小学校入学までに身につけておきたいチェックリストの「コミュニケーション&学習編」。
ここでは、読み書きや計算といった学習面のほか、あいさつや約束などコミュニケーションに関わることについて、現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。
必要度A
あいさつ、返事ができる
大きな声であいさつできることは、すべてに通じる、というぐらいの気持ちで、家庭でも学校でも教えていきたいですね。相手をしっかりと見る、ということも大事です。
人の話を聞ける
うまく話せない子でも、人の話がよく聞ける子は、問題なく学校生活が送れます。
しかし、すぐにほかのこと(音・友だちの行動など)に気が行く、手遊びをしてしまう、ぼんやりしてしまう…などの行動が目立ち、その結果、話が聞けないときは、「注意欠陥・多動」などの可能性があるので、担任の先生と相談して、対処したほうがいいと思います。
自分や親の名前、住所が言える
自分の名前はどの子も言えると思いますが、住所のほうが必要なことがあります。入学直後の1か月は、多くの学校で1年生だけ集団下校します。その際、同じ方 向でグループを作るのですが、まれに自分の家がどこにあるのか、集合住宅の中の何号室なのかわからない子がいます。送っていくのが、必ずしも担任でなかっ たりするので、どちらも困ってしまいます。
もし、どうしても住所を覚えるのが難しい場合は、ランドセルの小さいポケットに住所など書いたカードを入れておいて、学校の先生たちから(あくまで、学校関係者だけにです。見知らぬ人には絶対に見せないようにします)家がどこにあるか聞かれたら、これを見せなさいと言い聞かせておくとよいでしょう。
自分の名前の読み書きができる
入学直後からどんどんプリントに名前を書いたりします。名前だけは、書けるようにしておきましょう。
生活の中で数にふれ、数を数えることができる
算数は、最初に1から10までの数を学びます。ここまでできているとよいでしょう。
必要度B
簡単な約束が守れる
学校にもルールとマナーがあります。幼稚園や保育園、家庭で、これまで言われてきたことが守れれば、学校でもほとんど大丈夫です。
やりたいことを人に伝えることができる
個人差が大きいですが、「困ったときは、先生にだけ言うんだよ」と言い聞かせておいてください。内向的なお子さんも、慣れると自分で言えるようになります。
わからないことを質問できる
これも個人差が大きいですが、集団生活の中で次第に身に付けていくことができると思います。
ひらがなの読み書きができる
入学してからひらがなを学ぶことになっています。とはいえ、名前は書けるようにしておき、ひらがなは、書けなくてもかんたんな絵本などは読めるようになっていると、スムーズに学習が進められます。
でも、ひらがなをすらすら読めなくても、ほとんど書けなくても、夏休み前ごろには、みんなとほとんど同じくらいになります。あせらなくても大丈夫です。
もうひらがなを全部書けるよ、という子より、むしろ初めてひらがなを学ぶ子のほうが、授業に真剣に集中して取り組みますし、書く字も丁寧で、好感がもてることが多いものです。
必要度C
机に向かう習慣がある
これは教室という集団の中で、習慣づけていきます。座っていられない子がまれにいますが、学習態度の一つとして指導していきます。前述の「注意欠陥・多動」などの場合は、保護者と手を携えて、個別に指導していくことになります。
この記事の監修・執筆者
ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。
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