【「さわやかな天気の日」がテーマの一冊】こそだてまっぷの絵本棚

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【「さわやかな天気の日」がテーマの一冊】こそだてまっぷの絵本棚

5月の絵本棚の2回目は、散歩やピクニックにぴったりの気候にちなんだ絵本を紹介します。絵本のセレクトをしてくださったのは、絵本専門士でNPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師、現役の保育士でもある、遠藤裕美先生です。

目次

5月第2回

「さわやかな天気の日」がテーマの一冊

2~3歳向け!14ひきのぴくにっく

作/いわむらかずお 1,430円(税込) 童心社

【あらすじ】

おとうさんとおかあさん 、おじいさんとおばあさんに10ぴきのきょうだいを加えて14ひきの家族の物語。お天気のよい日に、おにぎりと水筒を持って、14ひきの家族がのはらに出かけることになりました。春ののはらは、たくさんの花や生き物たちがいっぱいです!

【オススメポイント】

大勢での読み聞かせではなく、膝の上でじっくりといっしょに楽しみたいお話です。14ひきのねずみの家族。表紙では名前入りで紹介されています! 子どもと読むときには、1ぴきずつ指を差して確認するところから始まっていました。この絵本は文字は少なめですが、絵が語っています!

「くんちゃん、すみれのはな みつけた。」「ごうくん はっくん、なにが みえる?」など、絵本に書かれている問いかけに、「くんちゃんどこ?」といっしょに探す楽しさがありました。問いかけ以外にも、なっちゃんとごうくんが水筒の引っ張り合いをしていたり、てんとう虫や草の中に隠れているカエルを見つけたり・・・。「絵を読む」ことが本当に楽しくて、いくらでも読んでいられると思います。春の自然を楽しみつつ、子どもと楽しく会話をしながら読める一冊です。


◆3~4歳向け!ぐりとぐらとくるりくら

作/中川李枝子 絵/山脇百合子 990円(税込) 福音館書店

【あらすじ】

おひさまがへやいっぱいに入ってきた春の朝。わくわくしたぐりとぐらは、サラダとサンドイッチを作って原っぱで食べることにしました。そこで出会ったのは、てながうさぎの くるりくら。3人は、たくさん食べて遊んで楽しい時間を過ごします。思わず、でかけたくなるような気持ちのいい春のお話です。

【オススメポイント】

扉ページで、ぐりとぐらがセーターを脱いでいます。そんなところからも、春を迎えたさわやかさを感じられました! 気持ちのいい陽気に誘われて原っぱへでかけたぐりとぐら。そこで、不思議な友だちのくるりくらに出会います。ぐりとぐらの絵本では、リズミカルな言葉がたくさん登場するところも魅力の1つ! この絵本の中にも、「ぴょん ぴょん きのぼり おてのもの てながうさぎの くるりくら」「はるかぜ そよかぜ くるりくら とびたい はねたい おどりたい」など、楽しい描写に合わせたリズミカルな言葉がたくさん詰まっています。どんな風に読もうかなど難しく考えずに、自然と出てきたリズムテンポで読んでみてくださいね♪ 子どもたちもいっしょに声に出したくなるようで、「とびたい はねたい おどりたーい!!」と、読み手に合わせて声を上げていました。絵本の中で3人と遊んだあとには、外へ駆け出したくなるお話です! 実際に、この絵本を読んだあとには、ぐりとぐらのように縄跳びを楽しむ子が多かったですよ♪


4~5歳向け! 『もりのかばんやさん』

作・絵/ふくざわゆみこ 1,430円(税込) Gakken

【あらすじ】

しらかばの小道のつきあたりには、森で人気のかばんやさんがあります。お店の中は、店長のハリハリが作る手作りかばんでいっぱい。お客さんのリクエストに応えながら丁寧に作るかばんは、すてきなものばかりです。森のみんなは、どんなかばんを選ぶのかな?

【オススメポイント】

まず、表紙がとてもすてきで、たくさん並んだかばん・笑顔で迎えている、はりねずみ店長のハリハリ。今からお店に遊びに行くような気持ちで読み始められます! かばんやさんは大にぎわい。かるがものきょうだいたちはいろいろな色のリュックを選んでいます。お店を訪れたお客さんは、どんなかばんを選んでいるのかな~と子どもたちが興味津々で見ていました。ハリハリは、お客さんのリクエストにも丁寧に応えてかばんを作ります。頼もしい助っ人のくもくんと仕上げたひつじさんのかばんは、ピクニックバスケット! ひつじさんに誘われた温かな日差しの中でのピクニックには、思わず子どもたちも笑顔になっていましたよ。最後に森の地図が描かれているのですが、作者のふくざわゆみこさんの「もりのホテル」や「もりのとしょかん」など、ほかの絵本を読んだことがあるとより一層楽しめると思います。


大人向け! 『チリとチリリ』

作/どいかや 1,320円(税込) アリス館

【あらすじ】

仲良しのチリとチリリは、早起きをした日に2人ででかけることにしました。春の花がきれいに咲く森をサイクリング! 森の喫茶店でお茶をして、サンドイッチ屋さんでパンを買って、たくさん遊んだあとはホテルにお泊りです♪ チリとチリリのすてきな1日をじっくり楽しむことができますよ。

【オススメポイント】

温かでやさしい色彩で描かれた絵が魅力の絵本。子どもたちにも人気のお話なので、お子さんとの読み聞かせでも楽しい時間が過ごせると思います。でも…。ぜひぜひ育児の時間が落ち着いたときに、この絵本を自分のために開いてみてください。チリとチリリシリーズには、おいしいもの・かわいいものがたくさん登場します。森の喫茶店に並べられたさまざまな形のテーブルやイスを見ていても、「このイスにはだれが座るのかなぁ~」と想像が広がります! どんぐりコーヒーやれんげティー、にんじんパンのゆずジャムサンドなど、名前を見ているだけでも幸せな気持ちになりますし、味を想像することも楽しいですね。チリとチリリのすてきな1日をいっしょに楽しみましょう♪

個人的な好みにもなるのですが…。カバーを含めて、本の手触りからも温かさが感じられる気がします。

次回の「こそだてまっぷ絵本棚」は6月。「梅雨」をテーマにした絵本を紹介します。

この記事の監修・執筆者

絵本専門士・保育士  遠藤裕美

絵本専門士7期生。NPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師。現役保育士として、絵本を取り入れた保育を実践している。地域の読み聞かせボランティアの経験も多数。保育雑誌や書籍にて、絵本のセレクトや、執筆も行っている。監修書に『年齢別! 子育てママ&パパの頼れる絵本193』(ユーキャン)。

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