【専門家監修】「トイレトレーニングにまつわるあれこれ」楽しくトイレトレーニングする言葉かけ第3回

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トイレトレーニングは、子育て中の保護者にとって難関のひとつです。無理なく進めるためには、子どもに意欲を持たせる取り組みが必要ですよね。そこで、トイレトレーニングを進めるうえでの保護者としての心がけや言葉かけについて、3回の連載で日本児童教育専門学校専任講師の今泉良一先生にお伺いします。最終回である第3回のテーマは「トイレトレーニングにまつわるあれこれ」です。

目次

男の子のトイレトレーニングのコツは?

男の子のトイレトレーニングで悩んでしまうのが、「おしっこを立ってするのか、座ってするのか」ということです。最近では、成人男性でも洋式トイレに座って排尿する人が多いので、座った状態での排尿だけに慣れればいいのでしょうか?

●立ってする排尿には慣れるべき?

男の子の場合、おうちでは座って排尿していることが多いかと思いますが、幼稚園や保育園、学校、公共施設などでは、小便器を用いることが多いものです。はじめは座りながらの排尿でかまいませんが、トイレトレーニングがある程度進んだら、立ちながらの排尿にも慣れるようにしておきましょう。

●立ちながらの排尿のポイントは?

立ちながらの排尿では、小便器からの尿のはみ出しや飛び散りを防ぐために、後ろからおしりをちょっと押してあげて、おちんちんが前に突き出るように援助してあげましょう。

また、おちんちんを持って排尿することや、排尿後に残尿を切ることなどは、一つひとつ段階追って伝えていけばOKです。

女の子のトイレトレーニングのコツは?

女の子のトイレトレーニングでは、用を足したあとの拭き方の教え方がポイントです。きちんと拭かないと、かゆみやかぶれの原因となるため、嫌がらずに正しい拭き方が練習できるようにしましょう。

●トイレットペーパーの巻き取り方を教えるには?

女の子の場合、排尿後に、トイレットペーパーを巻き取る長さを教える必要があります。たとえば、トイレットペーパーの横にぞうさんの鼻のイラストを貼っておき、「ぞうさんのお鼻とおなじくらいの長さだよ」など目で見てわかるようにする方法があります。この方法を採用している保育園も多いですが、参考にしてまねしてもいいですね。

また、子どもがトイレットペーパーの巻き取りに慣れないうちは、一回分ごとに切ったトイレットペーパーをあらかじめ用意しておくといいでしょう。

●排尿・排便後の拭き方を教えるには?

拭き方は、ぬいぐるみなどで拭き方の手本を見せながら、「くまちゃんと同じようにやってみよう!」と声かけして、チャレンジさせてみましょう。ただし、正しい拭き方を身につけるまでは、「きれいきれいするね」などと声かけし、大人が仕上げに拭くようにします。

こんなときはどうする? トイレトレーニングのギモン!

●和式トイレではどうする?

男女問わず、和式トイレをまたぐことに不安を感じる子は少なくありません。慣れないうちは、「いっしょにいるからだいじょうぶだよ」と声をかけながら、大人がひざの裏を持って転ばないように支え、怖がらずに用を足せるようにします。排便の場合は、大人が後ろから体を支え、子どもが安心して腰を下ろせるようにするといいでしょう。

●子どもが洗浄便座つきトイレを使うメリット&デメリットは?

メリットは、うまく活用すれば衛生的であることです。一方でデメリットは、洗浄便座つきトイレに慣れない子も多く、戸惑いや恐怖を感じてしまいやすいことです。また、水圧が強すぎると、肛門部分を傷つけたり、炎症を起こしたりすることもあります。

洗浄機能がついていないトイレも多いので、まずはきちんとおしりを拭く習慣をつけることを心がけましょう。

●なかなかトイレに慣れてくれない…

子どもは、トイレで排泄することよりも、排泄後に水を流すことに興味を持つことが多いものです。レバーを引いたり、ボタンを押したり…そんな仕組みを「おもしろい!」「楽しい!」と感じているのを活かし、「おしっこをしたら、ここのボタンを押してみよう」といった声かけをしながら、トイレに興味を持てるようにしてみましょう。

ゴールしてしまえばいい思い出になるのが「トイレトレーニング」。あせらず、おおらかな気持ちで取り組みましょう!

この記事の監修・執筆者

日本児童教育専門学校専任講師 今泉 良一

日本児童教育専門学校専任講師。東洋大学大学院修了。13年間、保育士を経験したのち2017年より現職。保育者養成とあわせて「子どもの表現活動」について研究している。

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