子育て・保育を助けるアプリ! コロナ禍でさらに必要となってきた保育テクノロジーのいま

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子育て・保育を助けるアプリ! コロナ禍でさらに必要となってきた保育テクノロジーのいま

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、テレワークやオンライン会議など、テクノロジーを活用した働き方が社会全体で急速に進んでいます。

今回は、そんな最新テクノロジーによって子育て・保育が今後、社会でどのように変わっていくかを見ていきたいと思います。

「え? 子育てや保育業界もテクノロジーで変わっていくの!?」

そんな風に思っている子育て世代の皆さま、必見です!

取材協力/株式会社hugmo、ユニファ株式会社(五十音順)

目次

子育てを取り巻く「今」の社会状況

内閣府・厚生労働省の調べによると、共働き家庭は年々増え、それに伴い核家族化も進んでいます。

※参考資料:内閣府/男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 厚生労働省/グラフで見る世帯の状況 平成30年版

これは、子育てをしている家庭を取り巻く状況が

  • 子どもと関わる時間が、かつてよりも減っている
  • 保育園、こども園など、家庭外の保育場所へ預ける家庭が増えている
  • 気軽に育児の不安や悩みを相談できる人(場所)が少なくなっている

ということを表します。

“子どもと関わる人の手が少ない”ために、体力的な面でももちろんですが、自分たちだけでがんばらねば! と、気持ちの面でも負担を感じている家庭も多いでしょう。

そういった悩みを、最新テクノロジーを利用して解決し、保育現場や家庭を支えている2社に話をうかがいました。

どちらも「ICT」「IoT」といった最新技術を活用しているのが大きな特徴です。

ICT(Information and Communication Technology)

「ヒトとヒト」「ヒトとモノ」の間で情報や知識を共有すること。ITとほぼ同じ意味合い。例えば、電子黒板やタブレットなど。

IoT(Internet of Things)

インターネットにつながっている「モノ」をさします。通信機能がついている物、と捉えるとわかりやすいかもしれません。例えば、出先から操作できるスマート家電など。

株式会社hugmo~ワンプラットホームで“ストーリーをもって子育てをする”~

代表の、湯浅重数さんに教えていただきました。

株式会社hugmo

「ICTで子どものための時間をつくる」「IoTで子どもの健康管理」を掲げ、保育・育児・教育分野における、アプリケーション&コンテンツサービス事業や、イーコマース事業を展開している。2016年設立。

園にいるわが子の様子が見えるアプリ「hugnote」

ICTを活用したアプリhugnote(ハグノート)

・連絡帳や写真を共有
・保育者が情報をアップすると、登録している保護者がすぐに見られる
・プッシュアップの一斉連絡

→掲示物でのお知らせを見逃すことが減った/災害時や、コロナのような緊急連絡がすぐに届く など

保育施設と家庭をつなぐアプリです。

―使っている方の声や、反応を教えてください。

家庭全体で共有できるため、子どもと保護者、ママ・パパ間での会話も増えています。離れている祖父母も、一緒に見ることができます。

これは、核家族化が進む社会での、“子育ての孤立感”を解消する一助になっているのではないかと実感しています。

そして、ササッと記入しやすいアプリの連絡帳は、保育者の事務作業負担も軽減。

結果として、保護者・保育者ともに「子どものための時間」を増やすことができているという確信があります。

お昼寝見守り&体温データ管理「hugsafety」

IoTを活用したサービスhugsafety(ハグセーフティー)

・お昼寝を見守る午睡センサーマット
・3秒で測定&記録ができる非接触 スマート体温計

―IoTを活用することによって、既存のサービスとの違いは?

保育者による目視確認(お昼寝中のブレスチェック等)に加え、IoTセンサーが二重で見守るので、安心感が高まります

また、スマート体温計は検温データが自動的にクラウドに蓄積されるので、保育者の検温・記録業務を大きく効率化することができます。

データによる“見える化”で保育の不安を取りのぞく

保育のデジタル化も進むなか、学研グループの教育ソリューション事業会社、株式会社学研教育みらいとの協業も実現しています。これにより、保育園、こども園などのICT化を、さらに推進していきます。

―今後、描いているビジョンについてお聞かせください

hugmoはワンプラットホームといって、おおもとのシステムが一つです。

そのため、データ連携や新たな分野への展開がしやすくなっています。

例えば、デジタルコンテンツの提供により、保育現場で使用した教材をそのまま家庭でも利用できたり、子どもが休んだ日にもその場で情報共有ができたりなど、見通しやストーリーをもって子育てをすることが可能なのです。

また、保管したパーソナルデータをもとに、健康データや発達を可視化することで(個人の成長曲線などがデータになっているようなイメージです)、安心して育児ができる環境を提供します。

そういった“見える化”によって、保護者の不安を解消することを進めています。

これらが、子育ての孤立を減らすことに貢献できると信じています。

ユニファ株式会社~保育現場と家庭の「点と点」をつないで、親子のコミュニケーションを確保~

代表の、土岐泰之さんに教えていただきました。

ユニファ株式会社

「スマート保育園®」「ルクミー」といったチャイルドケアテックの分野で、サービスの企画・開発・販売・運営を行っている。その他、AIやIoT等を用いた保育関連テクノロジーの研究開発も進めている。2013年設立。

保育現場でもっと子どもに集中できる「ルクミー」

IoTやICTを取り入れたルクミーというサービスを提供しています。

・安全なお昼寝を見守る医療機器「ルクミー午睡チェック」
・検温、記録が数秒でできるスマート体温計「ルクミー体温計」
・保育者が撮影した写真や動画をオンラインで購入できるサービス「ルクミーフォト」
・登降園管理、電子連絡帳や帳票管理を揃えたサービス「キッズリー」
・保育現場のシフト管理を自動作成するサービス「ルクミーシフト管理」
・送迎バスの位置情報を保護者に伝えるサービス「ルクミーバス位置情報」

―活用のポイントを教えてください。

IoTを取り入れたことにより、個人のバイタルデータ(生体情報)として活用できる。

例えば「ルクミー体温計」は、毎日の体温の変化を数値で見られたり、「ルクミーフォト」では、日々の子どもの姿を撮影し、記録するので「○○ちゃん、いつもと様子が違う」などと、誰でもすぐに気づけます。

保育者でなければできない仕事に注力してほしい。

保育者の保育業務・事務作業に、必要な物をそろえています。

例えば「ルクミーシフト管理」を導入したことで、月に80%近くの事務作業が減ったという実績もあります。

こういった、保育者でなくてもできる作業は、「ルクミー」シリーズをご活用いただくことによって減らし、その時間を子どもと向き合うことに使ってほしいのです。

保育者は、子どもと関わるプロ。

保育者でなければできない仕事=子どもと関わる時間を確保し、保育者自身にも仕事のやりがいを感じてほしいと思っています。

ルクミーから得られたデータを、保育者が家庭に伝えることで、保護者とのコミュニケーションツールとしても使っていただきたいですね。

データを連携させて、オールインワンを目ざす

保育現場で「ルクミー」シリーズ、また、登降園管理や書類業務をデジタル化した「キッズリー」をフル活用した「スマート保育園®」で、子育て・保育に関する課題解決を図ります。

保育現場だけで完結していた物事が、他の物事と連携して、新たな展開を迎えることも考えられます。

―どんな風に連携させるのでしょう?

例えば、「Aくんが今好きな絵本は■■です」と連絡帳に記載する

→日々のデータとして溜まっていく

→「■■の絵本が好きなら、次は△△がおすすめ」といった紹介をできるようにしていく形です。

―今後のビジョンについてお聞かせください

保育現場での実績を、家庭向けの育児支援として展開することも考えています。

一つのデータをとっておしまい、ではなく、保育現場だけ、家庭だけ、でそれぞれ完結していた点と点がつながる、オールインワンの子育て社会のビジョンを描いています。

そうすることによって、子どもが本当に必要としているものや、課題も見えてくるのではないでしょうか。

サービスを活用してもらい、社会全体で子どもを見守り育てたい

今、日本全体で子育ては大変なこと、つらいことと捉えられているように感じます。核家族が増えていることもあり、子育ての悩みを身近に相談できる人がいない状況もあります。

実は、私自身の子育てで大変さを痛感した経験から、会社を設立したのです。

親子のコミュニケーションを、量・質ともに確保して、子どもたちが、自分は愛され、見守られて育った、と感じられる社会にしたいと考えています。

そのために、サービスを活用してもらい、正しい生の循環を「スマート保育園®」のなかで実現していきたいです。

社会全体で子どもを見守り、子どもと関わることを、前向きに捉えられる社会になっていけば幸いです。

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保護者や保育者が、子どもに目を向けるゆとりを作るために、最新テクノロジーが活用されているのですね。

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