【不登校になったらどうする?】小学生が通うフリースクールとは?

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【不登校になったらどうする?】小学生が通うフリースクールとは?

小学生の不登校は年々増え続け、過去最多となっています。
保護者の方は、学校に行きたがらないお子さんを見ると「行きたくないからといって、ただ家にいるだけで本当にいいのか?」と不安になることもあるでしょう。
そこでこの記事では、不登校や行きしぶりの対処法、学研グループが運営するフリースクール「みらいゲート 秋葉原」の取り組みをご紹介します。

目次

不登校の児童数は過去最多に

不登校の小学生は年々増えていることをご存知でしょうか。

文部科学省の調査によると、不登校児童数は9年連続で増加し、過去最多となっています。2021年度の小学校の不登校児童は81,498人で、100人あたり1.3人となり3クラスに1人以上は不登校の児童がいる計算です。

また、何か特別な理由がなくても、学校を休みがちだったり、学校に行きたがらなかったりと、いわゆる「行きしぶり」をされるお子さんもいます。特に、夏休みや冬休みなどの長期休み明けには、学校に行きたがらないお子さんが増える傾向にあるようです

小学生にとって不登校や行きしぶりは、今やとても身近な出来事だといえるでしょう。

不登校の理由は?

保護者の方としては、学校に行かないお子さんに対して、「学校で何があったのだろう?」「どうして登校したがらないのだろう?」と不安な思いをされるかと思います。

当然ながら不登校の理由は一人ひとり異なりますが、参考までに文部科学省の調査を見てみると、小学生の不登校の要因は49.7%が「無気力、不安」です。

〇不登校の要因 上位6項目

出典:文部科学省「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」をもとに当サイトがグラフを作成

いじめや勉強の遅れなどの具体的な原因があれば対処の仕方を考えることができますが、無気力、不安といった抽象的な理由だと、対処法がわからず困ってしまうものです。くわしい理由を知りたいと思ってお子さんに話を聞いても具体的な答えが返ってこない、という経験をされた保護者の方もいらっしゃることでしょう。

しかし、「何か理由があるのでは」と保護者の方がお考えになる一方で、お子さんにはまだ自分の言葉でうまく説明ができない、どうして学校に行きたくないのか自分自身でも理由がわからない、ということもあるようです。また、何か理由があっても家族には話しづらい、どうしても言いたくないということもあるかもしれません。

そのため、無理に理由を聞き出そうとするのには注意が必要です。答えようとしないのに問いただしてお子さんが心を閉ざしてしまったり、保護者の方が過度に不安がっている様子を見てお子さんまで不安な気持ちになってしまったりと、お子さんを思っての行動が裏目に出てしまう可能性もあるからです。

不登校、行きしぶりの対処法は?

不登校や行きしぶりのお子さんへの対応として大切なのは、まずお子さんの「学校に行きたくない」という気持ちを受け止めること。そのうえでお子さんに必要なサポートをすることです。では、具体的にはどのようなサポートをすべきでしょうか。

学校や相談窓口に相談する

文部科学省の調査では、「不登校児童生徒の63.7%に当たる156,009人の児童生徒が、学校内外の機関等で相談・指導等を受けている」との結果が出ています。お子さんや保護者の方が一人で抱え込まず、まずは学校の先生やスクールカウンセラーと連絡をとることが重要です。そこでまずは話をしてみたうえで、必要に応じて児童相談所、児童相談センター、保健所などの相談窓口に相談することもできます。

また、後ほどご紹介するフリースクールのような学校外の機関に相談し、お子さんの居場所を作ることも大切です

学校以外の居場所で、「社会的自立」を目指す

不登校のお子さんの目指す最終的なゴールは、必ずしも再び学校に通うようになることとは限りません。

かつては、不登校の児童に対して「学校に通えるようになること」が目標とされていました。しかし、現在では「社会的に自立すること」を目指すべきで、そのための支援や働きかけをすることが求められています。

また、不登校の子どもが教育を受ける機会を確保するための法律である「教育機会確保法」では、不登校のお子さんの状況に応じて必要な支援が行われるようにするよう定められています。学校以外の学びの場を得ることは、お子さんにとって当然の権利なのです。

そして、学校以外の居場所を作り、社会に参加するための方法の一つが、フリースクールです。

安心できる、未来へつながるフリースクール「みらいゲート」とは?

フリースクールとは?

フリースクールとは、不登校などで学校へ通っていない子どもの居場所で、民間企業やNPO法人などによって運営されています。
一般的に、学校のような授業ではなく子どもの自主性に合わせた学習が行われることが多く、勉強以外にもさまざまな活動を行います。

また、一定の条件を満たす場合は、通っているのがフリースクールでも、学校の出席扱いとすることが可能です。

フリースクールで行われるプログラムや指導はさまざまで、特色も異なります。そこで、2022年7月にオープンした、みらいゲート 秋葉原を例にし、小学生を対象としたフリースクールがどのようなものか見ていきましょう。

フリースクール「みらいゲート 秋葉原」とは?

みらいゲート 秋葉原は、学研グループの学研ココファン・ナーサリーが運営するフリースクール。JR秋葉原駅より徒歩5分と通いやすい立地にあり、小学生のお子さんなら、お住まいのエリアに関係なくどなたでも利用できます。

みらいゲート 秋葉原はさまざまな理由から小学校や学童保育に居場所を見つけられなかったり、集団になじむのが苦手だったりする子どもたちのための場所です。学校では自分の個性が発揮できなかったお子さんでも安心して自分らしく過ごしながら、好きなことや得意なことを見つけて、自信をもって挑戦し、苦手を和らげていけるようお手伝いしています。

そんな、みらいゲート 秋葉原での活動や、施設の様子などをご紹介していきます。

みらいゲート 秋葉原の活動内容

みらいゲート 秋葉原では、9時~18時まで開放しているフリールームで過ごすことができます。決まった時間割や制限、指示はなく、何かをしてもいいし、何もしなくてもいいので好きなように過ごせることが特徴です。

安心して自分らしく過ごしながら、自分の「好き!」や「得意!」なことを見つけて、自信をもって挑戦できるようになったり、苦手なことにも取り組んでみようという意欲を養ったりできるようサポートしています。

また、学研グループならではの取り組みとして、学研の教材や図鑑、実験キットなどの学びの機会を提供し、知的好奇心の芽を育んでいます。

子どもの活動に合わせたフリースペース

みらいゲート 秋葉原には3つのスペースがあり、子どもがそのときの気分で、やりたいと思うことに合わせて過ごせる環境が用意されています。

みずがめ座のへや

学研の豊富な図鑑や書籍、保育士や図書館司書が選書した読み物や絵本を揃えた図書&学習のスペースがあり、学習の援助も行います。

さらに、大きなソファやビーズクッションを備えたゆったりスペースも備えており、職員が選んだマンガやボードゲーム、カードゲームが揃っています。
こちらはただゴロゴロししたり、マンガやゲームで遊んだりしてOKです。

保育士の資格をもつ職員が常駐し、遊びを見守りながら、好きなことを伸ばしたり、適切なコミュニケーションの取り方を学んだりするお手伝いをしています。

いて座のへや

体を動かす遊びや、アート&サイエンスなどの活動をするスペースです。

体を動かすスペースでは、トランポリンやバランスボールなど、体幹を整える遊具を揃えています。中でも、学研のオリジナルカリキュラムの「学研スポチャンくらぶ」では、子どもの心と体にアプローチし、楽しい運動遊びの中で体幹と姿勢を整えてポジティブな心と体を作ります。また、子どもにも可能な護身術も学び、練習の中で相手を思いやる気持ちを育むこともできます。

アート&サイエンスのスペースでは、学研の図鑑や実験キットなどを使いながら、子どもの興味に応じたさまざまな表現活動や、探求心・好奇心の芽を育む援助を行っています。広い白壁に映し出される「学研の図鑑LIVE」付属のDVD映像は迫力満点です。

らしんばん座のへや

落ち着いて過ごすためのスペースで、集中して学習や読書に取り組みたい、主に高学年児のための部屋です。各ブースに机と椅子を設置し、落ち着ける環境を提供しています。また、言語聴覚士などの専門家による有料個別セッションや、保護者の方との面談にも使われています。

専門家のプログラムやアドバイスが受けられる(3歳から)

「子どもに何かしらの課題があるものの、通所受給者証を取得して専門機関に通うことには抵抗がある」という保護者の方は、お子さんの通所受給者証なしで言語聴覚士や臨床心理士などの専門家のプログラムやアドバイスを受けることができます
具体的には次の3つのセッションを、有料で利用できます。こちらは、3歳のお子さんから利用できます。

言語聴覚士によるセッション

言葉のつまずきがあるお子さんに向けたプログラム。対象となるのは、言葉の表出が平均より遅い、聞き取りがうまくいっていない、吃音がある、特定の行がうまく発音できない、食べ物をしっかり噛んで食べられない、語彙数が発達段階に比して獲得できていないなどの困りごとのあるお子さんです。

臨床心理士・児童指導員によるセッション

心のつまずきがあるお子さんに向けたプログラム。対象となるのは、集中力が続かない、友達の気持ちがわかりづらい、かっとなるとすぐに手が出てしまう、思うようにいかないことがあるとパニックになってしまうなどの困りごとのあるお子さんです。

学研スポチャンくらぶ

体のつまずきがあるお子さんに向けたプログラム。対象となるのは、衝動的に動いてしまう、動きを止められない、体幹が弱い、姿勢保持が難しい、力の加減ができない、声の大きさの調整が難しいなどの困りごとのあるお子さんです。

よくあるご質問

みらいゲート 秋葉原に関する、よくある質問をご紹介します。

生活リズムが整わず、昼夜逆転してしまっているので、フリースクールに通えるか不安です。

【みらいゲート秋葉原の回答】

9時から18時までフリースペースを開放していますが、午前中から来ても、午後から来ても自由です。
学校のように決まった時間に来なくてはいけないということはありませんので、お子さんのペースで通い、少しずつ生活リズムを取り戻していきましょう

ずっと家にいてもやることがないようで、無気力に過ごしていて不安です。やりたいことがなくても、フリースクールにきちんと通えるのでしょうか?

【みらいゲート秋葉原の回答】

みらいゲート 秋葉原は、何をしてもいいし、何もしなくてもいい場所です。やりたいことがなければいけない、という決まりはありませんので、自由に過ごすことができます。「何かをする場所」というよりも、ただその場にいるだけでいい場所なので、お子さんの居場所として通っていただきたいと思っています。

学習の遅れが心配です。フリースクールで遅れを取り返すことはできるのでしょうか?

【みらいゲート秋葉原の回答】

学研の図鑑や教材、書籍、絵本を揃えた図書&学習のスペースがあり、学習の援助をします。また、集中して学習に取り組みたいお子さんのための部屋には机と椅子を設置し、落ち着ける環境を提供します。

費用はいくらかかりますか?

【みらいゲート秋葉原の回答】

半日の利用が1回3,850円からです。その他詳細はお問い合わせください。

ご相談はお気軽に

小学生の親世代にとっては、フリースクールがあまりなじみのあるものでなかったり、「学校には通わなければいけない」という思いが強かったりで、フリースクールにいい印象をもっていない方、どんな場所なのかわからず不安な思いをされている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、学校に通うことではなく、社会的に自立することがゴールとされるようになった今、フリースクールは学校に代わる居場所として、子どもたちをサポートしています。お子さんが成長する場所の一つの候補として、フリースクールに目を向けてみてはいかがでしょうか。

みらいゲート 秋葉原では、無料体験・見学を実施しています。不登校、行きしぶりについてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談してみてください。ご相談やお問合せは下記のページからどうぞ。

<参考>
文部科学省
「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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https://kosodatemap.gakken.jp/

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