【水筒にスポーツドリンクはダメって本当?】金属中毒に気をつけて

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お出かけや登園、登校する子どもの必需品の水筒。
エコの観点から大人にもマイボトルが定着し、お茶や水を持ち歩いている人も多いのではないでしょうか?

水分補給には欠かせない水筒ですが、使い方によって思わぬ事故や中毒が起こる可能性があります。

水筒を安全に使うために、事故や中毒が起きてしまう原因をチェックして、今日から実践できる正しい使い方やお手入れ方法をおさえておきましょう。

文/マムズラボ

目次

金属製の容器が原因で起きる中毒とは

「スポーツドリンクを水筒に入れてはいけない」と聞いたことはありますか?

2008年に、水筒に入れたスポーツ飲料を飲んだ児童が、頭痛、吐き気などを発症したケースがありました。調査の結果、飲料からは銅が検出され、スポーツ飲料の見た目は青緑色に変化していました。

この事例では、水筒の内部が破損しており、スポーツ飲料を長時間入れていたことで、通常では飲み物が接触しない保温構造部分の内側まで飲み物が混入し、水筒に使用されていた銅が溶け出したことが原因と考えられました。

現在販売されている水筒は内側にコーティングが施されているものがほとんどで金属中毒はおきにくく、近年に同様の事故はほとんど起こっていません。

しかし、劣化により水筒の内部に大きなキズがある場合、スポーツドリンクなど酸性の飲み物を長い時間入れたままにするといった誤った方法で使用した場合には、金属が飲み物の中に過剰に溶け出し、思わぬ事故につながる可能性もあるため注意が必要です。

やかんに入れたスポーツドリンクで起きた事故も?

水筒だけではなく、やかんが原因で起こった中毒事故もあります。

2010年に保育園で、アルミ製のやかんにいれた乳酸菌飲料を飲んだ園児15名が吐き気などを発症。

使用されたやかん本体には銅は使用されていませんでしたが、やかんの内側にみられた変色部分から銅が検出されました。
この時に使用されたやかんは普段からお湯を沸かすために繰り返し使われていました。水道水には微量の銅が含まれており、繰り返し水道水を沸かすことでやかん内部に銅が蓄積してしまうことがあります。そこに乳酸菌飲料を入れてしまったことで、事故が起こったといわれています。

2020年にも高齢者施設でステンレス製のやかんを使用して粉末のスポーツドリンクを水に溶かし、それを飲んだ13名が吐き気や嘔吐を発症。こちらのやかんも繰り返し水道水を沸かすために使用されていました。

金属の溶出に伴う中毒を防ぐには!?

どうすれば金属中毒による事故を防げるのでしょうか?
気をつけるポイントは以下の4つです。

・容器内部のキズやサビ、劣化を目視でチェックする
・水筒の内部にキズがつかないよう洗浄する
・酸性の飲み物を長時間保管すると容器を傷めてしまう可能性があるため避ける
・金属製の水筒ややかんなどは定期的に買い替える

容器内部のキズやサビ、劣化を目視でチェックする

水筒を落としたり、ぶつけたりすると衝撃で水筒の内側が破損する場合がありますキズだけではなく、内側にサビや汚れが付着していないか、使用前に必ず水筒の内側を確認をしてください。

水筒の内部にキズがつかないよう洗浄する

実は、水筒内部のキズのほとんどが洗浄する際にできてしまいます。
ゴシゴシ磨いたり、金属製たわしや硬いスポンジを使用したりすると、水筒内部に細かいキズができてコーティングが剥がれてしまう恐れがあります。

水筒を洗浄する際には、優しく洗浄しましょう。内側の底の部分を洗うには、柄の長いボトル用ブラシなどを使うのもおすすめです。

また、塩素系の漂白剤は避けて、中性洗剤を使用しましょう。
塩素系の漂白剤を使用すると金属が腐食してしまい、スポーツドリンクを入れている状態と同じか、それ以上に傷みます。

酸性の飲み物は長時間保管しない

長時間酸性の飲み物を保管すると、水筒の内部をいためてしまう恐れがあります。
酸性の飲み物とは、スポーツドリンク、オレンジジュースなどの果汁ジュースや乳酸菌飲料などです。水筒にはあまり入れないかもしれませんが、味噌汁も要注意。

やむを得ず長時間保管してしまった時は、いつもと違う味や色になっていないかを確認し、使用後になるべく早く洗うようにしましょう。

水筒の種類によって入れることのできる飲み物が違いますので、説明書や注意書きにしっかり目を通してくださいね。

金属製の水筒ややかんなどは定期的に買い替える

同じ水筒を長年使用していると、毎日お手入れをしっかりしていてもどうしても経年劣化します。水筒ややかんに銅が蓄積することもありますので、どうしても汚れが落ちない場合は、買い替えを検討する時期かもしれません。

中毒を防ぐための水筒の選び方

説明書やパッケージに記載がありますが、水筒はステンレス鋼やアルミなどさまざまな材料が使用されています。

水筒の選び方のポイント

近年発売されている金属製の水筒には、フッ素加工やコーティングがしてあるものがほとんどです。
メーカーの技術も向上し、今では「スポーツドリンク対応」の水筒があるのはうれしいですね。

しかし、メーカーによってはスポーツドリンクを推奨していない製品もあります。
「水筒だしどれでも一緒でしょ」と、説明書を読まないまま使い始めるのは危険かもしれません。使用前には説明書をよく読み、使用方法をしっかり守って安全に使いましょう。

<参考>
国立保健医療科学院「健康危機管理支援ライブラリーシステム」No.21003 古いステンレス製やかんで調製した酸性飲料による銅の食中毒
https://www.niph.go.jp/h-crisis/archives/290431/
東京都健康安全研究センター「たべもの安全情報館」リーフレット https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/pamphlet2/files/metal.pdf

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