温泉や健康ランドなどに子どもといっしょに行くとき、異性の浴場や更衣室を利用するのは何歳まで可能なのでしょうか? 実は、各自治体によって年齢制限が設けられています。
この記事では、子どもと浴場や更衣室を利用するときに困らないために、地域ごとの年齢基準や対策をご紹介します。
文/マムズラボ
公衆浴場や更衣室を異性の子どもが利用できるのは何歳まで?
厚生労働省は、2020年に「公衆浴場における衛生等管理要領」において、これまで「おおむね10歳以上の男女を混浴させないこと」としていた年齢制限を、「おおむね7歳以上」に引き下げました。しかし、この年齢の基準は都道府県によって異なるので注意が必要です。
まずは、公衆浴場やプールなどの更衣室、それぞれの年齢制限をご紹介します。
温泉などの公衆浴場の場合
銭湯、温泉、健康ランドなど、公衆浴場における子どもの混浴の年齢制限については、県や市など各自治体の条例によって定められています。その基準は自治体によって異なり、下表のようになっています。
7歳以上(103団体) | (都道府県)北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、京都府、和歌山県、岡山県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、大分県、鹿児島県、沖縄県 (指定都市)札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、川崎市、相模原市、静岡市、浜松市、京都市、岡山市、北九州市、福岡市 (中核市)函館市、旭川市、青森市、八戸市、盛岡市、秋田市、山形市、水戸市、宇都宮市、前橋市、高崎市、川越市、川口市、越谷市、八王子市、横須賀市、富山市、金沢市、福井市、甲府市、岐阜市、尼崎市、倉敷市、松山市、高松市、高知市、久留米市、長崎市、佐世保市、大分市、鹿児島市、那覇市 (特別区)千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区 (その他)小樽市、町田市、藤沢市、茅ヶ崎市、四日市市 |
8歳以上(15団体) | (都道府県)愛知県、滋賀県、鳥取県、熊本県、宮崎県 (指定都市)名古屋市、熊本市 (中核市)豊橋市、岡崎市、豊田市、一宮市、大津市、和歌山市、鳥取市、宮崎市 |
10歳以上(8団体) | (都道府県)長野県、兵庫県 (指定都市)神戸市 (中核市)長野市、松本市、姫路市、西宮市、明石市 |
条例に規定せず(31団体) | (都道府県)福島県、千葉県、新潟県、大阪府、奈良県、島根県、広島県、山口県、佐賀県 (指定都市)千葉市、新潟市、大阪市、堺市、広島市 (中核市)福島市、郡山市、いわき市、船橋市、柏市、高槻市、東大阪市、豊中市、枚方市、八尾市、寝屋川市、吹田市、奈良市、松江市、福山市、呉市、下関市 |
最も年齢が低いのは東京都などの7歳、最も年齢が高いのは長野県などの10歳となっています。そのほかに、条例に規定していない自治体もあるので、公衆浴場を利用する際は各自治体の最新情報を事前に調べておきましょう。
プールなどの更衣室の場合
公衆浴場とは異なり、プールなどの更衣室利用の年齢基準は各施設によって異なります。
例
・レジャー施設「東京サマーランド」(東京都あきる野市):6歳まで
・市立温水プール「アクアブルー多摩」(東京都多摩市):小学2年生まで
施設によって異なるため利用年齢の明確な規定はないとされていますが、東京都では都の条例に基づき7歳以上不可とされているところもあります。このように、明確な基準がない場合は、事前に施設に問い合わせておくと安心して利用できるでしょう。
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子どもが公衆浴場や更衣室の年齢制限で困らないための対処法
同性の保護者がいっしょでない場合、子ども一人で浴場や更衣室を利用させるのが心配なかたも多いでしょう。ここでは、子どもの年齢制限によっていざというとき困らないよう、あらかじめ準備しておくとよい対処法をご紹介します。
事前に施設に確認をする
旅行で温泉などの公衆浴場を利用する際は、予約の手配をする前に各自治体の年齢基準を確認しておくとよいでしょう。知らずにその場に行ってから入浴を断られると、せっかくの旅行が楽しめなくなってしまうこともあります。
また、プールに行く際も事前に施設に問い合わせておくと対策を考えられるので、快適に利用できるでしょう。
貸切風呂を利用する
子どもが混浴の年齢基準に該当していた場合、貸切風呂(家族風呂)を利用するという選択肢もあります。あらかじめ貸切風呂がある施設を選んでおくと、周囲に気をつかうことなく安心してゆっくりと入浴できるでしょう。
個室の更衣室を利用する
市営プールなどでは、性別を問わず利用できる個室の「多目的更衣室」が設置されているところもあります。こういった個室の更衣室を利用することで、周囲を気にすることなく着替えられます。
家族で協力する
保護者以外の親族や友だち家族と旅行するときに子どもと同性の大人がいる場合は、保護者以外の大人にも入浴に協力してもらいましょう。
その際は、シャンプーを流すときは子どもの顔にかからないようにする、子どもが自分で洗うときにはきちんと洗って流しきれているかチェックする、子どもがすべって転ばないよう注意を払うなど、あらかじめ入浴の留意点を具体的に伝えておくと安心ですね。
年齢制限があることを子どもに説明しておく
公衆浴場やプールの更衣室の利用には、年齢制限があることを子ども自身にも事前に伝えておきましょう。その場で直前に知らされると、子どもによっては「ママ(パパ)といっしょに入れると思ったのに入れない!」と泣いてしまったり、機嫌が悪くなってしまったりすることもあります。あらかじめ年齢の制限があることを子どもにも説明しておくことで、子ども自身も心の準備ができるはずです。
なお、子ども本人が気にしたり、子どもは気にしていなくても周囲の人に違和感を与えてしまったりすることもあります。子どもが年齢基準に該当していない場合でも、子どもの成長具合によっては早めに配慮することも必要です。
公衆浴場や更衣室を子どもと使う場合は事前に年齢制限を確認しておこう
子どもが異性の公衆浴場や更衣室を利用するときは、みんなが気持ちよく施設を利用できるよう年齢制限を調べるなど、事前準備を忘れないようにしましょう。また、お出かけや旅行前に子どもに伝えておくことをオススメします。
【引用】
(※1)一般財団法人 地方自治研究機構「公衆浴場の混浴年齢を定める条例 条例で定める各自治体の混浴制限年齢-令和5年10月11日時点」
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