さくらんぼの季節がやってきました。
さくらんぼの収穫時期は、梅雨の始まりから終わりにかけての6~7月ごろと、ほんのわずかな期間。ほかの果物にくらべて、おいしく味わえる期間がとても短く、保存がきかない果物ですが、それだけに旬の時期にしか味わえない、初夏の訪れを告げる果物でもあります。
今は、輸入品やハウス栽培などにより、多くの食材が季節を問わず手に入るようになり、旬を感じる機会が減ってしまっているようです。
今が旬のさくらんぼのおいしさを味わい、季節の移り変わりを親子で感じてみてはいかがでしょうか。
今回は、さくらんぼのおいしさをぎゅっと閉じ込めた、親子で簡単に作れるさくらんぼのスイーツを3種類、ご紹介します。
旬の味わいを閉じ込めた「さくらんぼ酢ドリンク」
さくらんぼの香りや甘みを凝縮させた「さくらんぼ酢」で作る、さっぱり飲めるドリンクです。さくらんぼ酢は、約1~2週間かけて氷砂糖が少しずつ溶けて、さくらんぼの赤色も溶け出してきます。毎日観察しながら、色や香りの変化をいっしょに楽しんでくださいね。
【材料 作りやすい分量】
さくらんぼ・・・・・200g(30粒程)
りんご酢・・・・・200ml
氷砂糖・・・・・200g
保存用の瓶
【作り方】
①
さくらんぼは軸を取ってよく洗い、水分をしっかりふき取ります。先端を斜めに切ったストローをさくらんぼの中心に刺し、クルッと回しながら、種をストローの中に入れるようにして取り出します。下まで突き刺して種を押し出してもOK。
②
熱湯消毒した保存瓶に、氷砂糖とさくらんぼを交互に入れ、りんご酢を注ぎます。
③
ふたをして冷暗所に置き、1~2週間ほど漬けます。漬けている間、1日2回ほど瓶をゆすって混ぜ、氷砂糖が溶けたら出来上がり! 飲むときは、さくらんぼ酢に対して、水や炭酸水、牛乳を4~5倍入れて、希釈してお召し上がりください。
【ポイント】
漬け込んでから1~2週間後、氷砂糖が溶けたら、さくらんぼを取り出しましょう。取り出したさくらんぼは、ヨーグルトなどに添えて食べるとおいしいです。
さくらんぼ酢は、冷蔵庫で約2か月間保存可能です。
さくらんぼ以外の果物でも作れるので、いろいろな果物で試したり、ミックスしたりしてオリジナルのフルーツ酢を作ってみても楽しいです。
さくらんぼ酢で作る「ポンポンゼリー」
ころんとした見た目がかわいいポンポンゼリーは、特別な型がなくても作れます。甘酸っぱい味わいのゼリーは暑い季節にぴったりです。
【材料 10個分】
さくらんぼ・・・・・10個
粉ゼラチン・・・・・5g
水(ゼラチン用)・・・・・大さじ2
さくらんぼ酢・・・・・80ml
水・・・・・70ml
小さめのココット皿またはコップ・・・・・10個
【作り方】
①
小皿に粉ゼラチンと水を入れて10~20分ほど、ゼラチンをふやかしておきます。
②
耐熱容器にさくらんぼ酢と水を入れ、600Wの電子レンジで約1分40秒加熱。ゼラチンは50~60℃以上で溶けるので、しっかり温まっていない場合は、追加で10秒ずつ加熱してください。
③
②に①を加えてかき混ぜます。
④
ラップを敷いたココット皿に、洗って水滴をふき取ったさくらんぼを1つずつ入れ、③を注ぎ入れます。
さくらんぼの軸といっしょにラップで包んだら、輪ゴムやワイヤーなどで、こぼれないように口を縛ります。
⑤
冷蔵庫で2~3時間冷やし、固まったらラップを外して出来上がり!
【ポイント】
鍋を使わずに電子レンジで手軽に作れるレシピです。ゼラチン液をラップに注ぐ際は、注ぎ口のある計量カップなどの器を使うと、こぼれにくく子どもでも作業がしやすいです。ラップの口をかわいいリボンで結べば、すてきな仕上がりに。
さくらんぼ酢の代わりに、市販のフルーツビネガーでも代用できますが、その場合はお好みでビネガーと水の割合を調整してください。
材料を混ぜて焼くだけ! 「さくらんぼのクラフティ」
「クラフティ」は、フランスの伝統菓子で、たっぷりのさくらんぼに、卵や牛乳、小麦粉などを混ぜた生地を加えて焼き上げたお菓子。
フランスでも、さくらんぼはたくさん収穫され、フランス人も大好きな果物です。
見た目もおしゃれな焼き菓子「クラフティ」は、1つのボウルでグルグルと混ぜるだけで簡単に作れるので、親子クッキング初心者におすすめです。
【材料 直径15㎝のスキレット1皿分】
さくらんぼ・・・・・20~25個
卵・・・・・1個
牛乳・・・・・70ml
生クリーム・・・・・30ml
バター・・・・・10g
小麦粉・・・・・20g
グラニュー糖・・・・・40g
塩・・・・・1つまみ
バニラエッセンス・・・・・数滴
粉砂糖・・・・・適量
スキレットまたはグラタン皿・・・・・1個
【作り方】
①
さくらんぼは軸を取ってよく洗い、水分をしっかりふき取ります。先端を斜めに切ったストローをさくらんぼの中心に刺し、クルッと回しながら、種をストローの中に入れるようにして取り出します。下まで突き刺して種を押し出してもOK。
②
スキレットに、種を取ったさくらんぼを並べます。
③
ボウルに卵、グラニュー糖、塩を入れて泡だて器で混ぜ合わせたら、薄力粉を加えてダマがなくなるまでさらに混ぜ合わせます。
④
③に、牛乳、生クリーム、バター(耐熱皿に入れ、600Wの電子レンジで20~30秒加熱して溶かしておく)を加えて、なめらかになるまで混ぜ合わせ、最後にバニラエッセンスを2~3滴たらします。
⑤
②に④を流し入れ、170℃のオーブンで約30~35分焼きます。
⑥
焼き上がった⑤の表面に、粉砂糖をふったら出来上がりです。
【ポイント】
クラフティは混ぜるだけなのでとっても簡単! プラス、用意する調理器具はスキレットやグラタン皿、ボウル、泡だて器だけなので、洗い物が少ないのもママパパにはうれしいポイント。
クラフティは、冷やして食べてもおいしいですが、温かいうちにバニラアイスを添えると相性抜群で、子どもたちも喜ぶでしょう。
さくらんぼミニ情報!
さくらんぼ(桜ん坊)はその名のとおり、桜の木になる果実ですが、町中で見かける桜の木にさくらんぼはできません。
食用の果実がなる桜はおもに「西洋実桜(せいようみざくら)」という品種。
観賞用として有名なソメイヨシノやカワヅザクラにも、小さな実ができることもありますが、残念ながら苦みや酸味が強くて食べられません。
この記事の監修・執筆者
あちわ りか/大手食品メーカーで10年間商品開発を担当し、数多くのヒット商品を発売。内閣府食品安全委員会の専門委員の経歴を持ち、現在は子ども料理教室「食育クッキング」を主宰。自治体主催のパパと子ども向け食育講座の講師や、企業で幼児食の開発アドバイザーとしても活躍している。
食育クッキングInstagram
https://www.instagram.com/shokuikucooking/
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