【闇のハンター!?】フクロウって、どんな鳥?

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くりくりした大きな目、どことなくとぼけた印象のある顔。フクロウはよく知られた鳥の仲間で、シンボルマークなどとしてもおなじみです。でも、動物園などではなく、野生のフクロウを見たことのある人はそう多くないと思います。
そんなフクロウについて、どんな鳥なのかを調べてみましょう。

目次

フクロウのさまざまな種類

世界に約240種類がいる

フクロウは、鳥類の中のフクロウ目というグループであり、南極を除く世界中に約240種類がすんでいます。ほとんどの種類が夜行動することから、昔は同じように夜行性のヨタカなどに近いと考えられていましたが、最近の研究では、フクロウ目とヨタカ目はあまり近くないことがわかっています。
小動物をつかまえて食べる鳥類をまとめて猛禽類ということがありますが、フクロウもタカ、ワシ、ハヤブサなどとともに猛禽類と呼ばれます。

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日本にすむフクロウは10種類ほど

世界の広い地域に分布するフクロウは、日本でも10種類ほどが見られます。主な種類は、フクロウ(種名)、シマフクロウ、アオバズク、コノハズク、コミミズクです。シマフクロウはフクロウ目の中でも最大級で全長約60cmもあります。
いっぽう、世界最小のフクロウは北米から中米にすむサボテンフクロウで、全長約13cm、翼を広げた長さは約33cmです。

羽を広げたフクロウ。フクロウの仲間には、さまざまな大きさのものがいる

フクロウとミミズクのちがいは?

フクロウの種名を挙げると“~フクロウ”と“~ズク”というものが多いことに気づきます。一般にフクロウまたはミミズクと呼ばれている鳥は、フクロウ目に属する同じグループです。よく「耳があるのがミミズク、耳がないのがフクロウ」といわれますが、本当でしょうか。まず、“耳”のように見えるものは、本当の耳ではなく、羽角(うかく)と呼ばれる飾り羽です。そして、“~フクロウ”という名前でもシマフクロウのように羽角のあるものもいれば、逆にアオバズクのように、“~ズク”とついても羽角のないものもいます。
フクロウとミミズクの使い分けは、厳密なものではなさそうです。また、英語では、フクロウもミミズクもowl(アウル)と呼ばれます。

羽角のあるものをミミズクということが多いが、例外もある

フクロウの驚きの能力

フクロウは闇のハンター!?

フクロウには山奥の森にくらしているといったイメージがあるかもしれません。でも、街なかの寺社の森、市街地に近い林などにもよくいます。にもかかわらず私たちがなかなかその存在に気づかないのは、フクロウたちが深夜に活動することが多いからです。フクロウは昼間はあまり活動せず、夜になってからネズミやヘビ、カエルなどの小動物をつかまえて食べています。
夜活動するのは、彼らが食料とする小動物の多くが夜活動するためだと考えられます。フクロウは闇のハンターとして、森の王者に位置づけられます。

ハンターに適した体のつくり

フクロウたちは、ハンターに適した体のつくりや能力を備えています。まず、体のつくりについて探ってみましょう。フクロウの特徴のひとつである大きな目は、暗闇でわずかな光を集めてものを見やすくするはたらきがあります。大きな目に、光を集める大きなレンズがついていて、目の中には明るさを感じる細胞がたくさんあるのです。さらに、目に入った光をはね返して増幅するはたらきがあります。
また、フクロウの顔を見ると、スズメなど、ほかの鳥とはちがって、2つの目が顔の正面についています。そのおかげで、フクロウはものを立体的に見ることができます。
フクロウには、光だけでなく、わずかな音も感じられるつくりがあります。それは、顔にびっしり生えている羽毛です。放射状に生えている羽毛がパラボラアンテナのような役割をして、獲物が草むらを動くときに出すカサッというわずかな音を聞き取っています。
このほか、後方を完全に見られるくらい回せる首、地味な色の羽も、ハンターに適した体のつくりです。

大きな目でかすかな光も感じ取る
首を左右や後ろに大きく回転させられるのもフクロウの特徴のひとつ

羽ばたきの音をかくしておそいかかる

このような体のつくりをしているうえに、フクロウには、きわめつきの能力があります。それは、羽ばたきの音を立てずに飛べるというものです。ほかの鳥は飛び立つときなどに羽を動かすと、バサバサ、パタパタなどという音がして、周りに気づかれてしまいます。しかし、フクロウの羽はたいへんやわらかく、翼の外側の羽(風切羽)に細かいぎざぎざがついています。このぎざぎざが消音の役割をするため、羽ばたきの音を消すことができるのです。
なお、フクロウの羽の消音のための構造は、新幹線のパンタグラフにも応用され、騒音をおさえるために利用されています。

人間とフクロウ

気持ちをなごませてくれるフクロウ

愛らしいフクロウは人気が高く、東京都内には何軒か、フクロウカフェと呼ばれる店があります。フクロウを間近で見られるほか、なでたり、肩にのせたりできる店もあるようです。やわらかいフクロウの羽のさわり心地はとてもよく、いやしの要素のひとつでもあるようです。動物愛護の観点からは批判的な意見もありますが、猫カフェなどと同様に、動物をいとおしみながら安らぎをもらえるのはありがたいことかもしれませんね。
ただし、どんなにかわいいからといっても、野生のフクロウを飼ってはいけません。法律で禁止されています。ペットショップなどで手に入れたフクロウを飼育することはできますが、寿命も長いので、きちんと責任をもって飼うようにしたいものです。

フクロウのイメージ

フクロウが木に止まってじっとしている様子は、考えごとをしているようにも思えるせいか、フクロウには、知的なイメージがつくことが多いようです。ヨーロッパでは、”森の賢者”と呼ばれることもあります。ローマ神話では、知恵を司る女神であるミネルヴァの肩に知恵の象徴としてフクロウが止まっているとされています。日本では、フクロウが夜活動するからでしょうか、どちらかというとマイナスのイメージでとらえられてきましたが、西洋のイメージが伝わると、賢者のイメージも広がっていったようです。現在も、塾、出版社などでフクロウをモチーフにしたマークやイメージキャラクターを使っているところも見られますね。

「賢い」イメージと結びつくこともあるフクロウ

フクロウには、体のつくりや行動にほかの鳥と異なるさまざまな特徴があります。動物園などで観察する機会があれば、お子さんといっしょにじっくりと観察してみましょう。

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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