夏休み明けに子どもが登園を渋ることはよくあります。実は登園渋りになったあとよりも、なる前の対策が重要なのだとか。新学期、元気に登園してもらうための子どもへの寄り添い方や登園を渋ったときの対処法などを、一般社団法人子育てコーチング協会の和久田ミカ先生にお聞きしました。
お話:和久田ミカ(一般社団法人子育てコーチング協会) イラスト:わたいしおり 文:こそだてまっぷ編集部
登園渋りの4つの理由
夏休み明けに登園を渋るのには4つの理由が考えられます。
「漠然とした不安」
「新学期は何をするんだろう」「何を持って行くんだろう」といった、見通しが立たないことへの不安。
「人間関係の不安」
園の先生や友だちなど人間関係への不安。
「家の居心地のよさ」
YouTubeやゲームなど刺激が強いものがあって、家のほうが楽しい。
「生活リズムが乱れている」
夏休みに夜更かしをしていて朝起きられない。
まだ間に合う! 夏休みが終わる直前にできる登園渋りの予防法
生活リズムをもとに戻す
例えば寝る時間が夜遅くなってしまっているのならば、体を慣らすためにも1週間くらい前から通常の就寝時間に戻していきましょう。
1週間を切ってしまっていてもあわてないで残りの日数で戻していけばOKです。
楽しい園生活の見通しを持たせる
「カウントダウンカレンダー」を作るなど、「あと〇日で幼稚園!」と親子で幼稚園の登園を楽しみにできるような工夫をしましょう。
また、
「幼稚園に行ったら〇〇ちゃんと遊べるね」
「9月は運動会の練習があるね、今年はこんな種目をやるんだって」
「遠足があるね。動物園に行くんだって」など、子どもの「好き」をちょっと利用して、楽しい見通しが持てるようにするといいですね。
<OKな声かけ例>
「パジャマに着替えるの、競争しよう」
↓ GOODなポイント
まだ起きていたくても、楽しいイメージで早く就寝することができます。
<NGな声かけ例>
「幼稚園に行かなきゃいけないんだから、早く寝なさい!」
↓ NGなポイント
子どもにプレッシャーがかかり、幼稚園のイメージが悪くなってしまい、登園渋りの原因も。
休み明け、登園を渋ったら?
子どもの気持ちを否定せずスキンシップを
たとえば明らかに仮病な様子で「おなかが痛い」と子どもが言ったとき、「またそんなこと言って」などと否定せず、「おなかが痛いんだね」「痛いの痛いの飛んでけ」などと言いながら、おなかをさすってあげて園に連れて行きましょう。熱がなければ登園して大丈夫。
「行きたくない」と言ったら、「行きたくないんだね、何かあった?」と聞いてあげます。
ある程度話ができる年齢なら、話しているうちに気持ちが軽くなることが多いので、「そうかそうか行きたくないのか」「そうなんだ」と、否定をせずに子どもの話を聞きます。ママはその間も服を着せたり、靴をはかせたりして登園準備を進めてかまいません。
ただし、病気が隠れている可能性もあるので、腹痛が続くようなら病院を受診してください。
否定してしまうと、
「わたし(ぼく)が言っていることは変なんだ」「言ってもわかってもらえないんだ」と思うようになり、だんだん話してくれなくなる可能性があるので注意しましょう。
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ただ、言葉で「行きたくない」という気持ちやその理由が言える4~5歳児ではなく、もっと小さい子どもの登園渋りの原因はどう引き出したらいいでしょうか。
登園渋りの理由の引き出し方
「YES」「NO」作戦で引き出す
行きたくない理由の説明が難しい低年齢のお子さんの場合、身体症状に出る傾向にあります。
「おなかが痛い」はよくあるケース。登園前にこの言葉が出たら、ひょっとしたら何か不安があるのかもしれません。
そんなときはおなかをやさしくさすってあげましょう。それだけで落ち着くケースが多くあります。
それでも改善しない場合や身体症状に出ない場合、原因を探ろうと思ってもなかなか難しいもの。そんなときは、「YES」「NO」作戦で引き出します。
<「YES」「NO」作戦の具体例>
(ママ)「何か嫌なことがあるんだね」
「うん」(YES) ※うなずいたり、首を振るだけでもOK。
↓
(ママ)「運動会の練習かな?」
「ううん」(NO)
↓
(ママ)「給食かな?」
「うん」(YES)
このように「YES」「NO」の答えを導く形で探っていく方法が、小さなお子さんには効果的です。
夏休みなど、長い休みの始まる前に、やっておくべき対策は?
ルールを決めて、生活リズムの崩れを防ぐ
最近では、YouTubeやゲームに夢中になって、夜更かしが続いて朝起きられない、という子どもが増えています。
ご家庭でスマートフォンやゲームなどを使う場合のルールづくりをします。これをお休みが始まったときにやっておくことで、生活リズムが崩れにくくなります。
ポイントは、「両親が主導でルールを決めること」。小さい子どもの場合は、親が主導でかまいません。
ママとパパが話し合って、子どものYouTubeやゲームの時間を〇時間までと決めます。
終了時間の10分前に、「そろそろ終わりの時間だよ」などと一度声をかけましょう。
ゲームはとくに、時間ぴったりで終わらせるのは難しいため、
「そろそろ時間だよ」
「キリがいいところで終わりにするよ」
とまめに声かけをします。
そして子どもが自分からやめられたとき、「自分で終わりにできたね」「がんばってやめられたね」と声をかけてあげましょう。
大事なことは、生活リズムを崩さないようにすることです。
長引くようなら園に相談を
朝ぐずぐずしながら園に行っても、案外ケロッとして、元気に「ただいま!」と帰って来る子どもが大半です。
登園渋りは長くても3週間くらいで改善しますが、改善しない場合は、園での生活に原因があるかもしれません。担任の先生に相談し、園での様子を聞き、連携をとるようにしましょう。
そして、子どもがつらそうにしていたら、無理をせず「休む」という判断をしても。
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スキンシップをとったり話を聞いたりすることは、子どもの心を満たします。心が満たされることで、子どもは親から離れて外へ安心して出ていくことができます。
遠回りのように思えても、子どもの気持ちを否定せずにコミュニケーションを密にとり、心を満たしてあげましょう。
この記事の監修・執筆者
子育てコーチングの草分け的存在。
15年前から、コーチングの手法をベースにした、講座・ワークショップ・個別相談を全国で行っている。
現在は、より多くのママに講座を届けるため、全国規模で開催できる体制を目指し、協会を設立。
協会認定インストラクターを育成に努める。
著書
『0~6歳までの 叱るより聞くでうまくいく 子どもの心のコーチング』
ブログ:
http://ameblo.jp/heartstrings-mika/
子どものこころのコーチング協会HP:
http://kodomokokoro.jp/
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