【豪雨のときはどうする?】「線状降水帯」って何?

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ここ数年、各地で線状降水帯による大きな被害が出ているニュースをよく目にするようになりました。「もしも自分が住む地域で線状降水帯が発生したらどうしよう?」と、不安な方も多いのではないでしょうか。

今回は、線状降水帯とはどんなものか、そして豪雨が直撃した場合にどう行動すればよいのかについてお話します。

目次

線状降水帯」って何?

「線状降水帯」とは、積乱雲(強い上昇気流によって垂直に発達した雲)が連続して発生し、上空の風の影響で帯のように長く連なったもので、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過またはとどまる雨域のことです。長さは50~300km、幅は20~50kmと広い範囲に及びます。

太平洋と東シナ海に接している九州地方は、太平洋高気圧が日本列島の南に停滞したときに東シナ海が入口となって暖かく湿った空気が流れ込みやすい地域です。そのため積乱雲が発生しやすくそれが次々と列を連なる現象(バックビルディング現象)が起きやすく、このような地理的な条件から線状降水帯は西日本から九州にかけて発生しやすいとされています。

しかし、統計を見てみると、東北地方の日本海側や東海地方などでも線状降水帯が発生しているので、条件が合えば日本全国で発生する可能性は高いと言えるでしょう。

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線状降水帯とゲリラ豪雨はどう違う?

線状降水帯とゲリラ豪雨。どちらも強い雨が降るという点では似ていますが、はっきりした違いがあります。

ゲリラ豪雨は、狭い範囲に30~60分程度の短時間で激しく降る雨を指します。それに対して、線状降水帯による雨は、広い範囲で長時間にわたって強い雨が降り続けます。3時間の降雨量が200ミリを超えるような集中豪雨になるために、洪水や土砂災害のような被害も伴いやすく影響もそれだけ大きくなります。

線状降水帯は2014年に発生した広島県での大雨から注目されるようになったと言われ、2021年からは気象庁が線状降水帯が発生する予報を発表するようになりました。ただ、線状降水帯はまだ発生条件が未解明の部分が多いことから、現在でも正確な予測は難しいとされています。

急な豪雨にどう備える?

基本的なことですが、天気予報をつねにチェックし、豪雨の可能性がある場合は気象庁から注意報などが出るので、安全に過ごせるように対処することが大切です。

また、注意報や警報が出ていなくても、次のような場合は豪雨に合う可能性があるので、安全な場所に避難しましょう。

〈こんな場合は要注意!〉
□真っ黒な雲、雷の音や光が見える 
□冷たい風が吹いてくる
□川の水かさが急に増えたり、濁ったりする

豪雨にあったらどう行動する?

自分が住んでいる地域が豪雨に見舞われた際の行動についてご紹介します。

行動の心得① 気象情報を確認する

気象庁は、線状降水帯が発生する可能性が高くなった場合、半日程度前から気象情報の中で警戒を呼びかける取り組みを行っています。線状降水帯の発生の呼びかけがあった場合は特に注意しましょう。

また、「顕著な大雨に関する気象情報」は、線状降水帯が発生して、災害が起きる危険性が急激に高まっていることを知らせる情報です。この情報が出た場合は、災害が起こる可能性があると考えてすぐに避難するなど、命を守る行動をとる必要があります。

なお、2023年5月25日は「予測で基準を満たすことがわかった段階」で「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されるようになり、これまでと比べて最大30分程度早く情報が発表されています。身の安全を確保するためにも、この気象情報を活用しましょう。

行動の心得② 頑丈な建物に避難する

豪雨を降らす積乱雲は、同時に雷や竜巻、ひょうなども引き起こす可能性があります。そのため、豪雨のときは傘をさしていても建物の外は危険です。外出中の場合は,鉄筋コンクリートの頑丈な建物に避難しましょう。

また、浸水が始まる前に避難することが大切ですが、やむを得ず浸水などのために自宅から避難することもあるかもしれません。浸水する中で徒歩での避難は危険が伴います。ケガをしないように夏でも長袖、長ズボンを着用し、履き慣れたスニーカーをはくなど、動きやすい服装がよいでしょう。

長ぐつは水が入ると動きづらくなるため、避難時は着用を避けましょう。さらに足元を確認するために傘や杖を持つと安心です。

〈やむを得ず避難するときのポイント〉
□荷物を持つときは,両手がふさがらないようにリュックサックで
□ケガをしないように長袖・長ズボンを着用
□長ぐつは避けて,はき慣れたスニーカーをはいて行動する
□冠水している場所は危険なので,足元を確認するための傘や杖を持つ
□できるだけ2人以上で行動する

また、線状降水帯による大雨が続く場合、土砂災害などの大きな災害が伴う可能性もあります。まだ動ける場合は速やかに鉄筋コンクリート製の頑丈な建物に避難しましょう。また、避難が困難で自宅にとどまる場合は、斜面から離れた側の2階以上の部分にとどまるようにしましょう。

行動の心得③ 地下・水辺から離れる

大量の雨によって、河川の急な増水や、地下街の浸水などの水害が起こる恐れがあります。浸水したときに歩ける水位の限界はひざの高さまでと言われています。足首程度の浸水でも、流れが激しいときは危険なため、地下や水辺にいた場合は速やかに避難しましょう。

また、川の上流のほうで雨が降った場合は、大量の水が一気に流れる鉄砲水となって下流に流れてくることがあります。そのため、川の近くにいる時は今自分がいる場所で雨が降っていなくても、油断せずにいち早く情報を入手して避難しましょう。

突然の豪雨でも慌てないために、日ごろから備えましょう

線状降水帯による大雨は、土砂災害や河川の氾濫などの大きな災害を伴うことが多く、注意が必要です。

まずは、自分たちの身を守ることを第一に行動できるように気象庁の「キキクル」などで正しい情報を集めたり、ご家庭で災害時にどう行動するかを確認したりするなど、日ごろからの備えが大切です。

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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