(り)今日のおやつはかしわもちでーす。
(な)わあい!
(り)葉っぱはとって食べてね。
(な)ねえ、さくらもちの葉っぱは食べるのに、なんでかしわもちの葉っぱは食べないの?
(り)それはね…
かしわの葉っぱは、「お皿」や「ラップ」と同じだから。
むかしは葉っぱを、上に食べ物をのせてお皿代わりにしたり、包んで蒸したりするのに使っていたよ。
お皿やラップみたいな使い方だね。
かしわの葉っぱは、食べられないわけではないけど、すじっぽくてかたく、あまりおいしくはありません。
だから葉っぱをはがしながら、中のおもちだけを食べてね。
※端午の節句に「かしわもち」を食べるのは、関東でさかんな習慣。京都を中心とした関西では「ちまき」を食べるほうが多いようです。昔、西日本ではかしわの木が育ちにくかった、ともいわれています。
ちまきのなんで?はこちら→【5月5日・端午の節句】ちまきの中には何が入っている?【こどもの日】
もっと しりたい?
*かしわには、新しい葉が出るまで古い葉が落ちないことから、家が継続していく・子孫繁栄への願いがこめられています。
*かしわの葉が大きくなるのは、かしわもちの季節の少し後。
だから、かしわもちに使用されるのは前の年の葉っぱです。保存のために加工すると、葉の緑色が落ちて茶色っぽくなります。
最近は緑色を残す加工もあり、どちらの色の葉っぱも使用されます。
*「つぶあん」「こしあん」のほか、白あんにみそと甘みを加えた「みそあん」も人気。
(な) あずきあんとみそあん、どっちが入ってるかな?
(り)おもちの色であんの色がわかるようになってるよ。
白があずきあんで、ピンクがみそあんだって。(※お店によって分け方は違います。)
(な)よ~しっ!、右手にあずきあん、左手にみそあんにきまりっ!!
(り)両手に持って食べるの!?
参考文献:青木直己『図説 和菓子の今昔』(淡交社)/坂本廣子 著・奥村彪生 監修『坂本廣子のつくろう!食べよう!行事食②花見からお盆』(少年写真新聞社)/新藤由喜子『年中行事・記念日から引ける 子どもに伝えたい食育歳時記』(ぎょうせい)/清水洋美 著・横山洋子 監修『毎日の保育が面白くなる! きょうは何の日?366日』(世界文化社)/服部津貴子『Q&A季節の食育』(岩崎書店)/かこさとし『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 5月のまき』(小峰書店)/新谷尚紀 監修『伝統行事がわかる図鑑①春のしきたり』(ポプラ社)/亀田龍吉 写真 多田多恵子 文『森の休日3 調べて楽しむ葉っぱ博物館』 (山と渓谷社)/武田澄子 監修『季節と行事のかるた』(学研)