子ども同士が仲良くなったから。同じクラスになったから。ママ友との出会いは人それぞれです。一方で、せっかく縁あって親子でのお付き合いを始めても「子ども同士がケンカをした」「お友だちをたたいてしまった」「お友だちの物を壊してしまった」などトラブルが起きることもしばしば。
なかでも、ママ友間で起こりうる“トラブル”で特に“悩んだ”という声が多く聞かれるのは“お金”に関すること。そのトラブルについての対処法を「ママ友トラブルフォーラム―ママ友110番―」主宰のなかさとさんにアドバイスをいただきました。
こそだてまっぷ編集部
事例1)子どもが友だちからお金をもらって帰宅。返金したもののママ友となんとなく気まずいです……
小学3年生、男の子の話です。公園で友だち5人と遊んでいたのですが、帰宅すると「友だちがお金をくれた」と私に話してきました。慌ててポケットの中身を確認すると総額3000円ほどのお金を息子が持ち帰っていました。こうなった経緯を問うと、ゲームをして勝った人が“賞金”をもらえたのだと言います。
「お金をもらうことはいけないことだとわかっていたけど、ゲームに勝ってうれしかったから受け取ってしまった」と反省する息子。一緒にお金を返しに行こうと提案し、私は慌てて賞金を渡したとされるお子さんの親であるママ友に電話で連絡しました。
ママ友はこの件について何も知らない様子だったので、私から事情をお伝えすると、「子どもがいくら持ち出していたかわからないので、持ち帰った額すべてを返してくれれば大丈夫だよ」というお返事がありました。温度差に少し動揺したものの、この日は、賞金を受け取ってしまったほかのお友だち親子と一緒にママ友宅を訪ね、謝罪して終了。
しかし、後日そのママ友から連絡があり「子どもにお金をあげた経緯を聞いたら、あなたのお子さんが欲しいと言ったからあげたと言っているの」と……。「そんなことは言っていない」という息子を信じたい気持ちはもちろんありますが、お金を返すだけでなくさらにお詫びの品もお渡しした方がよかったのでしょうか。それ以来なんとなくママ友と気まずい関係です。

なかさとさんのアドバイス
必要以上に謝らないことも大切! お金を返したら毅然とした態度で接することが修復のポイント
子ども同士の言い分が違うことはよくあることです。今回は、お金が関係していることもあり、悔しい気持ちなどいろいろと複雑な思いがあったとお察しします。ですが、お子さんはお金を受け取ってしまったことをきちんと親に打ち明け、全額返金したのです。できることはすべてしました。
どのように謝罪されたのかはわかりませんが、謝罪の場では“受け取ってしまった我が子だけが悪いような伝え方を必要以上にしない”ことと、“お友だちとのお金のやりとりに関して教育が足りていなかったことはきちんと謝罪する”ことを心がけるとよいでしょう。
そして、相手の“言い値”をお支払いしたらこのトラブルは解決。その後会うたびに謝罪をすることや、引け目を感じる必要は一切ありません。逆に言うとそのような態度や気持ちで接することで、ママ友との距離が生まれかねません。
もしも逆の立場になったときは、やはり同じように我が子だけが悪いような伝え方を必要以上にはせず、お金にまつわる教育が足りていなかったことを謝罪しましょう。また、今回の場合、きちんとお金をもらってしまったことを打ち明けたお子さんをほめてあげてくださいね!
事例2)カラオケやゲームセンター。お金を使った遊びは避けたい我が家は厳しすぎ?
小学5年生の女の子がいます。周りのお友だちがボウリングやカラオケ、プリクラを撮りに行こうなど、何かとお金を使った遊びをするようになってきました。
ママ友は、自分のお小遣いでやりくりしているようだから勉強になるし口出ししていないと言いますが、私はできればお金を使わない遊びをしてほしくて「お金を使う遊びはやめて」と娘に声がけをしていました。
しかし、ある日掃除をしていると娘のバッグの中にお友だちと撮ったプリクラが……。写真の中には“カラオケ大好き”の文字が書かれたものもあり、カラオケにも行っていることがうかがえました。娘を問いただすと、毎回お友だちが娘の分の費用を出してくれていたことが発覚。
当然ながらすぐにでも娘の分をお支払いしたかったのですが、領収書もないため、総額いくらなのかもわからず、お金を返すに返せないでいます。ママ友にどう切り出すべきでしょうか。

なかさとさんのアドバイス 高学年の場合は、子ども同士の解決でOKな場合も
まずは、お友だちにお金を返そうという話を娘さんとしたうえで、娘さん経由でママ友がこの状況を知っているのかを聞いてみてはいかがでしょうか。
お友だちが親に伝えていない場合は、金額にもよりますが、子ども同士の解決でOKだと思います。「プリクラ〇回分とカラオケ〇回分、お返しするね」と本人に伝えさせるのです。
高学年ともなると子どもの関係を飛び越えていきなり親が出るのはNGなケースも多々あります。すみやかに返金することは最優先にすべきですが、金額をお子さんを通して聞いてみてからでもよいと思います。お支払いの際には、気持ちとしてお菓子を添えるなどし、お友だちのやさしさに対する感謝も示したいですね。
そして、ママ友がすでに知っている状況だった場合は、すみやかにママ友に連絡し「恥ずかしいことに今まで知らずにいた」という事実をお伝えしましょう。
また、子どもの遊びの状況を知らずにいた親子間のコミュニケーション不足について謝罪するとともに、自分の大切なお金を使ってでも娘と遊び続けてくれたママ友の娘さんのやさしさに感謝し、これからはお金の管理をしっかりすることを約束するといいと思います。この場合もちょっとした気持ちを添えることをオススメします。
最後に、これからのママ友付き合いの参考にひとこと。お詫びには心づけは不要ですが、お礼にはお菓子などの小さな気持ちを添えるといいと思いますよ。
お金にまつわるママ友トラブルを可能な限り避けるためには、親子間でしっかりとお金のルールを決め、使い方やお金の価値を丁寧に子どもに説明することが必須。同時に子どもが親に言い出しづらいことこそ、打ち明けられる関係作りを日頃から心がけることが大切だと言えます。
この記事の監修・執筆者

ママ友トラブルアドバイザー。自身の経験から、閉鎖的なママ友社会をうまく乗り切る方法を研究・伝授している。マンツーマンによる丁寧なフォローアップや、定期的に座談会などを行う。一児の母。
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