7月17日は「海の日」です。
多くの地域で間もなく海開きが行われます。暑さが増してきた今回は、「海」をテーマに絵本を紹介します。
絵本セレクトは、絵本講座主宰・JPIC読書アドバイザーの大久保徳久子さんです。
「海」がテーマのオススメ絵本!
◆2~3歳向け! 『うさぎちゃん うみへいく』
作・絵/せな けいこ 1,100円(税込) 金の星社
【あらすじ】
うさぎちゃんは、海に連れてきてもらいました。潮だまりで遊んでいると、カニに挟まれている小さな人魚を見つけます。うさぎちゃんが助けてあげると、お礼に人魚が海の中を案内してくれました。いろんな魚がいて、とっても楽しかった!
【オススメポイント】
この夏、初めて海に出かけるというご家庭もあるかもしれませんね。そんなときにぴったりの絵本です。文中には書いてありませんが、「チャブンチャブン」「ザブン」「スイスイ」など、水を感じるオノマトペを入れて読んでみるのもオススメです。
読むときには、海の色にも注目してください。浅瀬は、透明な薄い緑、人魚に連れられていく深い海は、濃い青緑。味わいのある貼り絵で、海の色を丁寧に描き出していますよ。
◆3~4歳向け! 『ようこそうみへ』
文/中川ひろたか 絵/村上康成 1,430円(税込) 童心社
【あらすじ】
みんなで海にやって来ました! 広い砂浜に、波しぶき。楽しく遊んでいると、空に浮かんでいる雲が「みんなと遊びたい」と声をかけてきました。真っ青な空の下、雲といっしょに楽しく遊んだ、不思議な一日になりました。
【オススメポイント】
大人気『さつまのおいも』の、ピーマン村シリーズの一冊です。
スカッとした青空と、その青さに負けないくらいの海の色。絵本を読むだけで、夏の気分が味わえます。
海で遊ぶシーンでは、浮き輪をつけて泳ぐ、ボールで遊ぶ、タコを追いかける、砂浜で何かを探すなどなど、楽しみ方のバリエーションを見せてくれます。「こんなことしたいね」「この子は何をしているのかな」など、お子さんと楽しく会話しながら読んでください。
◆4~5歳向け! 『うみのかくれんぼ』
監修/サンシャイン水族館 写真提供/ネイチャー・プロダクションほか 1,430円(税込) ひさかたチャイルド
【あらすじ】
海の生きものたちは、身を守るために、かくれんぼをしています。砂と同じ模様になって隠れているのは、「かれい」。海藻の中に隠れているのは、「リーフィーシードラゴン」。海の底に張りいているのは、「まだこ」。さあ、見つけられるかな。
【オススメポイント】
わたしたちにとって海は、遊びに行ったり漁をしたりする場所ですが、海の生きものにとっては、「生きる場所」です。生き延びるために、攻撃だけではなく、上手に隠れるという方法もある訳です。
この絵本では、「もういいか~い?」で、次のページをめくると、海の生きものが隠れている姿を見せてくれます。写真でリアルに生きものの生態を感じつつ、クイズ形式になっているので、飽きることがありません。海だけでなく、水族館に出かける前にもオススメ!
◆5~6歳向け! 『なみのいちにち』
作/阿部 結 1,980円(税込) ほるぷ出版
【あらすじ】
この本の主人公は、波。太陽が顔を出したら、波の一日は始まります。ねぼすけのカモメを起こし、漁に出るお父さんをお見送り。昼下がりは海水浴客でいっぱい。日が沈むと、夜の不思議なダンスパーティー会場になります。波の豊かな一日が描かれています。
【オススメポイント】
とても美しい絵本です。日の光を浴びてキラキラ光る海の波は、なんてきれいなんでしょう。太陽が昇って、日の入り、そして夜まで、刻々とかわる波の姿が丁寧に表現されています。
中には、一人のおじいさんの生涯をコマ割りで表現した、セピア色のページがあります。海で妻と出会い、漁師として過ごし、生まれた子と遊んだ海。海という場所に人生が詰まっている人がいる。そこに言葉はありませんが、胸打つシーンです。大人にも子どもにもぜひ読んでほしいと思います。
次回(7月22日更新)は、「食べもの」をテーマにした絵本を紹介します。お楽しみに!
この記事の監修・執筆者
出版社勤務など30年以上絵本の編集に携わる。現在は、「絵本の可能性を広げる」をモットーにオリジナルの絵本講座を開催。全国の赤ちゃん~小学生の保護者、保育士、図書館司書など、これまで1,500人以上に絵本の魅力と可能性を伝えている。
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