【専門家監修】大好きなぬいぐるみの洗い方

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抱っこしたり、いっしょに寝たり……いつも子どもといっしょのぬいぐるみは、こまめに洗えないのが悩ましいところ。「汚れているな」と思っても、型崩れや色落ちが心配で、なかなか洗えないものですよね。
そこで今回は、「洗濯王子」としてもおなじみの洗濯アドバイザー中村祐一さんに、ぬいぐるみを洗ううえでのポイントを伺いました。

目次

ぬいぐるみに「洗えるもの」と「洗えないもの」があるってホント!?

ぬいぐるみには、「洗えるもの」と「洗えないもの」があります。まずは、ぬいぐるみに洗濯表示のタグがついているかをチェックしましょう。表示がついていて、洗濯が可能であることを示すマークがついていれば、洗濯してもOKです。しかし、洗濯表示のタグがついていない場合や、タグに洗濯禁止のマークがついている場合は、洗濯することはできません。

また、洗濯表示にかかわらず、洗濯を避けるべきぬいぐるみもあります。

・中に機械が入っている(歩いたりしゃべったりするもの)

・ウールや合成皮革など、水に弱い素材が使われている

・糸で縫わず、接着剤で布をくっつけている

・手縫い

これらのぬいぐるみはいずれも、水で濡らすことで故障や型崩れ、色落ち、素材の劣化などが起こってしまいますので、注意しましょう。

市販されているぬいぐるみの中には、洗濯することを想定していないものも多くあります。そのため、洗える素材と洗えない素材が混在していたり、中の綿やクッションまではうまく洗えないようになっていたりして、洗濯で表面はきれいになっても、中はうまく洗えず汚れやダニなどが残っている……なんてことも。

また、たとえ洗えるぬいぐるみであっても、洗濯による型崩れや色落ちがどうしても避けられない場合もあります。その点を理解したうえで、ぬいぐるみを洗濯するようにしましょう。

ぬいぐるみを洗うには?

洗えるぬいぐるみだとしても、衣類と同様に洗濯機で洗ってしまうと、必要以上に強い力がかかり、ぬいぐるみが壊れてしまうことも。大切なぬいぐるみのためにも、やさしく手洗いするのがおすすめです。

【用意するもの】

・中性洗剤(おしゃれ着用)

・洗面器(もしくはバケツ)

・ブラシ

【ぬいぐるみの手洗い】

①洗面器に水を溜め、中性洗剤を適量入れる

ぬいぐるみ専用の洗剤(シャンプー)も市販されていますが、成分がほぼ同じ中性洗剤で洗うことができます。

② ①にぬいぐるみを入れたら、手でなで洗いする

押し洗いは型崩れの原因にもなるのでNG。ゴシゴシこするのも、毛が絡まって毛玉になるのでNGです。子どもの体を洗ってあげるときのようにやさしく洗いしましょう。

③外側を洗い終えたら、最後に軽く押して、中まで洗剤を浸透させる

外側だけでなく、中の綿やクッションも清潔に保つため、やさしく押して、中まで洗浄しましょう。

④すすぎ洗いは3回

洗剤が残っていると、素材の劣化や変色の原因になります。水を替えてしっかりすすぎましょう。この際、ぬいぐるみを強く押すのはNGです。

⑤軽く絞って脱水する

洗濯機の脱水機能で、1分間の脱水を行いましょう。この際、洗濯ネットに入れる必要はありませんが、ドラム式洗濯機の場合は、ぬいぐるみの小さな突起などが洗濯槽にひっかかる可能性もあるので、ネットに入れたほうがよいでしょう。

⑥ブラシで毛並みを整える

ブラシは毛がからまないものを使用しましょう。ぬいぐるみ専用のものではなく、髪の毛用やペット用でOKです。

⑦日陰で平干しする

平干しネットなどを活用して干します。できるだけ風通りのいい場所で干すと、中までよく乾きます。

どうしても洗濯機で洗いたい場合は、洗濯機の「手洗いコース」「ドライコース」「おしゃれ着洗いコース」など、やさしく洗えるコースで。その際、すすぎ以降の手順は、手洗いと同じです。

洗濯よりも大切! ぬいぐるみのお手入れ方法

どんなに洗えるぬいぐるみでも、水にぬらせば、型崩れや色落ちの可能性があります。そのため、洗濯をしすぎれば、ぬいぐるみの劣化を早めてしまうことも。

大切なぬいぐるみを清潔に使い続けるには、洗濯以上に日々のお手入れが大切です。汚れが溜まってしまう前に、こまめにお手入れをしましょう。

【ぬいぐるみのお手入れ方法】

①表面の毛などをブラッシングして、ホコリを取る。

②掃除機でぬいぐるみの表面をていねいに吸い取る。

③時には硬く絞った布でふき取る。

①で使うブラシは、洗濯のときに使用するものでOKです。②の掃除機での吸い取りの際は、いちばん弱いモードで、ゆっくりとていねいに行いましょう。目や鼻などの付属品を吸い込まないように注意してください。この2つのお手入れをまめにしておくと汚れにくいです。③は、少量とはいえ、水分を使うお手入れ方法であるため、ウールや合成皮革などの水に弱い素材や、色落ちのしやすい素材の部分は避けるようにしましょう。

どうしてもぬいぐるみの汚れが気になったり、洗濯でも落ちないような汚れがある場合は、クリーニング店にお願いしても。クリーニングでは、家庭用よりも高温の乾燥機を使用するため、ダニの除去もできます。

ただし、ぬいぐるみの大きさや素材によっては、クリーニングを受け入れられないこともあります。お店に直接相談してみてください。

ぬいぐるみに愛着があればあるほど、きれいな状態な長持ちさせたいですよね。日々の簡単なお手入れで、大好きなぬいぐるみと仲良く過ごしましょう!

この記事の監修・執筆者

洗濯家 中村 祐一

なかむら ゆういち/長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から「洗濯アドバイス」という分野を切り開いてきたパイオニア。「衣・食・住」における「衣文化」の革新に取り組む。洗濯という側面から、よりよい暮らし方、よりよい社会への変革を目指す。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアにも多数出演。

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