豊かな四季のある日本。でも現代の生活では大人も子どもも季節を実感することが少なくなりました。いつも快適に過ごせるのはいいのですが、季節感が希薄なのはちょっぴり寂しいですね。
そこで今回は子どもと一緒に四季を楽しむ暮らしについてお伝えします。
文/マムズラボ
「季節感」が学力に影響する!?
子どもと一緒に年中行事に参加したり、旬の味覚を味わったりして季節を感じる…楽しいですよね。でもただ楽しいだけではありません。実は、季節感のあるなしが子どもの学習にも関わってくるのです。
次の文章は文部科学省の学習指導要領からの引用です。理科や生活科での学習を通して「季節感」というものを育むことを求めているのがわかります。
【理科】
身近な動物や植物を探したり育てたりして,季節ごとの動物の活動や植物の成長を調べ,それらの活動や成長と環境とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア 動物の活動は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。
イ 植物の成長は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。
出典:文部科学省 学習指導要領「生きる力」第2章 各教科 第4節 理科https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/ri.htm
【生活】
身近な自然を観察したり,季節や地域の行事にかかわる活動を行ったりなどして,四季の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き,自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりできるようにする。
出典:文部科学省 学習指導要領第2章 各教科 第5節 生活https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/sei.htm
例に挙げた理科や生活科だけでなく、音楽や国語の授業でも、歌詞や文章の中に季節を感じる言葉が使われることは多々あります。
実際に体験したり、感じたりしたことがあれば、より理解が深まりそうですよね。学力そのものというより学力が育つ土台として、季節感が大切です。
お家でできる、季節行事
では、季節感を育てるにはどうしたらいいでしょうか。
手軽なのは季節の行事や行事食を楽しむことです。
春夏秋冬の季節行事と、気軽に楽しむ方法を紹介します。
<お正月~春>
お正月は、たこあげ、羽根つき、こま回しといった、伝承遊びに親しむチャンスです。ついでにゲーム機やコンピューターのない時代のことを親子で話してみましょう。想像力が広がります。
節分の日の豆まきや恵方巻きは定番ですね。「今年の恵方は?」「なぜ豆を年齢の数だけ食べるの?」など、疑問に思ったことをその場で一緒に調べてみてはいかがでしょう。
3月のひなまつり(桃の節句)、卒業式や4月の入学式、5月の端午の節句と、春は子どもが主役の行事が続きます。
ひな人形は平安貴族、武者人形は戦国武将と考えると、歴史や文化に親しむいい機会だといえそうです。
<夏>
七夕やお盆、夏祭りなど、夏の季節行事は大人になっても忘れない一生の思い出ですね。
夏祭りになかなか行けない昨今は「お家縁日」を楽しんでみるのもいいでしょう。
お風呂上がりに浴衣や甚平に着替えて、焼きそばやたこ焼きなどの縁日メニューを。紙コップなど容器にもこだわって、「お店っぽさ」を演出しましょう。
<秋>
秋の季節行事と言えばお月見。お団子を作って、お月見をしてみるのはいかがでしょうか。お月見は当日だけでなく、数日前から楽しむイベントにするのがおすすめ。「だんだん丸くなってきたね」などと会話しつつ、カウントダウンしながら月を観察していくと、4年生で学習する「月の満ち欠け」が実感できます。
<冬>
1年で最も日照時間が短く、夜が長い冬至。
かぼちゃ料理やゆず風呂で無病息災を祈ります。「日が短くなったね」「影が長くなったよね」そんな会話をしながら、季節の変わり目を子どもと一緒に感じてみてください。
年末の大掃除にもできる範囲で役割を与えて、「キレイになると気持ちがいい」を体験させてあげましょう。
暮らしの中でさりげなく季節感を演出しよう
とりたてて行事がない日でも、子どもの季節感を育むことは可能です。
例えば
・公園の草や木を観察する
・季節の花を飾る
・スーパーに買い物に出かけた際に「旬の食材探し」をする
・街のショーウィンドウやのディスプレイの変化に気付く
・お部屋のインテリアにその季節らしい小物を置く
・クッションカバーやカーテンなどファブリックを季節感のあるものに変える
などなど……さまざまな方法が考えられますね。
季節の変化とともに、身の回りのさまざまなものが変化していることに気付けば、季節と生活とのかかわりへの興味がわくきっかけになるでしょう。
まとめ
季節を感じ、季節を楽しむ方法をいくつかご提案しました。
忙しい現代社会を生きる私たちだからこそ、季節を楽しみ、暮らしを学びにつなげる営みは大切にしたいものです。
子どもにとっては学力のベースとなるだけでなく、その経験は、一生を豊かに彩る思い出に。見守る大人にとっても、宝物のような記憶となって残るでしょう。
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