【短所にこだわっても芽は出ない】子どもは「好きなことを伸ばす」が一番いい!

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【短所にこだわっても芽は出ない】子どもは「好きなことを伸ばす」が一番いい!

親は、子どもの苦手な事や短所を小さいうちになおしておこうと思いがちですね。
でも、短所にこだわるよりも「好きな事」を存分にさせてあげる方が重要だそうです。
教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

短所をなおすのは簡単ではない

「子どものうちなら、短所も困った性格も直せる。大人になるとなかなか直らないから、子どものうちに直さなければ」などということが言われます。

だらしがないのも子どものうちなら直る。
何をやるにも人の2倍の時間がかかるマイペースなのも、子どものうちなら直る。
片づけや整理整頓ができないのも、子どものうちなら直る。
嫌なことを後回しにする困った性格も子どものうちなら直る。
消極的な性格も子どものうちなら直る。

こういうことが世間でよく言われます。
でも、そんなことはありません。

短所を直すとか、困った性格を直すなどということは簡単なことではありません。

強いモチベーション、かたい意志力、自己管理力、情報収集力、方法を工夫する思考力などが必要です。
子どもにはこういうものはありません。

好きなことでの成功体験で、自分に自信が持てるように

子どもの短所に注目して、いつまでもそこをつついていても、決していい芽は出ません。
そこには目をつむって、その子の好きなことや熱中できることを応援して、先に伸ばせるところをどんどん伸ばすほうがいい結果が得られます。

そうすれば、親子ともども楽しい毎日が送れるようになります。
そして、子どもは自分に自信を持てるようになり、きらきら輝いてきます。
エネルギーもわいてきて生活全体に張りが出てきます。

一つのことで自信がつくと、他のこともできそうな気がしてきますし、がんばってみようという意欲もわいてきます。
それによって短所が直ることもあります。

もし直らないまでも、目立たなくなるということはとてもよくあることです。

「子どものうちに直そう」と思い込むと叱ることが増える

親が「子どものうちに短所を直してやろう」と思い込むと、親子ともども非常に苦しむことになります。
なぜなら、毎日叱ることが増えるからです。

毎日叱られている子は、どうしても自分に自信が持てなくなります。
その子が持っていた長所まで輝かなくなってきます。

同時に、叱られてばかりいる子は親の愛情を疑うようにもなります。
「お母さんは、私のことをダメな子だと思っている。私のことが嫌いなのかも…」
「お父さんは、私のことをあまり大切に思ってくれていない。愛されていないんだ」

こう思うようになってきます。
すると、必要以上に反抗的な気持ちが強くなってきます。

しかも、叱って直るかというと、直らないのです。
親が見ているときやガミガミ言っているときは、一応やっている振りをするかも知れませんが、そうでないときはやりません。

場合によっては、反動が出てよけいひどくなることもあります。

自分の夢を持ったとき、短所を直したくなる

このようなわけで、子どもの短所については、思い切って目をつむる勇気が大切です。
子どものうちに直して完璧な子にする必要はありません。
こういったものは、思春期以降、あるいは大人になってからの方が、直る可能性があります。

きっかけの一つは、将来の夢ややりたいことが見つかって、それに向かってがんばり始めたときです。
夢の実現のためには、自分の短所や困った性格も直さなくてはならないということがわかるからです。

時間にルーズでは夢は実現できません。
忘れ物ばかりしていては無理です。
片づけや整理整頓も必要になるかも知れません。
やりたくないことも苦手なことも、夢の実現のためならがんばれます。

大失敗したとき、短所を直したくなる

もう一つのきっかけは、何か大失敗をして本当に困ったときです。

時間にルーズなせいで、大事な商談に遅れた。
整理整頓ができないために、大事な書類を紛失した。
やるべきことを後回しにした結果、仕事が溜まって苦しんだ。
好きな子ができたのに消極的で声をかけられなかった。

このような失敗をきっかけに、心の底から反省して「直すぞ!」と一大決心したとき、直る可能性が出てきます。

短所には目をつむって、先に伸ばせるところを伸ばす

夢を持つにしても大失敗して反省するにしても、いずれにしても自分の人生や将来を真剣に考えられるようになってからの話です。

でも、子どもは、自分の人生や将来を真剣に考えるということができません。
だから、子どものうちには直らないのです。

このようなわけで、短所に注目して毎日叱ってばかりいるのはやめましょう。
短所には目をつむって、先に伸ばせるところを伸ばすこと、これが子育てのコツです。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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