。
お子さんが悩んでいるようなら、感想文が書きやすそうな本について親がアドバイスしてあげましょう。小学4年生(9歳・10歳)のお子さんに適した本は、次の3つのポイントを参考に選んでみてください。
①お子さんが関心のあるテーマのもの
小学4年生(9歳・10歳)ごろになると得意なことや興味のあるものも増え、本の好みもお子さんによってさまざまです。フィクションの小説だけでなく、歴史や伝記、ドキュメンタリー、科学、環境問題など、さまざまなジャンルから、お子さん自身が関心のあるものを選ぶとよいでしょう。
また、音楽やスポーツなど、お子さんが現在頑張っている習い事に関連した書籍なども、興味を持ちやすくオススメです。
好きなテーマなら、普段からお子さんが考えたり情報を得たりする機会も多いため、自分の言葉を使ったオリジナルな感想文が書けるでしょう。
②好きなマンガやアニメの小説版
最近は、人気のあるアニメやマンガのストーリーを小説にした書籍が数多く販売されています。お子さんが好きな映画やマンガ、アニメなどの原作や小説版に挑戦してみるのも面白いでしょう。
すでにアニメやマンガを見てストーリーを知っているため、文字で読んでも話の流れをイメージしやすく、長文でも抵抗なく読み進められます。普段あまり読書の習慣がないというお子さんにもオススメです。さらに、挿絵が多いものなら、より読書への意欲がわきそうです。
また、好きな作品なら登場人物やキャラクター、時代背景などについても詳しいため、自ら調べたり考えたりと、より具体的で内容の濃い感想文が書けるでしょう。
③世界や日本の名作
幼児のころに絵本で読んだことのある、名作本もおすすめです。時代を超えて読み継がれてきた名作は、ストーリーがわかりやすく、子どもの共感を得やすいものが多くそろっています。
小学4年生(9歳・10歳)向けに書かれた本なども販売されています。絵本と同じストーリーでも、語彙や表現が豊富で文章量も多く読みごたえがあるので、小学4年生(9歳・10歳)でも興味を持って読むことができます。
小学4年生(9歳・10歳)の読書感想文におすすめの本12選
こちらでは、小学4年生(9歳・10歳)の読書感想文におすすめの本12選を紹介します。読書好きなお子さんにあった長文のものから、短時間で気軽に読めるかんたんなものまで、さまざまなジャンルの本を紹介しています。お子さんが興味を持ったものは、どんどん読んでみてくださいね。
すごいトイレのはなし 1万以上の便器をみがきつづけて。
『すごいトイレのはなし』は、「名誉トイレ診断士」の資格を持ち、さまざまなトイレそうじの現場を経験してきたお笑い芸人のサトミツさんによる、深くて楽しいトイレの話です。
毎日使っているトイレについて、興味がないというお子さんはいないのではないでしょうか? 4コママンガや写真、挿絵が豊富で気軽に楽しく読めますが、自由研究にも使えそうな詳しい図解や資料も豊富で読みごたえもバッチリ。
日本は世界でも屈指の「トイレ先進国」だそうです。大人も知らないような、トイレにまつわるさまざまなお話を読んで関心を持ったら、ぜひ読書感想文を書いてみましょう。
すごいグラウンドの育て方 阪神甲子園球場のひみつ
『すごいグラウンドの育て方 阪神甲子園球場のひみつ』は、阪神園芸グラウンドキーパー・金沢健児が語る、甲子園球場の芝と土と雨のとってもすごい話です。
野球をやっているお子さんは必読ですが、その他にも阪神タイガースファンや高校野球好きのお子さん、「ワールド・ベースボール・クラシック」でプロ野球やメジャーリーグに興味を持った、グラウンドで遊ぶのが好き、植物や自然が好きなお子さんも読みやすいノンフィクションになっています。
また、他のスポーツや習い事をされているお子さんにもおすすめです。この本を通して、自分たちが練習する場所、試合会場などは、多くの人の支えで成り立っているのだということに気づけるかもしれません。この夏の読書感想文の題材にオススメです。
22世紀からきたでっかいタイ ゲノム編集とこれからの食べ物の話
『22世紀からきたでっかいタイ ゲノム編集とこれからの食べ物の話』は、2020年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」を使ってつくられた、ふつうのタイよりでっかい「22世紀タイ」のお話です。
私たちが今食べている魚や肉、野菜の多くは人間が品種改良によって長い年月をかけて今の姿に変えてきたものです。科学はどんどん発展していき、つぎつぎと新しい技術が生まれていきます。身のまわりで使われはじめる「新技術」を正しく理解して、どんなふうに使っていくのがよいか、考えるきっかけになる一冊です。
専門的な少し難しい話も含まれますが、「遺伝」や「ゲノム編集」など、なじみのない言葉については巻末に収録された用語集ですぐに調べられ、わかりやすく内容を伝える写真や図、コラムなども豊富に掲載しています。
また、22世紀タイをつくった京都大学の研究者・木下政人先生と小学生が会話をしながらお話が進む、読みやすい構成になっています。
加藤英明、カミツキガメを追う!
『加藤英明、カミツキガメを追う!』は、TVでも大活躍の「爬虫類ハンター」加藤英明先生が長年国内で取り組む、危険外来生物カミツキガメの駆除のお話です。
迫力満点のカミツキガメを捕まえるには?そもそもなぜアメリカにいるカメが日本に?自然の仕組みや大切さに気づくノンフィクションです。
調査現場からの、リアルなエピソードや写真を多数収録しています。カメが好きだというお子さんならもちろん、外来生物や危険な生き物に関心があったり、テレビ番組を見て興味を持ったお子さんにもオススメです。外来生物をめぐる問題や、自然への理解が深まる一冊です。
うちにカブトガニがやってきた!? 生きている化石とすごした1年と2か月
『うちにカブトガニがやってきた!? 生きている化石とすごした1年と2か月』は、夏休みの自由研究をきっかけに、小学3年生の女の子とその家族が、わずか4㎜ほどのカブトガニの卵たちを家であずかることになったというお話です。
タッパーや網戸用の網、キッチンボウルなど、家にあるものを工夫して使い、育てようとするものの、予想もつかないハプニングが大発生! はたして、マンションでうまれたカブトガニを、海にかえせるのか…?
手探りで続けられた2年がかりのカブトガニ飼育自由研究には、感動の結末が待ち受けています。
「生きている化石」の赤ちゃんの成長を通して、人と動物の命の大切さを見つめなおす感動ノンフィクションは、生きものや化石が好きなお子さんにオススメの一冊です。
アルプスの少女ハイジ
『アルプスの少女ハイジ』は、10歳までに読みたい世界名作シリーズの第9巻です。幼いころに両親をなくし、スイス・アルプスに住む祖父と暮らすことになった5歳の少女・ハイジ。山の大自然に感動しながら、祖父やヤギ飼いのペーターと楽しい日々を過ごします。
絵本やアニメなどで、すでにお話を知っているというお子さんも多いのではないでしょうか。こちらの「10歳までに読みたい」シリーズは、主人公のプロフィール紹介、キャラクター相関図など、ひとめ見ただけでお話の概要がわかる「物語ナビ」がついているため、読書感想文を書く時に内容をひと目で見返すことができてとても便利です。
あしながおじさん
『あしながおじさん』は、10歳までに読みたい世界名作シリーズの第15巻です。ジュディは孤児院を出たあと、ある人物の援助で大学へいけることになりました。その条件は、大学での生活を手紙に書いて送ること。作家志望のジュディは楽しい手紙をたくさん送ります。でも「ある人物」とは一体?
1冊に50点以上ものカラーイラストを掲載しており、お話の世界に入りこむ手助けをしてくれます。アニメーション風のタッチも親しみやすく、気軽に楽しく読んで名作を身近に感じられます。
津田梅子
『津田梅子』は、カラーイラスト満載で、小学校低・中学年から楽しく読める伝記シリーズの第15巻です。日本初の女子留学生として、たった6歳でアメリカに渡った津田梅子の人生を物語でわかりやすく紹介しています。
2024年7月に発行された新紙幣の5千円札の肖像として選ばれている人物です。そろそろ流通も増え、お子さんが目にする機会も増えてきた頃でしょうか。新紙幣を見て、「津田梅子ってどんな人?」とお子さんから質問されたら、こちらの一冊をオススメしてみてはいかがでしょう。この夏の読書感想文の題材にピッタリです。
10分で読める名作 4年生
『10分で読める名作 4年生』は、各学年にぴったりの、短いお話がたくさん収録された「よみとく10分」シリーズの4年生版です。4年生のために選びぬかれた、日本と世界の名作や古典、楽しいお話、詩など一流の執筆者の優れた作品を、13作品収録しています。
収録作品は、「影法師」「ゆうかんなすずの兵隊」「王子様の耳はろばの耳」など、お子さんが小さい頃に読んだお話も含まれているかもしれません。短編集で飽きずにどんどん読むことができるので、読書の習慣があまりないというお子さんでも楽しく読むことができます。
10分で読める伝記 4年生
『10分で読める伝記 4年生』は、4年生だからこそ読んでおきたい12人の伝記を収録した「よみとく10分」シリーズの一冊です。さまざまな偉人の代表エピソード・功績が楽しく読めて、世界が広がります。
内容理解を深めるクイズ、意外なエピソードや作品の紹介で探求心を育むページ「偉人のとびら」は、伝記を楽しみながら主体的に考える力を育てられます。感想や自分の意見を考えさせる問いかけなどもあるため、読書感想文の題材のヒントになりそうです。
消えた校長先生
『消えた校長先生』は、2018年にシリーズ第1作『消えた時間割』、2020年に第2作『消えた落とし物箱』、2022年に第3作『消えた図書室』が刊行された「消えた」シリーズの最新刊です。
今回、新たに消えるのは「時間」や「もの」や「場所」ではなく、なんと「人」。校長先生が消えてしまいます。「消えた校長先生」の謎を通して、子どもたちが成長していくお話。はらはらドキドキして、最後には心温まる物語です。
こちらのシリーズが好きだというお子さんはもちろん、この本が気に入ったら、第1作からすべて読んでみて、気に入ったお話を読書感想文の本に選んでも良いですね。ちなみに、第1作『消えた時間割』は第52回夏休みの本(緑陰図書)に選ばれています。
森のちいさな三姉妹 はじめてのおたんじょう日!
『森のちいさな三姉妹 はじめてのおたんじょう日!』は、大人気読み物「森のちいさな三姉妹」シリーズの第2弾です。
もりもり森にすむ小人の女の子、ココは、お姉ちゃんふたりがいる三姉妹の末っ子。
たまにけんかしながらも、姉妹で仲良く暮らしています。
そんなココは、パーティー屋さんを開くことに。もりもり森の初めてのお誕生日会を考えますが、たくさんのハプニングが……。無事にパーティーは開けるのでしょうか?
森にくらすこびとと動物たちのくらしをちょっぴりのぞいてみましょう。ファンタジーが好きなお子さんにオススメの一冊です。
小学4年生(9歳・10歳)が読書感想文を書く際のポイント
小学4年生(9歳・10歳)が読書感想文を書く際に知っておきたいポイントについて解説します。まだお子さんが一人で完成させるのが難しいようなら、おうちのかたは適宜サポートしてあげましょう。
①起承転結を意識した構成にする
最初から最後まで思ったことを書くのではなく、「つかみ」「なか」「まとめ」と起承転結となるように構成しましょう。
たとえば、「つかみ」ではこの本を選んだ理由など、「なか」ではお話の要約や共感した部分について、「まとめ」で自分の考えを書く、など大まかな内容を最初に考えるとまとめやすくなります。
②タイトルを工夫してみる
感想文をすべて書き終わったあと、まとめとなるような言葉をタイトルにつけます。「○○(本のタイトル)を読んで」というタイトルよりも、自分がいちばん伝えたいことや心に残った言葉などを入れることで、読む人が興味を持ちやすくなります。
いくつか自分で考えてみて、おうちのかたに選んでもらってもよいでしょう。
③感想文を書くことのメリットや効果を伝える
面倒だからとか難しいからと途中であきらめてしまうようなときは、読書感想文に取り組むメリットや効果を伝えてあげましょう。
読書感想文は、自分の好きなお話のおもしろさを、みんなに伝えることが目的です。そして、お話の感想を通して、自分の考えをみんなに伝えることもできます。うまく伝えたいと思いながら読書をすると、いつもとは違った視点で読め、より深く物語を楽しむことができます。
小学4年生(9歳・10歳)の作文力を高めるドリル3選
読書感想文を完成させるには、お話を読んで理解する読解力、自分の考えを正しく表現できる豊富な語い力、そしてそれを書いて伝える作文力が必要です。これらの力は、たくさん本を読むことで鍛えられます。さらに、ワークブックやドリルなどにも取り組めば、より効果的に伸ばすことができるでしょう。
小学4年生(9歳・10歳)に適したおすすめの教材を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
空想作文ドリル 文章を書くのが好きになる
『空想作文ドリル 文章を書くのが好きになる』は、空想のテーマについて文章を書くドリルです。サッカー選手になりきった自己紹介文、宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士との交信、自分が考えた昔話など、短めの文章からステップアップして書いていくことで、さまざまな形式の文章が完成します。
まだあまり文章を書いたことがない、作文に苦手意識があるというお子さんにはぜひおすすめしたい一冊です。
必ず書ける あなうめ読書感想文 改訂版
『必ず書ける あなうめ読書感想文 改訂版』は、感想文をどのように書いたらよいのか悩んだときにおすすめの一冊です。テンプレート文章の空いている箇所に、自分が読んだ本に出てきたセリフや主人公の名前、自分の考えなどを記入していくと文章が完成します。
そのまま感想文として提出してもよいですが、このような文章例を参考に、自分で考えたオリジナルの文章に挑戦してみると、よりおもしろい感想文になるでしょう。
はじめての作文力ドリル 小学中学年用
『はじめての作文力ドリル 小学中学年用』は、ご家庭での作文学習におすすめのワークブックです。作文を書く際に必要な「ことばのルール」、「発想」、「構成」の3点について、かんたんな問題から徐々にステップアップしながら学んでいきます。
カラーイラストと問題のおもしろさで、勉強という感覚ではなく、ゲームや遊びのように取り組める問題集です。
まとめ
読書感想文に挑戦したいというお子さんは、あまり多くはないかもしれません。親がある程度サポートするのも大変でしょう。しかし、作品を書き上げる喜びを得られたり、自分の考えていることをほかの人に伝えるおもしろさを知ることができたり、また、親子でいっしょに取り組めばコミュニケーションも増えるなど、夏休みのよい思い出となるのではないでしょうか。
せっかくの長い休みですので、たくさん本を読み、お気に入りの作品を見つけてください。「学研出版サイト」には、読書感想文に適した本だけでなく、小学4年生(9歳・10歳)のお子さんが興味を持つ本がたくさんそろっています。ぜひお子さんとご活用ください。
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