わが子の学校での様子が垣間見える参観日。せっかくの機会ですので、有意義なものにしたいものですね。
では、参観日には何を見ればいいのでしょうか?気をつける点は?
親野智可等先生に伺いました。
ポイント1:早めに行ってわが子の休み時間の様子を見よう
参観日に、親はみんな授業中のわが子の様子を見るつもりで学校にきます。
でも、実は一番見るべきなのは授業中の様子よりも休み時間の様子です。
いうのも、休み時間の過ごし方を見れば、子どもが学校に適応できているかどうかがわかるからです。
休み時間に楽しく幸せそうにしていれば適応できていると言えます。
特に大事なのは友達関係です。
子どもたちの悩みで一番多いのは友達関係のことですから、友達関係がうまくいっていれば幸せに過ごせることが多いのです。
もちろん、休み時間には一人で楽しく過ごしたいという子もいて、それはそれでいいと思います。
でも、「友達と遊びたいのに遊べない」「休み時間がつらい」という状態ならば、早急に何とかしてあげる必要があります。
たとえば、授業参観が5時間目にある場合は、できたら少し早めに行って、昼休みの様子を見てみるといいでしょう。
授業中の様子を見ても、子どもの友達関係についてはわかりません。
ポイント2:もちろんわが子の授業中の様子を見ることも大事
もちろん、授業中の様子を見ることも大事です。
授業に集中できているか、先生や友達の話を聞いているか、授業の内容がわかっているか、などです。
わが子が発表するかどうかも、親としては気になると思います。
でも、これは性格によるものが大きいので、あまり気にしないほうがいいでしょう。
発表しないからといって、それを叱る材料にしないでください。
ポイント3:わが子の友達とその親、できれば会話や挨拶を
参観日は、わが子の日頃の話によく出てくる友達を見ておくのにもいい機会です。
前日に友達の名前をもう一度聞いて、その子たちの席のだいたいの場所も聞いておくといいでしょう。
可能なら、その子と挨拶や会話ができればいいですね。
そうすれば、それ以降わが子が友達の話をしたときに、より鮮明にイメージしながら聞けるようになります。
さらには、その子のママやパパも確認して、挨拶や会話ができれば最高です。
それがきっかけになって、ママ友ができるかも知れません。
ポイント4:教室や廊下の環境や危険箇所をチェック
教室や廊下の環境を大人の目で見ておくことも大事です。
特に、危険な箇所がないかを見てください。
2階以上の教室や廊下で、窓際にロッカーなどがおいてあると、子どもが乗って窓から転落する可能性があります。
もちろん、どの学校の職員も気をつけてはいるはずですが、「人間の慣れ」というのは怖いもので、見慣れてしまっていると意外と気がつかないということもあります。
ですから、保護者の新鮮な目で見ることには大きな意味があるのです。
そして、もし気になることがあったら、それを学校に教えてあげてください。
自分で伝えてもいいですし、学級役員さんに伝えてもらってもいいです。
授業中のおしゃべりはNG。廊下の声も聞こえます
私も経験がありますが、授業中に保護者の方々がおしゃべりすると、非常に迷惑です。
なぜなら、先生の話や子どもの発表が聞き取りにくくなり、子どもたちが授業に集中できなくなるからです。
さすがに教室内でおしゃべりする人は少ないですが、廊下でのおしゃべりは多く見られます。
廊下なら大丈夫と思っているのでしょうが、教室の中にもざわざわ感が伝わってきて、子どもたちが落ち着かなくなります。
参観日の子どもたち、朝からハイ・テンションな子も
参観日の子どもたちの精神状態は普段の日とかなり違います。
低学年になるほどこれは顕著で、中には朝からテンションが高い子もいます。
実際に自分の親の姿を見て、異常に興奮してしまう子もいます。
日頃は落ち着いて授業に集中している子が、参観日だけは集中力を欠いてしまうということもよくあります。
親としてはその辺りの子どもの気持ちを理解している必要があると思います。
とにかく、子どもたちは親が学校に来てくれるのがうれしくてたまらないのです。
本当にかわいいじゃないですか。
参観日で、子どものほめられる部分を探し出そう
参観日を叱るきっかけにしないでください。
それよりも、ほめるきっかけにして欲しいと思います。
子どもの様子を見ながら、ほめられる部分を探し出してください。
そして、家に帰ったらほめてあげてください。
家に帰って、「しっかり○○しなきゃダメでしょ」と叱ってばかりいると、子どもは参観日が大嫌いになります。
口で叱っても、それだけで改善するものはほとんどないと思います。
それよりも、ほめられる部分を探して「がんばってるね」と言ってあげてください。
そうすれば、子どもはうれしいですし、さらにがんばるエネルギーもわいてきます。
そして、次回の参観日も親を歓迎してくれるでしょう。
この記事の監修・執筆者
長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。X、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。
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