小学校入学前に、文字を書けるようになっていたほうがいいの?

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小学校入学前に、文字を書けるようになっていたほうがいいの?

小学校に入る前から、ひらがなくらいは書けたほうがいいの? 子どものお友だちの中には、自分の名前を漢字で書ける子もいて、「うちの子、ひらがなも読めないのに・・・・・・」と焦るおうちの方も・・・・・・。字を書く練習は、いつ頃からスタートしたらいいのでしょうか? また、子どもにどのように教えるのが効果的? 小さな子どもの指導にも当たっている、ペン字講師の萩原季実子先生に、お話を伺いました。

お話/萩原季実子先生(ペン字・筆ペン教室 my MOJI(まいもじ)主宰)

文/田所佐月

目次

書けるようになる時期には個人差も。まずは文字に興味を持たせよう。

他のお子さんがどんどん文字を書けるようになると、「うちも練習させなきゃ!」と焦ってしまいますよね。しかし、文字を書き始める時期には個人差もあります。早い時期から書けたほうがいいというわけではありません。年長さんになると、園でひらがなの読み書きを教え始めるところも多いようです。そのタイミングでも、まったく遅くはないと思いますよ。まずは、言葉に興味を持たせることからスタートしましょう。

文字は読めないと書けない! 自分で読むところからスタート

文字を書く練習の前に、まず読めるようになっておくことが、とても大切です。読めないと、文字は書けません。

絵本の読み聞かせのときなどに、文字を指さしながら、声に出して読んであげるのがおすすめです。文字と音が一致して頭に入ってくるので、文字に興味を持つきっかけになりますよ。自分で読めるおもしろさが、「書いてみたい!」という気持ちにつながるのです。

鉛筆で線を書く楽しさを、体験させよう!

鉛筆で線を書く楽しさを、体験させよう!

いざ文字の練習を始めようと思っても、「どのように教えたらいいのかわからない。」「親が字を書くのが苦手だから、上手に教える自信がない!」というようなお悩みもよく聞きます。

そこでおすすめなのが、親子で一緒に「色鉛筆で塗り絵」をすることです。カラフルな鉛筆を持って色を塗ったり、線をなぞったりするのは、それだけでとても楽しいですよね。

塗り絵は、字を書くために大切な筆圧をコントロールする練習になります。濃く塗るときは強い力が、薄く塗るときは弱い力が必要なことを、自然に身に付けられるからです。

さらに、絵の輪郭をなぞることは、鉛筆を握って動かす訓練にも。直線やカーブなどいろんな線をなぞると、自然と手の可動域がひろがり、スムーズに鉛筆を動かすことができます。ぜひ、親子で楽しく、塗り絵にチャレンジしてみてください!

「上手に書けた!」がやる気アップにつながる!

自分で思った通りに線が書けたり、色が塗れたりすると、子どもは達成感が得られます。正しい姿勢や鉛筆の持ち方を身に付けることは、上手に書けるようになる第一歩です。

正しい位置に紙を置くと、姿勢もよくなる

正しい位置に紙を置くと、姿勢もよくなる

紙やノートを置く位置は、右利きなら右腕の前、左利きなら左腕の前。紙に目を近づけすぎないように背すじを伸ばして、目の位置が紙から20センチ以上離れるように頭を上げましょう。体の正面や利き腕と反対側に紙を置くと、手で字が隠れてしまうので、上手に書けません。姿勢まで悪くなる要因になるので、注意しましょう。

適度な長さの鉛筆を使えば、正しい持ち方ができる

適度な長さの鉛筆を使えば、正しい持ち方ができる

鉛筆を持つときは、鉛筆の上側を親指と人さし指で軽くはさみ、下側を中指と薬指、小指を縦一列になるようにそろえましょう。親指が人さし指の上に重なったり、こぶしを握るように持ったりすると、手や指が動かしづらくなり、線が思うように書けません。鉛筆が短すぎると、このような悪い握り方になりがち。幼児の小さな手には、ある程度の長さが必要です。短くなってきたら、鉛筆ホルダーなどで長さを調節しましょう。

鉛筆は、2Bがおすすめ。やわらかいので筆圧が弱くても書きやすく、濃くしっかりとした読みやすい字になります。下敷きを使う場合は、やわらかい素材で少し厚めのものを使いましょう。鉛筆の先が紙にほどよく沈むので、筆圧を意識しながら書けるようになりますよ。

3ステップの大人の関わりから、子どもは書くことが好きになる!

3ステップの大人の関わりから、子どもは書くことが好きになる!

文字を書くことが好きな子にするには、大人の関わり方がとても大切です。間違った字を書いたり、上手に書けなかったりしても、ダメ出しをしないこと。次の3つのステップでやりとりをしながら、やる気を引き出しましょう。

ステップ1
子どもが書き終わったら、ほめる
できなかったところではなく、できたところに目を向けて、まずは「がんばったね!」とほめてあげましょう。

ステップ2
子どもに感想を聞いて、一緒に考える
子どもは自分なりに、「がんばったポイント」や「難しかったポイント」を話してくれるはず。がんばったところはしっかりほめながら、難しいと感じたところは、どうしたら書きやすくなるか、一緒に考えてみましょう。次回、難しかったところが上手に書けたら、その成長をたくさんほめてあげてください。

ステップ3
大きな花丸をあげる
最後は、書いた文字の上に、大きな花丸を書いてあげましょう。花丸が残ることで、達成感につながり、もっと書きたいという意欲を引き出すのです。

幼児期は、文字や言葉に興味を持って、「自分で書いてみたい!」「文字を書くって楽しい!」という気持ちを育むことが、とても大切だと思います。鉛筆を自在に動かすおもしろさを、ぜひお子さんに体験させてあげてくださいね。

この記事の監修・執筆者

ペン字・筆ペン教室 my MOJI(まいもじ)主宰 萩原 季実子

はぎはら きみこ/子どもの頃から手紙を書くことが趣味で、広告代理店・イベント企画会社の営業職時代、手書きの一筆箋やお礼状、封筒の宛名を独自の営業ツールとして、顧客獲得数1位などの華々しい営業成績を残す。2014年から自由が丘、表参道、渋谷などでペン字教室を開催。現在はオンライン講座もスタート。著書「誰でも一瞬で字がうまくなる 大人のペン字練習帳」シリーズ(アスコム)は累計23万部突破。1児の母。

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