3~4歳児にオススメ! 梅雨の時期にピッタリな絵本/こそだてまっぷの絵本棚【6月号】

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3~4歳児にオススメ! 梅雨の時期にピッタリな絵本/こそだてまっぷの絵本棚【6月号】

梅雨まっただ中の6月。雨の日が続くと、じめじめと湿気が多く、空も薄曇りで、大人は何となく気分が晴れません。でも、子どもは、お散歩中に水たまりを見つけるだけでも大興奮! 雨の日でも、ワクワクすることを上手に見つけて楽しんでいます。 
今月は、そんな雨の日をさらに楽しくしてくれそうな、この時期にピッタリな絵本を年齢別に3回に分けて紹介します。
絵本のセレクトは、絵本講座主宰、JPIC読書アドバイザーの大久保徳久子さん。
今回は、3~4歳児にオススメの絵本です。

目次

3~4歳児にオススメ! 梅雨の時期の絵本

◆『バムとケロのにちようび』

作・絵/島田ゆか 1,650円  文溪堂

<あらすじ>

雨の日曜日は退屈です。バムは、サッカーも砂遊びもできないので、本を読むことにします。その前にまずは、部屋を片づけて、泥んこになったケロちゃんをお風呂に入れて、本の前におやつ作り。生地をこね、型を抜いて、油であげて、山のようなドーナツが出来上がり。いよいよ屋根裏部屋で、本を選びます。念願の「ドーナツをつまみながら読書」が始まると思いきや、あらあら、いつのまにか夢の中。

 

<オススメポイント!>

がんばり屋さんのバムと、自由気ままなケロちゃん。2人は、遊び心がつまったすてきなお部屋に住んでいます。ポスト、ソファの脚、壁の写真、タオルかけなど部屋の隅々までていねいに描かれた絵は、とても愉快です。もちろん、ストーリーからも目が離せません。泥んこ、ドーナツ、屋根裏部屋の探検! 思わず笑っちゃうシーンが次から次へと続きます。こんな楽しい絵本を雨の日に読んだら、それこそ退屈しないですみそうです。

◆『かたつむりののんちゃん』

作/高家博成、仲川道子 990円 童心社

<あらすじ>

かたつむりののんちゃんがカラにもぐってお昼寝をしていると、雨がぽつぽつ降ってきました。目を覚ましたのんちゃんは、カラからおなかをにゅ~っと出して、目玉を出して、しっぽを出して、うんちをして、お出かけすることに。「あじさいの所で、みんなが楽しそうに遊んでいるよ」とカエルさん。そこをめざして進みますが、その途中に、水たまりでおぼれているヤスデちゃんを発見。大変、助けてあげなくちゃ! のんちゃんは、無事に助けられるでしょうか…!?

 

<オススメポイント!>

虫が苦手なお子さんもこれなら見てくれる、と人気の「かわいいむしのえほん」シリーズの一冊。かわいいタッチの絵ですが、しっかり生き物の生態を押さえています。巻末には、大人向けにかたつむりの生態について、大人向けの詳しい解説が載っています。「かたつむりは世界で約2万種もいる」「かたつむりは卵からかえったときから、カラがついている」など、知っていると楽しさが増しそうです。解説ページの内容は、かみくだいてやさしい言葉で伝えてあげてください。

◆『雨、あめ』

絵/ピーター・スピアー 1,540円  評論社

<あらすじ>

庭で遊んでいると、突然の雨。家へかけ込んだきょうだいは、レインコートを着て傘をさし、すぐにまた外へ飛び出します。この絵本には、ひとつも文章がありません。漫画のようなコマ割りで、雨の楽しさをぞんぶんに見せてくれます。水玉が光るクモの巣。雨に負けてぐったりした花壇の花。車の下で雨宿りするネコ。傘をおちょこにしながらきょうだいが帰宅すると、あたたかいお風呂が待っていました。

 

<オススメポイント!>

世界中で長く愛されている絵本です。絵がすばらしく、文字はなくとも雨の音や子どもたちの歓声が聞こえてきそうです。黒雲が去った真夜中に丸いお月さまが浮かぶシーンは、うっとりします。そして、この絵本のもうひとつの魅力は、子どもが本当はやってみたいことを絵本の中でやっていること! 文章がないので、大人が言葉を足して読んであげてくださいね。お子さんが自分で発見したことを言えるよう、待ってあげることを忘れずに。

◆『すてきなあまやどり』

作・絵/バレリー・ゴルバチョフ  訳/なかがわちひろ  1,760円  徳間書店

<あらすじ>

雨が通り過ぎていったあと、ブタくんが外から帰ってきました。ヤギおじさんには「大きな木の下で、雨やどりをしていた」と話しているのに、ブタくんはびしょぬれです。いったいどうしたのでしょう。ブタくんは、ぬれている理由を詳しく話してくれるのですが、どんどん話が大きくなっていき、なんだか怪しい感じです。ヤギおじさんは最後まで話を聞いていますが…。

 

<オススメポイント!>

「雨やどりをしていた木の下に、次々と動物が入ってきた」と、ブタくんは言います。ネズミが1匹、ハリネズミが2匹、バッファローが3頭…。話が大きくなるにつれ、この絵本の読み聞かせを聞いている子どもの、ワクワクする気持ちもふくらみます。最高潮のゾウが10頭入ってきたシーンは、大きく広がる観音開きのしかけ! すばやくサッと広げてくださいね。本の裏表紙は、チロリとブタくんに目をやる、ヤギおじさんの絵。「そんなこと言っちゃって、全部お見通しだよ」って顔をしていますね。

来週の「こそだてまっぷの絵本棚 6月号」は、4~5歳児向けの絵本を紹介いたします。

お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

絵本講座主宰・JPIC読書アドバイザー 大久保徳久子

出版社勤務など30年以上絵本の編集に携わる。現在は、「絵本の可能性を広げる」をモットーにオリジナルの絵本講座を開催。全国の赤ちゃん~小学生の保護者、保育士、図書館司書など、これまで1,500人以上に絵本の魅力と可能性を伝えている。
https://lit.link/ookubotokuko

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