新生活応援!入学準備の「やっておいてよかった」「やっておけばよかった」【取材・アンケート】

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小学校入学まであと2か月! 時間がない中での入学準備として、やることは盛りだくさん! 文具や学用品(洋服や靴下、体操着や運動靴など)の購入に名前の記入、学資保険や学童の申し込みなど、日々の生活に追われてしまって「この準備をしておけばよかった…」と学校生活が始まってから気がつく、なんてことも。そんなことにならないように、何をいつまでに準備すべきか、そしてどう進めていくのが効果的か、アンケートから先輩ママパパの声を聞いて、専門家から効果的な子どもとの接し方を教えていただきました。

目次

【1】学用品の準備は「子どもといっしょに」が正解

アンケートの中で多くあったのが、「学用品の買い足しが意外と手間がかかってしまう」という声でした。

学用品について「やっておけばよかった」

  • 文具や衣類などの消耗品は多めに買ってストックしておけばよかった
  • 消しゴムや鉛筆、絵具などの学用品は定期購入してすぐ届けてもらえるオンラインショップに在庫の多いものを選んでおけばよかった。

一般社団法人ジェイス代表理事の武田信子先生によれば、入学前の準備は、少しずつやりやすいところから進めるのがよいといいます。

「学用品の準備は、入学を楽しみに待つお子さんの気持ちを大切にして、お子さんといっしょに何をどのように使うのかを考えながらするといいですね。親がすべてやってしまうのではなく、子どもと楽しく遊び心を持ちながら取り組んでみましょう。

また、毎日の洋服選びや、歯磨きや寝る時間はこれまで誰が決めてきましたか。これまで親御さんが指示してきた場合には、どうしたら翌日心地よく学校に行けるか、お子さんに聞いてみて、いっしょに考えてみましょう。子どもの決めた計画通りにすることが難しいようだったら、修正を繰り返していけばいいですね。

たとえば、一人っ子の場合などはどうしても親が手を貸してしまいがちなケースもありますね。子どもよりも、むしろ、親のほうが子離れする心の準備が必要かもしれません。その場合は、これまで生活全般にわたって援助してきたことを急に手放すということではなく、段階的にステップを踏みましょう。自分でやってみる機会を少しずつ与えて口を出さずに見守ったり、ヒントだけ与えてみたりしてください。子どもに変化を求めるのではなく、親自身が変わることを意識して接してみましょう。」(武田先生)

【2】子どもに小学校の一日の流れを伝え、生活リズムを整える

小学校生活については、「学校でどんなことをするのかを伝えておいた」という先輩ママパパの声が寄せられました。また、「やっておけばよかった」ことでも、同様の意見がありました。

小学校生活で「やっておけばよかった」

  • 宿題を毎日必ずしなくてはならないことだという認識がなかったので、慣れるのにとても苦労した。
  • しなくてはならないことを先にやってから遊びの時間、という習慣をつけることがとても大変だった。

小学校入学前に、ある程度、小学生になったらどのような生活を送ることになるのかをお子さんに伝えて、心の準備をさせておくのは効果的でしょう。たとえば、幼稚園や保育園での過ごし方は比較的自由で時間の区切りがないのに対し、小学校では時間割で教科ごとに区切られた生活になるということや、学校では授業というものがあり、椅子に座って話を聞いたり大事なことはノートに書いたりするということを事前に伝えておくと、子どもは心の準備ができそうです。

臨床心理士でもある武田信子先生は、入学後も家庭内生活で自立を促すとよいといいます。

学校のことは基本的に学校と本人に任せて、家では少しずつ自分の身の回りのことを自分でしたり、家族の一員として家事の手伝いをしたりするように、声かけをしていきましょう。家でやっていることは学校でもできるはずです。」(武田先生)

武田先生によると、子どもは、家族が整理整頓や明日の準備をしているところをよく見ているので、親が日頃からモデルとなるふるまいをして、ときにはそれに気がつくように説明して、今までやってあげていたことも少しずつバトンを渡していくとよいそうです。

「自分の身の回りのことや家の手伝いをする過程で、自分に何ができて何ができないかを知って、できないときにも誰かにサポートしてもらいながら自分でやってみるという姿勢をもつことが大切です。」(武田先生)

【3】学資保険と学費用の銀行の積み立ても用意すると安心

準備といえば、入学後のお金の面でも心配なことはいろいろとあるのではないでしょうか。

アンケートでは学資保険に入っておくという意見があり、それと同時に銀行の積み立て口座を用意したという先輩ママパパも。また、こんなご意見もありました。

お金について「やっておいてよかった」

  • 学資保険は生まれてすぐに入りましたが、諸経費(給食費等)は小学校入学の一年前から用意していました。
  • 積み立て口座をすぐに開設しました。

積み立て口座を開設することにメリットを感じるかたも多いのではないでしょうか。給食費や小学校入学後の諸経費、習い事や塾の費用などを少しずつ積み立てしておくと、生活費とは別に考えることができるので、ゆとりが生まれますね。

【4】アンケートから見えてきた!「準備しておくと失敗しないこと」

「やっておいてよかった」

  • 通学路を何度も歩いて覚えさせました。
  • 鍵の開け方を練習しておきました。
  • 近所のお宅と顔見知りになっておき、いざ何かあった時に立ち寄ることができる場所として受け入れていただけるよう、お願いしておいた。
  • 休みの日は校庭を開放している小学校が多いので、そこで遊ばせて学校の雰囲気を教えておきました。
  • ランドセルラックを買って、おもちゃとは区別して、学用品がおもちゃに紛れたり、大事な学校からのプリントがなくなったりしないようにした。

「やっておけばよかった~学童準備・友人・準備編~」

  • 事前に学童に通い、お友だちを作っておけばよかった。
  • 事前に公園や学童に通い、ママ活をしておけばよかった。入学後お友だちと遊ぶようになりましたが、帰宅が遅いときにお友だちの家と連絡が取れないなど、かなり困りました。
  • ウチの子は、困ったことがあったときに自分の気持ちを心に溜め込むタイプなので、親や先生に話す練習、こちらは聞く練習をしておくとよかった。
  • 固定電話がないため途中でキッズケータイを持たせましたが、春休みのうちに持たせておけばよかったなぁと思っています。(GPSで所在地が分かるようになるのも親にとっては安心材料でした)
  • 靴を早めに購入してしまったので入学するまでにはサイズがぴったりになってしまい、すぐ買い替えなければならなかったので、靴の購入は直前でよかった。

連絡網がないという小学校が増えており、お友だちになった子のお宅に遊びに行ってもその子の保護者と連絡が取れない可能性があります。同級生になる子のママと会う機会があったら、事前に挨拶して連絡先を交換したり、SNSなどで知り合いになっておくとよさそうですね。

そのほか意外な意見もありました

「やっておけばよかった~メンタル・体力編~」

  • フルタイムワークだったので、もっと保育園以外の思い出作りができればよかった。
  • もっとべったり、親子で遊ぶ時間をもてばよかったなあと思いました。学校が始まると、帰宅したら宿題やって、習い事に行くか友だちと遊ぶかで、親子でのんびりする時間が全然なくてびっくりしました! 小学生になる前に二人でランチしたり、いっしょに料理をしたり、時間をのんびり共有すればよかったかなと思います。
  • 頑張りすぎなくてもよいこと、不安で当たり前なことを、もっと言葉で伝えてあげればよかった。
  • 体力作り。学校が楽しそうなのはよかったのですが、全力で勉強も遊びも頑張ってきて、学校生活に慣れるまでの最初の半年くらいは帰ってきてすぐ寝ていました。
  • 『教科書が入ったバッグが重くて辛い』と入学したての4月の間はよく言っていたので、重いものを背負って歩く練習をしておけばよかったな~と思いました。

時間は戻ってこないので、思い出作りも大切ですね。体力も一気につくわけではないので徐々に準備が必要です。

先輩ママパパたちからの具体的なアドバイス、いかがでしたか。ぜひこれらを参考にしていただき、お子さんが入学してから安心して過ごせるように準備をしていきたいですね。

この記事の監修・執筆者

一般社団法人ジェイス代表理事、臨床心理士、元武蔵大学教授、東京大学非常勤講師、トロント大学・アムステルダム自由大学大学院客員教授等歴任 武田 信子

1962年生まれ。

子どもの発達を保障する環境の実現とマルトリートメントの予防に力を注ぐ。全国で子育て支援関連の講演や研修多数。

代表的な著作 『やりすぎ教育』(ポプラ新書)、『育つ・つながる子育て支援』(チャイルド本社、共著)、『子ども家庭福祉の世界』(有斐閣、共編)、『保育士のための子育て支援ガイドブック』(中央法規出版)等著書多数。NHK「あさイチ」「すくすく子育て」等、子育てに関するメディア出演多数。

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