最近よく聞く「SDGs」。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字を取ったもので、エズ・ディー・ジーズと読みます。
今回は、子どもといっしょにSDGsを学ぶ方法や、家庭でできるSDGsの取り組みについて解説します。家族でSDGsに取り組みたいと考えているかたは、ぜひ参考にしてみてください。
文/マムズラボ
そもそもSDGsとは?
SDGsは、17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からなるもので、「誰一人取り残さない」という共通理念のもと、世界中のすべての人々が達成を目指す目標のことを指します。2015年9月の国連で採択され、2016年〜2030年の15年間の目標として取り組んでいます。
SDGsは地球を取り巻く諸課題を解決するためにさまざまな目標を掲げ、世界単位で取り組んでいこうという取り組みであるため、大人たちだけの目標というわけではありません。未来を担う子どもたちへの教育が重要だと考えられており、子どもたちがSDGsの目標を達成することで、子どもや地球に関連するさまざまな課題を解決することにもつながります。
最近では、小学校の授業の中でも総合的な学習の時間を利用するなど、子どもがSDGsについて学ぶ機会も増えています。
これからの世界を牽引する子どもたち自身が認識し、向き合い、取り組んでいく必要があります。
子どもといっしょにSDGsを学ぶ方法
続いては、子どもといっしょにSDGsについて学ぶ方法を見てみましょう。
SDGsに関する本を読む
まずは、SDGsに関する本を読むという方法です。
子どもが無理なく理解できるように年齢に合った本を選び、話をしながら読み進めると理解が深まります。
SDGsに関する本は、SDGsに関する基本知識を学べるものや、イラストやコミック形式などを使用し視覚的にも子どもにわかりやすい工夫がされているものなどさまざまな種類があります。
小さな子ども向けに、絵本でSDGsについて解説しているものもあるため、子どもに合った本を選び、おうちのかたといっしょにSDGsについて学んでみてくださいね。
SDGs教育ゲームやアプリで楽しく学ぶ
続いては、教育ゲームやアプリを使ってSDGsを学ぶ方法です。ゲームやアプリを介した行動を通じて、SDGsへの理解を深めることができます。無料で公開されているものがたくさんあるので、ぜひ探してみてください。
SDGsを学べるすごろく
定番のすごろくのかたちで、SDGsを学べる教材があります。マスに設定してあるクイズや問題について考えることで知識を深めることが可能です。SDGsをテーマにしたサイコロやカードなど、付属のグッズがあるものもあります。
SDGsを学び、思考力が養えるカードゲーム
SDGs の17 個の目標について考えたり、課題解決のためのアイデアを出し合ったりする様式のカードゲームもあります。テーマに沿ってプロジェクトをクリアしたり、SDGs において最も重要な「誰一人取り残さない」という理念を実現するための思考力が育つ内容になっていたりと、さまざまな種類があります。また、地方創生や企業の課題解決をテーマにしたものもあります。
SDGsを学べるアプリ
SDGsに関して実際にアクションを行うことで、アプリ内でポイントがもらえたり、アプリに含まれるゲームを楽しめる要素があるものもあります。また、訳ありな商品を購入することで食品ロス削減に協力できるアプリもあります。スマホひとつでサステナブルな未来づくりへの貢献ができるため、毎日、少しずつ活動に取り組みたいご家庭にオススメです。
インターネットで、世界の現状を調べる
子どもとSDGsについて話をする中で、疑問に思ったことや世界の現状をインターネットで調べることでSDGsを学ぶこともできます。
たとえば、目標4「質の高い教育をみんなに」に関連すると、世界では5人に1人が学校に通えていないことを以下のような観点から知ることができます。また、日本と他国の項目を比較することで、これまで気づかなかった疑問が生じたり、気づきを得られることもあるでしょう。このように、17つの目標を見比べながら、気になったことを調べていくこともオススメです。
・日本では実現できていて、ほかの国ではできていないこと
・ほかの国では実現できていて、日本では遅れていること
・日本と特定の国の暮らし、教育などSDGsテーマの達成度の比較
・世界から見た日本の姿
・SDGs先進国が取り組んでいる内容 など
SDGsを達成するために家庭でできること
最後に、SDGsを達成するために私たちが今すぐにできることを紹介します。
電気や水の無駄遣いを減らす
目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」にあるように、電気や水の無駄遣いをしないことは今すぐに取り組めます。
発電に使うエネルギー源である化石燃料や水は、限りがある資源です。
使っていない照明は消す、お風呂でも体を洗っている間は水を止めるなど、日常生活を思い浮かべながらできることを考えてみましょう。
食事を残さず食べる
毎日の暮らしの中で取り組みやすいことが、食事を残さず食べることです。家族一人ひとりが自分の食事の適正量を知り、購入する食材の量を見直したり、食材を余らせない調理の工夫を行ったりすることで達成しやすくなります。
食べ物を買う量そのものを減らすことで、食品ロスを防いだり、世界の食糧事情に配慮したりすることにもつながります。
いらないものでもかんたんに捨てない
使わなくなったものやゴミを捨てると、燃やしたり埋めたりなど、廃棄物を処理するためのエネルギーが必要です。不要になったものでも、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのR(アール)の観点から、再び生かせる方法がないかを考えてみましょう。
リデュースは、物を大切に使い、ゴミそのものを減らすことを指します。「いらないものを買わない」「使わないものはもらわない」「買い物にはマイバッグを持っていく」ことで実現できます。
リユースは、使えるものを繰り返し使うことを指します。
主な取り組みの手段は「詰め替えることができる製品を選ぶ」「使わなくなったものや、いらなくなったものを譲り合う」です。
リサイクルは、ゴミを資源として再び利用することを指します。「ゴミを正しく分別する」「ゴミを再生して作られた製品を利用する」ことで実現できます。
捨てる量を減らすこと、使えるものを適切な方法で再び生かしていくことで、地球や地域の環境への負担を減らすことができます。
防災意識を高める
目標11「住み続けられるまちづくりを」では、他国の災害発生時に、緊急援助だけではなく、防災対策や災害復旧復興において積極的な支援を続けることを目標としています。地震や台風など過去の自然災害の経験で培われた知識や技術は、日本にとって、かけがえのない財産のひとつです。それらを生かし、災害から人々や暮らしを守る活動を行うことで、未来をよりよい姿に導きます。
寄付をしてみる
SDGsに関わる団体の募金に応じることも、普段から取り組めるSDGs活動といえます。
たとえば、子どもの命と健康を守る「日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)」、世界14か国で難民を支援する「認定NPO法人 難民を助ける会(AAR)」など、知名度が高く信頼できる団体に寄付をしてみるのも立派な貢献になります。
身近なところだと、近所のスーパーなどの店舗でも寄付ができます。いずれも寄付先の団体がSDGsに関わる課題にどのように取り組んでいるかをきちんと理解したうえで、寄付することが重要です。
子どもとSDGsに取り組んで、すべての人たちにとってよりよい世界を
子どもといっしょにSDGsを学ぶ方法や家庭でできる取り組みをご紹介しました。
SDGsはスケールが大きいように感じますが、実はとても身近な課題です。未来を背負っていく子どもたちがSDGsを「自分ごと」として捉えられるよう、ぜひ本記事を参考に家庭でも取り組んでみてください。
<参考>
朝日新聞「SDGs達成に影響も 世界の飢餓人口、コロナ禍で増加」
https://www.asahi.com/articles/ASP7D5R8DP7DUHBI01G.html
外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)https://www.unicef.or.jp/
認定NPO法人 難民を助ける会 https://aarjapan.gr.jp/
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