忙しいとき、子どもにスマホで動画を見せること、ありますよね。でも、そんな「スマホ育児」が子どもに悪影響を与えるかも、と不安になることはありませんか?
動画の見せすぎは子どもの睡眠や発達を妨げるという研究結果がある一方で、見せる動画を上手に選べば、子どもの学習の大きな助けになることも事実。
今日は、子どもの成長や発達に役立つ動画の見極め方を、具体例と一緒にご紹介します。
2~9歳のインターネット利用時間は約85分! スマホ育児の現実
内閣府の調査によると、2歳から9歳までの子どもたちのインターネット利用時間は平均で約85分。しかも、そのうちの89.2%が動画視聴だそうです(※1)。
わたしたち大人だけでなく、子どもたちにとってもスマホで見る動画が身近になっていることがよくわかりますね。
無料で利用できる動画サイトも多く、しかも画面をスクロールすれば動画数はたくさん。放っておくと、子どもがずーっと動画を見ていた……そんな経験をした方も多いのではないでしょうか?
一方で、心配なデータもあります。イギリスのニューカッスル大学がオーストラリアの未就学児を対象に行った研究によると、スマホやタブレットなど画面を見ている時間が増えると、睡眠の質の低下と、言語・認知の発達の低下に結びつくことがわかったそうです(※2)。
では、子どもに一切スマホを触らせない方がいいのでしょうか? そんな単純な話ではありませんよね。どうしても手が離せないとき、子どもが黙って見てくれる動画に助けられることは多いのではないでしょうか。
音や映像で興味を惹きつけ、スマホがあればどこででも再生できる動画には、言うまでもなく多くの利点があります。
つまり、実際の生活に照らし合わせて考えると、一番大切なのはスマホを使わせすぎないこと。さらに、スマホの利用時間のほとんどが動画視聴であると考えると、子どもに見せる動画の内容をしっかり選ぶことが重要だといえます。
結局、子どもにとっての「いい動画」って何?
では、子どもに見せるのに適切な「いい動画」って何なのでしょうか?
保護者である私たちからすると、ダラダラと時間が過ぎるのではなく、子どもの成長や学習に役立つものが「いい動画」でしょう。学校の勉強の手助けになったり、未知の分野に興味をもったり、考える力を伸ばしたり……大人が子どもに望むものは数多くあります。
でも、子どもは思う通りにならないもの。いくら大人が「見せたい」動画でも、子どもが「見たい」と思わなければ意味がありません。
子どもは「将来の役に立つから」という理由で動画を選びません。子どもの動画選びの基準は明確で、「楽しい、おもしろい」かどうか。 つまり、大人から見た「子どもの役に立つ」という目線と、子どもから見た「楽しい・おもしろい」という目線が一致した動画こそ、「いい動画」といえるでしょう。
児童書編集部が選ぶ! 子どもにおすすめの動画3選
大人から見ると「役立つ」、子どもから見ると「楽しい」本を作り続けてきた、図鑑や絵本、科学キットなどの編集部に、「子どもにおすすめしたい動画」を伺いました。
①図鑑編集部おすすめ:地球史ナビゲーター/Navigators on the History of Earth|【国立科学博物館公式】かはくチャンネル
国立科学博物館は1877年に創立された、東京にある日本で最も歴史のある博物館の一つです。この動画は、その地球館の1階にある巨大スクリーンの映像を公開したものです。
圧巻なのは、地球の誕生から現代の私たちの進化の歴史が、壮大なスケールでダイジェストに語られる点。動画には文字での説明がほとんど行われず、ビジュアルだけで目まぐるしい変化を感じとることができます。
この動画を投稿している「かはくチャンネル」では、国立科学博物館の魅力を、動画で余すところなく紹介しています。子どもを博物館に連れて行くのはなかなか大変ですが、「かはくチャンネル」なら、手軽に科学の楽しさを体験できそうですね。
②絵本編集部おすすめ:まんじゅうこわい|100秒でわかる名作劇場
NHK Eテレ『ビットワールド』の中でも放映されている、日本や世界の名作が超高速でくり広げられる動画です。100秒、という名前のとおり、物語はテンポよく進みますが、物語の要点はしっかりおさえられています。
まだ長い物語文は読めなくても、小さなうちに名作に親しんでおくことによって、年齢があがるにつれて、自然に文章に親しめるようになるかもしれません。
③ドリル編集部おすすめ:小1算数「くり上がりのたしざん」|小島よしおのおっぱっぴー小学校
小島よしおさんは、2000年代からテレビで人気を博し、今でも根強い人気のある芸人です。早稲田大学出身なので、どこか知的なイメージもありますよね。
そんな小島よしおさんが、「小学算数」の内容をわかりやすく紹介するYouTubeチャンネルを開設していることを知っていましたか? チャンネルでは全学年の内容がまんべんなく紹介されており、小学2年で習う「九九」もバッチリ。
小島よしおさんの持ち味を生かした解説で、ふだんは「算数ギライ」の子も、つい笑いながら算数を勉強したくなっちゃうかもしれません。
賢い動画選びで「スマホ」を子育ての味方にしよう
動画の数々はいかがだったでしょうか? 同じ「スマホ育児」でも、見せる動画が違うだけで、その後の子どもに与える影響は大きく違います。
「でも、子どものために動画を選んであげる時間がない……」という方は、子どものための動画を制作・セレクトしてくれるサービスを利用するのも手かもしれません。
まなびチャンネルは、主に年長~小学1年を対象として、「好奇心の芽が育つ動画」を制作したり、セレクトして公開しているWebサービスです。2024年春の本格オープンを予定しており、現在はトライアル版がオープンしています。
まなびチャンネルはこちら
このようなサービスを活用して動画を賢く選ぶことで、スマホは子育ての大きな助けになります。スマホ子育ての不安を解消し、子どもの成長をサポートしましょう!
【参考元】
(※1)令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府)
(※2)Preschoolers’ screen time logs link to sleep and development(The University of Newcastle, Australia)
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