【医師監修】指しゃぶりをするのはなぜ?いつから始まって、いつまで続くもの?~止めさせるタイミングやその方法についても~

更新日: 公開日:

【医師監修】指しゃぶりをするのはなぜ?いつから始まって、いつまで続くもの?~止めさせるタイミングやその方法についても~

赤ちゃんが指しゃぶりをしている姿はかわいいですよね。

でも、ママやパパにとっては、かわいいだけではすまないこともあるのが現実。
歯が生え始めてくる頃には、「歯並びに影響がないだろうか?」「指しゃぶりのし過ぎで出っ歯にならないだろうか?」「衛生的には大丈夫?」といった心配事も出てきます。

今回は、そんな不安を解消する、指しゃぶりについての知識や、止めさせるタイミングとその方法についてご紹介します。

参照:日本小児歯科学会『指しゃぶりについての考え方』

目次

なぜ指しゃぶりをするの?

赤ちゃんにとって指しゃぶりは、自分の意志で手が動くようになってからの楽しい遊びのひとつ
赤ちゃんの成長過程において、とても自然な行動なのです。

自分で物を掴めるようになり、一人で歩くことができるようになり、いろいろな遊びを覚えていく中で、指しゃぶりは自然としなくなることが多いです。

1. 乳児期:楽しい遊びのひとつ。

生後2~4か月頃の指しゃぶりは、口のそばにきた指や物を無意識に吸っています。
5か月頃には、いろいろな物を手に取りしゃぶって形や味などを学習していると考えられています。

2. 幼児期前半(1~2歳):退屈な時や眠い時に見られるように。

この頃になると、ひとりで歩くこともでき、物を使って遊ぶことを覚えます。
そうすると、以前のように、楽しい遊びとしての指しゃぶりは減り、退屈な時や眠い時に見られるようになります。

3. 幼児期後半(3歳~就学前まで):自然に減少。

家でママやパパと遊ぶだけではなく、外で友だちと遊ぶようになると指しゃぶりは自然に減少します。
夜寝る時などにクセとして出ることがあっても、起きている時にはしなくなっていきます。5歳を過ぎるとほとんど見られなくなります。

4. 学童期:完全になくなる。

6歳になっても、まれに指しゃぶりをする子どもがいます。
この頃になると 、止めさせるように、ママやパパ、周りの大人たちが特別な働きかけをすることで、次第におさまっていくようです。

指しゃぶりはいつ頃から始まる?

一般的には生後2~4か月頃からと考えられています。
しかし、授乳期には指しゃぶりをしなかったのに、断乳・卒乳をした後に始める子どももいます。
これには個人差があるので、「うちの子は指しゃぶりを始めたのが早すぎる・遅すぎる・全くしない」といった心配はしなくて大丈夫です。

指しゃぶりはいつまで続く?

指しゃぶりを始めるのと同様に、しなくなる時期にも個人差があります。
指しゃぶりは、成長とともに自然となくなるもの。
保育園や幼稚園に通い、日中に遊ぶことを覚え、他のものに興味を持つことで徐々になくなっていきます。
だいたい2~3歳くらいが目安と言えるでしょう。

意識して止めさせるべき?

心配する保護者も多い、子どもの「指しゃぶり」。
止める時期には個人差があり、年齢や環境によって、指しゃぶりをする理由も様々です。

止めさせるタイミング

ただ、2~3歳になったら止めさせる工夫を少しずつ始めてみるのがいいでしょう。
その頃になっても頻繁に指しゃぶりをしているのは、遊ぶ機会が少なく、退屈しているなどの生活環境も影響している可能性があります。

止めさせるための具体的な方法

指しゃぶりを止めさせる工夫の具体例をご紹介します。
指しゃぶりが続いて心配な時、参考にしてください。

  • 何か興味を持てるものや集中できる遊びを!
    積み木、ブロックなど、指を使った遊びをさせてあげましょう。外で体を使って、エネルギーを発散する遊びも手持ちぶさたになりません。
  • 絵本の読み聞かせやスキンシップをとる!
    満足するまで絵本を読んであげることや、添い寝をして手を握りながら話をすることで安心して眠れます。指しゃぶりをしなくても眠れる習慣をつけましょう。
  • 絆創膏を貼る!
    口にいれた瞬間に違和感を覚えます。嫌な感覚は避けるようになります。

「出っ歯」など歯並びの心配について

指しゃぶりをしていると歯並びに影響が出て、「出っ歯」になると聞いたことありませんか。
歯並びについて、親としてはやはり心配ですよね。
でも3歳くらいまでの指しゃぶりは特に心配する必要はありません
【指しゃぶりはいつまで続く?】でも説明したように、その頃になると、他のことに興味を持ちいろいろと遊ぶことを覚えます。そうして自然に指しゃぶりはなくなっていくからです。

しかし、4歳を過ぎると成長とともに、歯並びにも影響が出てくると言われます。
なかなか指しゃぶりを止めず歯並びが心配な場合、小児歯科医に相談してみるのもひとつの方法です。

まとめ

指しゃぶりは吸啜運動の機能を育成するために、生理的に口周りの筋肉を動かす行動でもあります。

吸啜運動とは、食べ物を飲み込む嚥下(えんげ)過程の最初の作業にあたります。口の中の空間で舌と唇・頬を協調させて食べ物を喉に送り込む高度な筋肉運動です。

ですから、指しゃぶりはある程度の時期までは成長に必要なプロセスと言えます。

乳歯列が完成する3〜4歳からは、歯並びなどにも影響が出る可能性が高まりますので止めさせるようにしていきますが、個人差もありますので無理のないように徐々に止めさせるようにしていくと良いと思います。

とにもかくにも、成長については、個人差があります。
3歳くらいまでは、無理に止めさせる必要はありません。
誰にでも癖があるように、子どもにも「指しゃぶりの癖がある」と考えましょう。

もし4歳を過ぎても止める気配がないなら、その子の成長を見極めながら、止めさせる工夫を。

ここに挙げられている方法を試しても効果が出ない場合には、個別にその子の状況に合わせた方法を模索することになります。担当の小児歯科医にご相談していただくとよいと思います。

無理強いせずに焦らずゆっくり、自然に指しゃぶりを卒業できるといいですね。

この記事の監修・執筆者

大岡歯科医院 代表 大岡 洋

東京歯科大学卒業。ハーバード大学歯学部・公衆衛生学部大学院(予防歯科学 専攻)修了。Sc.M.(Master of Science)取得。予防医学の観点に立った総合的な歯科治療を実践している。

HP
https://www.harvarddent.com/

あわせて読みたい

関連記事