【きょうだい喧嘩はすぐに止めた方がいいはウソ⁉】喧嘩が起こるきっかけや保護者が介入するタイミングとは?

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2人以上の子どもを持つ家庭で、必ずといってよいほどぶつかる壁が「きょうだい喧嘩」。「なんでこんなに喧嘩するの?」「どう対処すべきか……」など、ママパパの悩みはつきません。

ここでは、きょうだい喧嘩が起こる理由や、ママパパはいつどのように介入すべきかについて解説します。

文/マムズラボ

目次

きょうだい喧嘩が起こるきっかけは?

きょうだい喧嘩はいつ、どのようなきっかけで起こるのでしょうか。まずはきょうだい喧嘩のきっかけを知ることで、ムダな喧嘩を回避したり、エスカレートする前に対処したりできるかもしれません。

遊びの延長

上の子の遊びを下の子がぐちゃぐちゃにしてしまったり、下の子のおもちゃを上の子が返さなかったり、どちらかは遊びのつもりなのに、もう片方の逆鱗に触れて喧嘩になってしまうことがあります。

発達段階の違いがあるので、ある程度は避けられないものではあるのですが、なぜ喧嘩になるのか、喧嘩をせずに遊ぶ方法はないのか、本人たちが考えて工夫するよう誘導してあげたいですね。

モノや権利の取り合い

喧嘩の原因として最も多いのが「取り合い」かもしれません。おもちゃやお菓子などモノの取り合いだけでなく、テレビのチャンネルやお風呂の順番といった優先権も大きな争いの種になりますね。

「順番にね」とルールを決めればおさまることもあります。ルールによって争いを避けてお互いが気持ちよく過ごせることを学べるとよいですね。

ストレス

集団生活でうまくいかないストレスをきょうだいにぶつけてしまう、習い事がうまくいかなくて譲ってあげる心のゆとりをなくしてしまう……などストレスが喧嘩の原因になることもあります。

きょうだいのどちらかにストレスがかかっている状態で「あの子も大変なんだからガマンしなさい」ともう一方に押しつければ、その子にとってはそれがストレスの原因になります。理想はなるべく速やかにストレスの原因を取り除いてあげることです。

愛情の取り合い

ママパパに抱っこしてもらう順番や長さなど、愛情の取り合い、つまり嫉妬や独占欲が喧嘩の原因になることも多々あります。

ママパパなど、大人が世話をしてくれないと命の危機にさらされる子どもにとって、愛情を示してもらえるかどうかは死活問題です。どちらかを過度にガマンさせることがないようバランスを保つことが大切です。

赤ちゃん返り

愛情の取り合いの中でも、最も激しく、そしてママパパが対処に悩むのが上の子の赤ちゃん返りではないでしょうか。

年の近いきょうだいを持つ家庭では、どうしても手のかかる下の子に保護者の関心が集中してしまいます。ある程度仕方のないことではあるものの、並行して上の子のケアをすることはどうしても必要です。

これまで自分中心で育ってきた上の子は、ママパパが下の子にかかりきりになることで、「かまってほしい」「もっと甘えたい」と、徐々にストレスを蓄積させることになります。その結果、「なんであの子ばっかり」と、下の子に対する嫉妬心がうまれ、喧嘩が発生します。

さらにそこで「大きいんだから、ガマンしてね」などといわれて責められれば、「(自分は)お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんかじゃない!」と、自分自身を否定することにもつながりかねません。上の子が「自分はこれまでどおり愛されているんだ」と実感できるよう、接し方を工夫しましょう。

オススメ記事:【キレやすい子どもにならないために】怒りをコントロールする、子どものアンガーマネジメントとは[専門家監修]

きょうだい喧嘩に保護者が介入するタイミングは?

きょうだい喧嘩が勃発したとき、保護者はいつ介入すべきなのでしょうか?

少し様子を見る

つい「喧嘩しちゃダメ!」と急いで止めたくなりますが、実は、きょうだい喧嘩の場合は、すぐに仲裁に入るべきではないことも多いのです。

きょうだい喧嘩によって子どもは、相手を尊重することや仲直りの方法など、さまざまなことを学びます。ことばだけでやり合っているなど、ケガをするような危ない状況でなければ、なるべく見守るのがオススメです。

大人が介入せずに子どもどうしで解決できればベストですね。

危険なときはストップを

では喧嘩を止めるタイミングはいつがいいのでしょうか。それは、どちらかが手を出したり、モノを投げたりしたときなど、物理的に危険な状況になったと判断したとき。その場合は、すぐに介入が必要です。

また、やり合っているのではなく、どちらかが相手を一方的に攻撃している状態になったときも引き離してあげたほうがいいでしょう。

きょうだい喧嘩への介入方法5ステップ

しばらく見守っていても、どうにも喧嘩がおさまらないときは、大人が介入するしかありません。

ここでは、きょうだい喧嘩への基本的な介入方法を解説します。

1.いったん物理的に離す

エキサイトしている2人を離して物理的な距離を取ります。別室に引き離すなど、喧嘩している当人どうしがお互いの視界に入らないようにします。

2.少し時間を置く

泣いているなら泣きやむまで、怒っているなら冷静になるまで、そっと子どもを見守ります。早く落ち着かせたくて叱ったりなだめたりしてしまいがちですが、多くの場合、感情の炎に油を注ぐこととなり、逆効果です。

感情が落ち着いてくれば、解決の半分まできたといっても過言ではありません。

3.双方の気持ちを聞く

気持ちが落ち着いて対話ができる状態になったら、それぞれから別々に、何があったのかを聞きましょう。この際、話の途中で否定したり注意したりせずに、まずは本人の言い分を聞くことに徹します。

客観的に見て事実と違っていても、まずは子どもが思っていることを吐き出させる気持ちで聞くことが大切です。

4.気持ちに寄り添う

「悲しかったね」「こうしたかったんだよね」と、「気持ちを理解した」ことをことばにして示します。理解してもらった、気持ちを受け止めてもらった、という実感を得ることで、前向きに次のステップに進めます。

5.対処法を考えさせる

「じゃあ、どうしようか?」などと投げかけて、子ども自身に対応を考えさせます。「ごめんなさいをして、仲直りする」となればひと安心ですね。「この遊びは妹のいるところではやめておく」といった、そもそも喧嘩を発生させないための工夫が出てくることもあります。

「しばらくお姉ちゃんとは遊ばない」などという絶交宣言が出ることもありますが、心配はありません。いつも仲のよいきょうだいならば、絶交が長続きすることはないでしょうし、普段から喧嘩が絶えないきょうだいならば、喧嘩による子ども自身と周囲のストレスが減らせる可能性があります。

子ども自身が冷静な状態で考えた対処法が、人を傷つけるような方法でなければ、基本的に子どもの意思を尊重しましょう。「喧嘩のあとどうするか」「そもそも喧嘩にならないためには」と考えることが、子どもの思考力や社会性を伸ばします。

きょうだい喧嘩は「介入し過ぎない」ことが肝心!

ママパパにとってきょうだい喧嘩は「できるだけやってほしくないもの」かもしれません。しかし、きょうだいがいれば、喧嘩は避けて通れません。「喧嘩するほど仲がいい」ということばもあるように、あまり神経質になり過ぎないことも必要です。

毎回ママパパが仲裁するのではなく、介入のポイントを見きわめ、少しずつでも子どもたちだけで解決できるよう、解決策をいっしょに考えていきましょう。

この記事の監修・執筆者

曽田照子

作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』

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