【子育て・育児が辛い!】HSP(繊細さん)の特徴と楽になる考え方

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子どもの泣き声を聞き続けて疲れる、ノイローゼになりそう…。産後の育児・子育てが辛いのに、気を遣ってパートナーに頼めない。子どもやパートナーなど、周囲のニーズをキャッチしやすいあなたはHSP、“繊細さん”かもしれません

お話:武田 友紀
イラスト:sayasans(https://sayasans.tumblr.com/

目次

HSP=繊細さんは、感じる力が強い人

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略。

周囲の刺激を受けやすく、相手の感情やその場の雰囲気、光や音など、周りの人が気づかないような、小さな変化を感じとります

アメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士によると、HSP=繊細さんは、「5人に1人」の割合で存在するとのこと。性格や環境でなるものではなく、生まれもった気質なのです。

例えば、

  • 子どもの泣き声を聞くと、早くなんとかしなくちゃと焦ってしまう
  • パートナーに頼みごとがあっても、相手も疲れているだろうと思うと切り出せない。
  • ひとりの時間が、人一倍必要
  • あれもこれもと追われて、一日終わる頃にはぐったり

など…

「あれ? もしかしてわたしも“繊細さん”かも?」と思われた方は、もっと詳しい診断テストをしてみては?(※1)

(※1)エレイン・アーロン博士の研究による「HSP自己診断チェックリスト」があります。HSP関連の書籍で紹介されていることが多いので、興味があれば探してみてください。

繊細さんの3つの「強み」が子育てに大活躍!

繊細さんは、周りの人が気づかない小さなことにもよく気づく人です。

大変な面もありますが、毎日の小さな幸せや子どもの様子など、良いことにもたくさん気づくことができるのです。

このプラスの部分を、育児に取り入れていけるといいですね。

繊細さんの3つの強みと、それを子育てに活かすポイントを紹介します。

1「感じる力」を生かして、泣き声を聞き分ける

  • 相手の気持ちを大事にしながら、話を聞くのが得意
  • 相手に共感し、尊重することができるので、子どもの気持ちに寄り添って、話を聞くことができる

そんな、感じる力が強い繊細さんに試してみていただきたいのが「子どもの泣き声を聞き分ける」こと。武田さんご自身も子育てで悩んで、本(※2)から学んだことだそうです。

(※2)参考文献『心を抱きしめると子育てが変わる』萩原 光/著(主婦の友社)

子どもが苦しそうに泣いているときは、「フォロー」を

のどがしまって「ギャー」という苦しそうな、耳障りな泣き方になります。

子育てしていると、余裕がなくて必要以上に怒ってしまうこともありますよね。

子どもが保護者に対して、訴えたいことがある…でも言えない、というときにはこういう泣き方になります。

そんな時は、「なにか我慢してるのかも」という前提で、「もしかして、◯◯が嫌だった?」「この前はきつく言いすぎたね」など、フォローを。

少し甘えたような泣き方のときは、「共感」を

少し甘えたような「ウエーン!」という泣き方をします。

こちらは気持ちを出せているという点で、前者よりも安心です。

「そっかそっか、嫌だったね」など、共感してあげるといいですよ。

なにか我慢しているのか、それとも安心して気持ちを出せているのか。泣き声を聞き分けられるようになると、泣き声に振り回されにくくなります。

2「味わう力」を生かして、小さな幸せを言葉で伝える

  • 気づいたことを深く味わうことができる

気づいたことを、子どもに言葉にして伝えましょう

繊細さんは、毎日の小さな幸せをじっくり味わうことも得意です。

「葉っぱがきれいだね」「小さなつくしが生えているね」「空の色がきれいだね」「雨の匂いがするね」など、感じたことを口に出して子どもと共有するのも素敵な時間です。

五感への刺激も受けやすいので、子どもをだっこしてあたたかさを感じたり、すべすべのほっぺを触ってコミュニケーションしたり。

1日のなかで、たくさんの幸せな瞬間に気がつくことができるのです。

3「考える力」が働きすぎたら、とりあえず&まあいっかでラクをする

  • 深く考察する
  • 何がベストかを常に考えている

繊細さんは、家事でも育児でも、どうするのがベストなのかを考えながら生活する傾向にあります。

でも、子どもがいると、思う通りにいかないことの方が多いですよね。そんなときの合言葉は「とりあえず」「まぁいっか」

【例1】「洗濯は、全員がお風呂に入り終わってからまとめてしたほうが効率的」とぱっとわかったとします。

でも、パートナーがお風呂を上がるのを待っていると時間がかかる…

そんなときは「とりあえず、洗濯しちゃおう」

【例2】今日のごはんはメインのお肉が足りない…!

でも、「今日は疲れてるし、まぁいっか

といった具合です。

「とりあえず」と「まぁいっか」を使えるようになると、家事も育児もだいぶラクになりますよ。

ストレスを防いで、子育てに余裕をつくるための対策4選

対策1:子育ては「そもそも」大変なもの、と認識する

「自分でがんばらねば」と思いがちな繊細さん。

「みんながんばっているから」と抱え込んでしまわず、「わたしはとっても大変だ!」 と思って良いのです。

笑顔の時間をふやそうと思ったら、がんばるよりも「いかに手を抜くか」を考えてみましょう。SNSなどで手抜き家事などの実例を見てみると、ハードルが下がります。

対策2:音を減らして余裕を取り戻す

繊細さんは、音や光など小さな刺激でも感じとりやすく、いつのまにか刺激過多になっていることがあります。

その場合、耳から入る刺激を減らすだけでも楽になりますよ。

気持ちに余裕がなくなったら、寝室など静かな場所へ避難

リビングは、レコーダーの音や冷蔵庫の稼働音など様々な音であふれています。静かな場所へ行くとほっとしますよ。

片方だけイヤホンをつける

子どもの様子を見つつ、リラックスできます。

夫婦交替で耳栓をして寝る

寝ている間も案外、誰かがトイレに行く音や、隣の部屋の物音などがしているものです。物理的に刺激を防いで休むと、回復が早まります。

対策3:積極的に頼る

「もっと自分でできなきゃ」と考える必要はありません。

子育てはイレギュラーだらけ。大変なのは、努力や忍耐が足りないからではなく、単純に人手が足りないのです。自分の努力の問題ではないとわかると、周りに頼りやすくなります。

パートナーへの頼り方でおすすめなのは、自分が何かをやる時に、一緒にお願いすること。

「私は今から食器片付けるから、子供のお風呂お願いしていい?」などです。人に頼むのは苦手という方も、自分も作業をするからお願いするハードルが下がりますし、チーム感が出て楽しいですよ。

また、「掃除と洗濯、どっちがいい?」など、その日の気分や得意分野から選べると、さらに◎。

頼るのが難しければ、ただ話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなります。

周りに話し相手がいればなによりですが、話しづらいときは行政の相談窓口なども活用してみましょう。

匿名で、電話で子育て相談ができるところもありますよ。ある程度の距離感があったほうが、気兼ねなく話せる場合もありますね。

対策4:先回りせずに休む

繊細さんは、「あそこがまだ手が回ってない」「今のうちに済ませておいた方があとで楽だな」など、小さなことに気がつきやすいです。

ただ、育児で先回りをしてしまうと際限がなく、動き回ってばかりで全然休めません。

スキマ時間ができたら、先のことをやるのではなく思いきって休みましょう。

お茶を淹れてゆっくり飲むなど、ちょっとの休み時間で気持ちがすっきりリセットされます。

繊細さんならではの特性を活かして、子どもと暮らす幸せをたくさんみつけてくださいね!

この記事の監修・執筆者

HSP専門カウンセラー 武田 友紀

自身も“繊細さん”で、2歳児の子育てに奮闘中。著書に『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)など。

HP
https://sensaisan.jp/

 

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