【ゴーグルは必要?】学校の水泳の授業で気をつけたいこと

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【ゴーグルは必要?】学校の水泳の授業で気をつけたいこと

6月になると園や学校でもプールの授業が始まります。大好きな子は大喜びですが、苦手な子には苦痛の時間かもしれません。
プールで気をつけてあげたいことについて、教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

水泳は無理のない段階的な指導を

6月に入るとそろそろ水泳の授業が始まります。 
水泳の授業は好きな子が多いのですが、中には大嫌いな子もいます。

私も子どものころ大嫌いだったので、そういう子の気持ちはいたいほどよくわかります。

私は思い出します。 
まるで泳げないのに大量の水で満たされたプールに入れられ、頭を押さえつけられて顔を水の中につけさせられたときのことを。

つま先立ちで立って、しかも顎をめいっぱい上に向けてやっと口が水の上に出るくらい深いところを、無理矢理歩かされたこともありました。 
先生は指導のつもりでも、私にとっては死の恐怖そのものでした。

おまけに痩せ形のせいかすぐに体が冷えて、寒くてガタガタ震えだすのが常でした。

水が苦手な子にとって、プールの授業は恐怖に満ちたものです。 
先生も親もそのことを理解してあげてほしいと思います。

こと水泳に関しては、無理のない段階的な指導が絶対に必要です。

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ゴーグルは2つの理由で絶対必要です

子どもの恐怖心を和らげるためにも、水泳能力の向上のためにも役立つイチオシのグッズがゴーグルです。

ゴーグルをすれば水中でもよく見えます。 
それで恐怖心が和らぎ、各段階での水泳練習がスムーズになります。 
スイミングスクールでもゴーグル使用は当たり前です。
しかも、眼病予防にも効果的です。

たとえば、東京都眼科医会学校医担当常任理事の古野史郎氏(古野眼科院長)の調査では、ゴーグルをつけた場合とつけない場合では、角膜障害が起こる割合が大きく違うという結果が出ています。 
ゴーグルをつけた場合、角膜障害が起こる割合は9.3%ですが、つけない場合はなんと66.1%だそうです。

慶應大学眼科グループの研究でも日本眼科医会学校保健部の研究でも、プールでのゴーグル使用を強く推奨しています。 
逆にプールの後の塩素を含む水道水による洗眼は、角膜を傷つけ目にダメージを与えるおそれがあるそうです。

同様の研究はこの他にもたくさんありますが、その逆は見たことがありません。

このようなわけで、私は教師時代にゴーグルをつけさせて授業をしていました。 クラスに2、3個常備しておき、忘れた子には貸してあげていました。

ゴーグルは必ず使わせましょう

ただ、ゴーグルについては各学校や地域で対応が様々です。 
ゴーグルを強く推奨しているところもある一方で、未だにできたら使わせたくないというところもあります。

さすがに禁止というところはないようですが、保護者が申し出れば許可するというところも多いようです。

しかし、これはおかしな話ですね。 
専門家の研究によってゴーグルの必要性は明らかになっているのですから。 
私が校長ならゴーグルは絶対使わせます。

もしみなさんの学校が許可制でしたら、ぜひ許可申請をしてください。 
使用に際して理由が必要ということなら、眼病予防が良いと思います。 
「以前目医者で言われました」と言えば大丈夫です。

なお、使用に際しては次のことに心がけてください。

1.家でゴムバンドの長さを調整しておく

ゴーグルが子どもの顔にぴったり合うように、家で“毎回”ゴムバンドの長さを調整してください。

 ゴムバンドが長すぎたり短すぎたりすると、いざというとき全く使いものになりません。 
また、授業中に濡れた状態のゴムバンドを調整するのは、子どもには不可能です。 
濡れた状態だと先生がやってもかなりの時間がかかります。 
すると貴重な指導時間が減ってしまいます。

2.必ず名前を書く

ゴーグルには必ず名前を書いてください。

ついでにお願いですが、靴下と下着にも名前を書いてください。 
これらの落とし物が驚くほど多いのです。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

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