「はさみを使いたい!」子どもの言葉や、訴えるような視線で、そろそろはさみを与えてみてもよいかな? と思っている、お母さん、お父さん。
でも、子ども用のはさみはたくさんあるし、危ない使い方はさせられない。
そもそも何歳から、はさみを持たせたらよいの?
そんな悩める皆さまの疑問を解決すべく、
造形作家で3歳の娘さんをもつ、おおしだいちこさんにお話を伺いました。
はさみデビューは何歳から?
お約束が守れるようになってから!
●歳から、ではなく、親目線でちゃんとお約束が守れるようになったらがポイント。
例えば、「少し待っていてね」「これは触らないでね」などを理解して聞き入れられるかどうか。
また、一番大切なことはもちろん、はさみに興味をもっていること。
おおしださんの場合は、おおしださんの制作する姿をよく見ていた娘さんが、ずっと「使いたい!」と言っていたそう。
ついにはさみの練習をしようと声をかけたら、目をキラキラ輝かせていたそうです。素敵なエピソードですね。
親子ともに、そんな気持ちでチャレンジできれば、楽しい時間になりそうです。
はさみ選びの4つのポイント
①切れ味のよいもの
子ども用はさみには、金属刃とプラスチック刃があります。
プラスチック刃は、触れても手が切れませんが、紙を巻き込みやすく、切るのも難しいことが多いです。
そこで、おおしださんのおすすめは、刃がステンレス製のもの。
ただ、低い年齢で試してみる場合は、プラスチックから始めてみるのもひとつです。
②手の大きさにあっているもの
初めてはさみを使うとき、一番難しいのが、閉じ開き。
特に、開くのには意外と力が必要なものです。
小さい手では、大きめのサイズだと、開くのが難しいよう。
例えば、市販の2歳から使えるはさみは、全長11cmくらいです。
③刃先が丸くなっているもの、先端がカバーされているもの
ふいに触ってしまう可能性を考えると、刃先が丸くなっていたり、プラスチックのカバーがついていたりすると、安心です。
おおしださんによると、後述のお約束がしっかりと守れているようであれば、カバーがなくても大丈夫だとか。
④子どもの利き手にあうもの
右利き用のはさみを左利きの子がそのまま持つと、親指と人さし指、中指を入れる穴の大きさが違っていたり、刃の噛み合わせが逆になっていたりして、使いづらいもの。
両利き用のはさみもあるので、兄弟で利き手が違うなどの場合は、1本あると良いかもしれません。
おすすめの子ども用はさみ 左利き用もあり!
選ぶポイントがわかったところで、初めて使うのに、おすすめのはさみを紹介します。
今回は、おおしださんのお子さんにも、実際に使ってもらいました!
①安全はさみ・きっちょん(クツワ株式会社)
ポイント
刃先までプラスチックでカバーしてあります。
そして力の弱い子どもでも使いやすいように、開きを補助するスプリング付き。
刃の切り口がフラットになっていて、安全で危なくありません。
右利き用はブルー、グリーン、ミント、パープル、ピンクの5色。左利き用はイエローがあります。
おおしださんコメント
スプリングが開く力をサポートしてくれるので、とても使いやすそうでした。ただ、スプリングを自分で元に戻して閉じるのはまだ難しいので、はさみを置くときに開きっぱなしになってしまうところは注意。
②かみきりくん(銀鳥産業株式会社)
ポイント
全長110mmで子どもの手にぴったり!2歳から使えます。
ハンドル穴の大きさが同じなので、向きを気にせず握れます。
刃先はプラスチックでカバーされていて安全性も◎。
刃の部分も安全ガードが付いていて、ケガをしにくい作りです。
おおしださんコメント
小さめなので開閉しやすく、とても使いやすそうでした。
またペンケースにも入れられる大きさなので、実家に帰る時などでも持ち運びしやすいです。
穴が同じ大きさのため、「こっちに親指を入れて…」などの補足が不要なところが良いです。
名前を書くタグは、使う時は気になるようだったので外しました。
③エアロフィットサクサ・キッズ(コクヨ株式会社)
ポイント
全長は14.2cmと今回のはさみの中では大きめ(対象年齢6歳~)ですが、それぞれの刃がハイブリッドアーチ刃というアーチ状になっていて、軽い力で切りやすいです。
空洞デザインのエアークッションハンドルが指への負担も減らします。
ブルーの他に、ピンクと、左利き用に黄色があります。
おおしださんコメント
3歳の娘には少し大きいサイズだったので、開閉に苦戦していました。
ケースがあるので、刃先のカバーはなく、「自分で(ケースに)入れたい!」と言い出したのは、少し困りました。
でも切れ味は良く、しっかりと切れていました。
はさみを使う時のお約束
いよいよ実践! …の前に、ケガをしないように、させないように、以下のお約束を子どもに伝えましょう。
就学前であれば、毎回確認するくらい慎重であっても良いそうです。
お約束10か条
1.刃の部分は触らない
2.開いて置かない
3.テーブルに置く(床に置かない)
4.持って歩かない
5.刃をお友だち(家族)に向けない
6.座って使う
7.必ず、お父さんやお母さんがいる時に使う
★子ども自身が取り出せる場所に保管しないことが大切です
8.切りたい紙を取るときは、一度はさみを置く
9.紙以外を切らない
10.紙を水平にして、はさみは垂直に持って切る
★最初はこれが難しそうに見えるので、使っている間も声かけしていくと良いです
使っている時のおすすめ声かけ
くどくど言われたり、すぐ注意されたりすると大人でも嫌な気持ちになりますね。
子どものモチベーションを保てるように、言い方やタイミングに気をつけるようにしましょう。
★はさみを垂直にしないと切れないので、先にやって見せて、紙を切る前に、何度か閉じ開きの練習をします。使いながら水平になってきたら…
「上手に切るにはどうすればいいんだっけ?」
「お父さん指が見えるように持ってね」
または、隣ではさみを持って見せて
「こうやって持つんだよ」
★紙を持つ位置が遠すぎると切りづらく、近すぎると危ないので、様子を見ながら…
「お指をチョッキンしたら痛いから、もう少しこっちを持とうか」
「もう切るところがなくなったから、新しい紙にしようか」
★最初は細い紙の一回切りで練習しますが、紙の向こうに届くくらい大きく開かなくてはならないため…
「大きくチョッキンしてね」
おおしださんのお子さんは、紙が痛くないのか心配していたそうで、
「大きくチョッキンしたら大丈夫。途中で挟まって切れなくなったら痛いかも?」と伝えたそう。かわいらしくも、子どもに伝わりやすいですね。
はさみの練習におすすめのワーク
『2歳 さいしょのはさみ』(学研プラス)
お子さんを見守りながら、楽しいはさみライフを!
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