子ども部屋? リビング? 子どもを伸ばす学習環境を作ろう!

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小学校入学を節目に、“子ども部屋”や“学習スペース”を作りたいとお考えの家庭が多いのではないでしょうか。
「子ども部屋って必要なの?」「リビング学習でもいい?」といった疑問も出てきますよね。
そこで今回は、子どもをぐんぐん伸ばす学習環境の作り方を紹介します。
しっかりと集中できる環境で、春からの学校生活をスタートしましょう!

お話/親野智可等

目次

子ども部屋派? リビング学習派?

子どもの学習環境で悩むのが、子ども部屋を作るか、リビング学習にするか、というところ。間取りや経済的な問題ですぐに子ども部屋の準備は無理! という家庭もあるのではないでしょうか。まずは双方のメリット・デメリットを確認してみましょう。

メリットデメリット
子ども部屋●自分の世界をもつことができる
●集中しやすい
●お金がかかる
●幼いときは、不安を感じやすい
リビング学習●近くに家族がいるので安心感がある
●家族とコミュニケーションがとれる
●周囲の音や家族の動きによっては、集中しにくい

子ども部屋

子どもの部屋は、自分だけの城ができたことによって、自分の世界をもちやすく、周りの環境に左右されずに集中できるよさがあります。

一方で、幼い子にとっては自分しかいない環境に不安を感じやすいデメリットも。ひとりで部屋にいるときに木がざわざわと揺れていると、「誰かいるのかな…」「お化け?」などと、不安になってしまう子どもも多いもの。不安があると、遊びや勉強に集中しにくくなるので安心させてあげる工夫が必要です。
【対策】リビングに移動していっしょに取り組んだり、ドアを開けて安心させるなどの工夫をしましょう。

リビング学習

家族が身近にいるリビングでは、様子を見守り、質問する、ほめるなどのコミュニケーションができるので、安心して遊びや学習をすることができます。
その反面、だれかの見ているテレビなどが集中を妨げてしまう場合も。また、ママやパパが、がみがみ怒るタイプだと、ついつい指摘ばかりしてしまい、子どものやる気を削いでしまう可能性も。
【対策】パーティションや家具などで空間を仕切り、集中しやすいスペースを作りましょう。勉強机だけを買って、リビングの集中しやすい向きに配置してもOK。

つまり、どちらが正解ではなく、どちらに合っているかを上手に選択していくことがポイント!

勉強は「自分の部屋でやるべきもの」「必ずリビングで」そういった思い込みや決めつけはNG。「子どもの性格」や「学習内容」、「家庭の状況」に合わせて柔軟に変えていくことが必要です。

子どものやる気がダウン…気をつけたい5つの環境

子どもの学習環境を考える際、「音」「明るさ」「姿勢」「視覚情報」「室温」の5つが、とくに気をつけたいポイントと言われています。チェックしていきましょう。

1 音のシャットアウトはできてる?

とくに、リビング学習にいえることですが、「音」は子どもへの影響が大。
テレビの音や音楽、家族の話し声などは、子どもの集中を妨げてしまいます。
【対策】テレビの音や音楽などは、音量を下げる、イヤホンで聴く、または、〇~〇時まではノーテレビタイムを作るなど、家族でルールを決めてもよいでしょう。また、静かな部屋やスペースに移動するといった方法もあります。

2 手元の明るさはOK?

学習スペースの明るさが十分でないと、目が疲れやすくなり、視力に影響が出る可能性が。また、手元が暗いと、のぞき込むような体制になり、姿勢が悪く、体も疲れやすくなります。
【対策】勉強に必要な明るさは500~1000ルクスといわれています。リビングの明るさは、300ルクスほどなので注意が必要。子ども部屋でも、リビング学習でも、必要に応じて卓上ライトを用意したり、十分な明るさがあるところに机を配置したりするとよいでしょう。

3 イスや机は、子どもの体に合ってる?

足がぶらぶらしていると、集中力が散漫になってしまう子も。また、リビング用の家具は、勉強には向いていない場合があります。
【対策】子どもの足が安定するように足置き台を置く、高さを調整できるイスを使う、などの工夫を。

4 視覚情報の整理、できてる?

子どもの視覚情報を整理することも必要。目につく場所にゲームやおもちゃがあったり、テレビを見ている家族がいては、気が散ってしまいます。
【対策】不要なものは片づける 、集中しやすいよう机の向きを変える、などの工夫を 。卓上パーティションや卓上ボード、学習用バッグといった便利グッズを活用してもよいでしょう。

5 室内温度はOK?

暑すぎると眠くなってしまうし、寒すぎると体がこわばり緊張してしまい、どちらも集中力がダウンしがち。大人のように温度や湿度に合わせて、暑いから服を脱ぐ、寒いから服を着る、といった体温調節をすることは、子どもにとってまだ難しいもの。
【対策】机上に温度計と湿度計を置いておくのがおすすめ。自分の快適な温度と湿度を覚えておけば、自分で調節することができます。温度や湿度に興味をもつことは、理科的マインドを作っていくうえでも、とても大事!)

子どもを伸ばすための“学習環境で大切な3つの視点”

《視点1》 子どものタイプ

「コミュニケーションをとりながら取り組む方がやる気が高まる子」

「ひとりで静かにもくもくと取り組む方が集中できる子」   

など、子どもによってタイプはさまざま。その子のタイプに合わせて、どこで学習をするのかを見極めることも大切。

たとえば、不安を感じやすい子には、リビングで見守りながら。周りの音に敏感な子には、子どもの部屋で取り組む、家具やパーティションで仕切った空間を作るなど、その子タイプと環境の相性を考えるようにしましょう。

《視点2》 学習内容

「算数の難しい問題にじっくりと取り組みたい」

「文章をじっくりと書きたい・読みたい」

といったシーンでは、子どもの部屋、もしくは、静かな空間で取り組めるようにするとよいですね。逆に、

「簡単な計算や文字の練習がしたい」

「サポートが必要な作業をしたい」

などの場面では、そばで親が見守ってほめたり、言葉かけをしたりなど、コミュニケーションをとりながら進めたほうが効果的な場合もあります。臨機応変に環境を変えることも必要ですね。

《視点3》 楽勉環境

“楽勉”とは、生活の中で「楽しく」「楽に」学習すること

例えば、以下のような「楽に」始められて、「楽しく」遊んでいるうちに覚えてしまうアイテムを使います。

●図鑑
●学習マンガ
●地図
●地球儀
●かるた(星座かるた、ことわざかるた、漢字かるた、歴史かるた、地理かるたなど)●ジグソーパズルや立体パズル
●ひらがなの表、九九の表、歴史年表
●温度計、湿度計、気圧計
●辞典

ただし、これらが本棚で眠っていては意味がありません。
子どもが手にとりやすいところに置いておくのがポイントです。
おふろ場やトイレなどでもOK! おうちのいろいろなところに“楽勉”環境を作っていきましょう。

親野先生イチオシは図鑑!

★図鑑は、自分の好きな分野を「深める」本と、まだ知らない分野まで興味を「広げる」本の両方をチョイスすると◎。

「深める」本は、同じジャンルでも、出版社が異なる複数の図鑑をそろえるのもよいでしょう。たとえば、昆虫図鑑では、出版社が違うと同じ昆虫でも別の情報が書かれていたりするので、知識をさらに深めることにつながります。

また、「広げる」本は、子どもの興味・関心を幅広くしていく効果もあります。図書館で借りてきた本のなかから、気に入ったものを買ってもよいですね。

子どもにとっての“最大の環境”は「親」

親の「ほめる言葉」「共感する言葉」が、子どもにとってはなにより重要!

「もっとていねいに書きなさい」「鉛筆の持ち方が違う!」「姿勢が悪い!」など、子どもの勉強を見ていると、ついつい指摘したくなりますが、これでは親が子どもに与える学習環境で最大の弊害になりかねません。

なぜなら、親の不愉快な言葉によって、勉強が不愉快だと刷り込まれてしまうから。勉強自体が嫌いではないのに、もったいないですよね。

それなら、勉強が楽しいものなんだと脳に刷り込めばよいのです。コツはたったの2つ。

“部分”をほめる

文字の練習をしているときに、雑だな…と思ってしまっても、否定的な言葉はストップ。全体を漠然と見ているから、ほめるところを見つけられていないだけなのです。

「この“右はらい”が上手だね」「この“形”がいいね」

など、部分に注目すれば必ずいいところは見つかります。

どうしてもきになる場合は、最後に「こことここは惜しいね、もう一回書き直そうよ」と伝えてみましょう。

この順番がとても大事。

親のほめてくれたその言葉がうれしくて、子どもは勉強が楽しくなってくるはずです。

共感する

「宿題が多くてたいへん」「疲れちゃってやる気が出ないよ」。そんな子どもの言葉に「だめだよ、そんなことじゃ!」と返してしまっては、やる気がますますなくなってしまいます。

「宿題が多くてたいへんだよね」「やる気でないよね」

と共感すると、ママやパパが自分の気持ちをわかってくれたと感じて、子どもの心は安らぎます。

少し時間をおいてから、

「でもやらなきゃいけないから半分だけやってみようか」「ママも手伝うからさ」

といったようにハードルを少し下げつつうながしてみましょう。

すると、自分の大変さをわかってくれたママパパが言うならやってみようかな…という気持ちになっていきます。

ぜひ、これらの方法を試して、子どものやる気をぐんぐん引き出す学習環境作りをしてみてくださいね。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の毎週金曜マンスリーゲストとして出演中。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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