お子さんが自転車に乗れるようになると、一気に行動範囲が広がりますよね。
でも「ただいま!」と無事に家に帰ってくるまでは心配でソワソワ……。
お子さんをもつ保護者向けに、au損害保険株式会社が子どもの自転車利用に関する調査を行いました。
その結果、「自転車に乗っている他人の子どもと、事故に遭いそうになった経験がある」というおうちのかたが多いことがわかりました。
では、自転車に乗るご自身のお子さんに、どのようなことに気をつけさせたらよいのでしょうか。
子どもが自転車に乗る際の危険性と一緒に見てみましょう。
文/マムズラボ
子どもの自転車は危険と隣り合わせ
子どもが自転車に乗る際には、実は危険がいっぱいです。
おうちのかたの中には、自転車に乗った子どもの危ない行動にビックリしたり、実際に何らかの事故に巻き込まれたりした人が半数近くもいました。
自転車に乗った子どもとヒヤリハットもしくは事故の経験がある保護者は約50%
「ヒヤリハット」とは、「危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと」をいいます。
下の図は、自転車に乗った他人の子どもと事故になりそうになった、または事故に遭ったことがあるというかたが、どのくらいいたのかを調査したものです。
事故に遭いそうになった「ヒヤリハット」や「事故の経験がある」というかたが約半数、49.7%もいることがわかりました。
ヒヤリハットもしくは事故の経験を起こした相手方の危険な自転車の運転行為で一番多いのが、「いきなり飛び出してきた」で、71.4%。
次いで、「複数人で横に広がって通行していた」が26.8%、「スマートフォンをいじったり音楽を聞いたりしながら運転していた」が25.0%でした。
自転車に乗るときには、「飛び出さないように気をつけなさい!」「ちゃんと1回止まりなさい!」とお子さんに言い聞かせているおうちのかたも多いと思いますが、お子さんにきちんと伝わっているのか、とても不安になりますね。
71.3%の保護者が自分の子どもが自転車事故の加害者・被害者になった場合の対応を決めていない
「子どもが自転車事故の被害者・加害者になった場合どう対応したらいいかあらかじめ決めていますか?」と尋ねた回答結果が以下の図です。
49.7%のおうちのかたが「決めていない」と回答し、さらには「考えたことがない」というかたも21.6%いました。
つまり、71.3%のおうちのかたが、「何も対応を決めていない」というわけです。
どのような事故があったかや、どのような対応が必要なのかをあらかじめ調べておき、万一に備えて対応策を考えておくとよいでしょう。
83%の保護者が自分の子どもに自転車のルールを教えている
「家庭で子どもに自転車のルールを教えていますか?」という質問の答えを見てみましょう。
83.3%のおうちのかたが自転車に乗るときのルールを「教えている」「教えていたことがある」と答えていますが、「教えていない」というかたも16.7%いらっしゃいました。
自転車の怖いところは、子ども自身がケガをするだけではなく、他の人にケガをさせる可能性もある、ということ。
しっかりルールを教えていないと、子ども自身はもちろん、おうちのかたや、被害を受けたかたも大変な思いをすることになります。
また、お子さんの不注意が原因の事故でも、車とぶつかってしまったら子どもは被害者、車の運転手は加害者となります。お子さん自身はもちろん、車を運転するかたを守るためにも、自転車のルールを教えなければなりません。
自転車に乗る前にルールを教えましょう
同調査に回答したおうちのかたのうち、自転車のルールについて「教えている、教えていたことがある」と回答したかたが教えているルールは「暗くなったらライトをつけること」や「スピードを出しすぎないこと」「自転車は左側を通行すること」などがありました。
警視庁ホームページの「キッズページ」には子ども向けの自転車のルールが掲載されています。その中でも、特に気をつけておきたいのは次のようなルールです。
・「13歳未満の子どもは歩道を走ってもよい」とされているが、歩道は歩行者が優先。歩いている人に道を譲る
・自転車に乗るときには必ずヘルメットをかぶる
・交差点では信号を守る。渡る前に左右を確認する
・夜は必ずライトをつける
・お友達と一緒に自転車を走らせるときには並んで走らない
・二人乗りは禁止
これらのルールをお子さんに教え、徹底させましょう。
例えば、編集部員の家庭では、「保護者と自転車で行ったことがないところは、子どもだけで行ってはいけない」というルールを設けています。
子どもだけでも行く可能性のある場所は、予行練習として休みの日などに実際に自転車を一緒に走らせながら、「ここの角は絶対に飛び出さない」など、子どもだけでは気づきにくい点を注意しています。
自転車に乗る際のルールについてもいつもくどいほど話しているため、お友達と遊んでいるときもきちんと気をつけているようです。
また、自動車に一緒に乗っているときも「ここの角は自動車側からとても見えにくいのがわかる?」と自動車を運転している側の視点はどうか、ということも話しています。
自転車ヒヤリハット・事故エピソード
編集部員は、自宅のすぐ近くで、車の運転中に自転車が飛び出してきた「ヒヤリハット」を経験したことがあります。自転車に乗っていたのは、近所の同じ登校班の子どもでした。住宅地内なので、「ゾーン30」という制限速度30kmの道路です。
普段から「自宅近くで事故ったらシャレにならない」と思い、最大まで徐行して運転していたのが幸いし、事故には至りませんでしたが、正に血の気が引く思いをしました。
また別の編集部員は、坂道を勢いよく自転車で降りてきた小学生が、歩いてきたおばあさんとぶつかりそうになった場面に遭遇し、自転車は交通事故の加害者にもなり得ると気づいたそうです。編集部員の子どもは幸い今まで自転車事故にあったことはなく、ヒヤリハットの経験もありませんでした。ただ、子ども自身が気づいていないだけで、実は危険な乗り方をしていることもあるかもしれないと感じられた出来事でした。
先ほどご紹介したようなルールをお子さんがきちんと守れているか確認してみましょう。
子どもが自転車事故に遭った場合の対処法
万が一事故にあったときは、警察を呼ぶように決めておくのも大切です。
事故に遭ったら110番を忘れずに
最近では携帯電話を持っているお子さんも多いので、お子さんが携帯電話をお持ちの場合には、事故やトラブルがあったときに「110番」をするように事前に教えておきましょう。
ケガをした、またはケガをさせてしまったけれども、警察を呼べずに家に帰ってきた場合には、後からでもいいので必ず警察に連絡しましょう。
自転車保険に加入すると安心
また、子どもが自転車に乗るようになったら、自転車保険に加入すると安心でしょう。
編集部員の家庭の子どもが加入している自転車保険は、加害者になってしまった際に使える個人賠償責任の保険金額が最大1億円で、年の掛け金が1,000円という入りやすい保険です。
大手の保険会社でも月数百円で加入できる自転車保険が用意されています。また、自動車保険には「自転車保険」「個人賠償保険」特約としてついていることが多いので、加入している保険の内容を確認してみましょう。
また、自転車保険を選ぶ際には「示談交渉」や「法律相談サービス」が付いているかどうかをチェックしましょう。
自転車事故では、事故に遭ったら警察を呼ぶ、という対応を忘れがちですが、警察を介さないと保険金の請求がすんなりいかないケースもあります。事故の大小にかかわらず、警察への連絡はかかさないようにしましょう。
自転車事故は、いつどこで誰が遭ってもおかしくありません。
「行ってきます」と出かけた子どもが無事に帰ってくるために、各ご家庭でしっかり自転車のルールを教えるようにしましょう。
また、事故に遭っても慌てないように、もし事故に遭ってしまったら、110番・119番や周囲の大人に頼るなどの対応策をお子さんに認識させておくことも忘れずに。
<出典>
au損害保険株式会社
「~子どもの自転車事故に関する調査~
自分の子どもが事故の加害者・被害者になった時の対応方法
決めていない、考えたことがない保護者が7割以上」
https://www.au-sonpo.co.jp/corporate/news/detail-277.html
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