小学校入学がどんどん近づいてきますね。
幼稚園や保育園とは違う環境で子どもが上手くやっていけるか、不安な方も多いのではないでしょうか。
そこで、入学までに身につけておきたいことを「学校生活編」「家庭生活編」「コミュニケーション&学習編」に分けてご紹介します。
ここでは、学校生活で必要な食事や着脱に関する項目を中心に、必ず身につけておきたいことから、入学後でも間に合うものまで、A、B、Cの3段階にランク分けしました。ぜひご参考になさってください。
必要度A
一人で着替えができる
「体育」の時間の前に、着替えをします。机の上を片付け、トイレに行ったりしていると、体操着に着替えるのに5分間しかありません。
入学当初は、かなり時間をとって練習しますが、個人差がとても大きいです。「体育」の授業のある日は、ボタンやベルト、ホック、ファスナーなどがないもの(例:トレーナーとズボンなど)を着せるとよいと思います。
お箸を正しく使える
使えるというだけでなく、正しく使うことができるというのがポイントです。6年間かけてできあがった習慣です。これを学校で矯正するのは、ほぼ困難です。
ただ、すでにつかみ箸などが見られるときは、入学を機に「直してみようか」と言って、矯正に挑戦してみるといいかもしれません。
正しくえんぴつを持てる
これも「箸を正しく使える」と同様です。学校でも正しい持ち方を教えますが、実際には、もう「くせ」がついていて、矯正するのが難しい場合がほとんどです。 1年生で直せないと、上の学年ではまず直せません。
必要度B
脱いだものをたためる
できるにこしたことはありませんが、上記の「着替え」ができるのであれば、次第にできるようになります。
最初は、自分が脱いだものをうまくたためないので、体操着袋にぎゅうぎゅうに入れることになります(学校や先生によっては、体操着袋に入れないで、たたんで 積んでおくこともあります)。
着替えやたたむのが苦手なお子さんは、体操着袋を大きめなものにしてもよいでしょう。たたむのに苦労している子ほど、体操着袋が小さくて、よけいに時間がかかっていることがあります。
ごはんをよそえる
家庭でも使われなくなったぞうきんやほうきと違い、ごはんをよそうシーンは、子どもが見る機会も多いので、見よう見まねでやろうとします。これもできるにこしたことはありません。
でも、子どもの様子をみていると、ごはんをよそうことより、よそったごはんをしゃもじでぱんぱんと叩くのに一生懸命です。その子どもにとってはそれが毎日見る光景であり、その行為が魅力的なんでしょうね。
雨具(傘、雨がっぱ)をたためる
入学式の翌日に、すぐ雨が降ることがあります。新入生は、大きなランドセルを背負い、雨がっぱを着て、傘をさして登校しなければなりません。登校後は傘をた たみ、かっぱを小さくたたんで、ビニール袋にしまいます。これは新入生にとって大仕事です。
最初の1ヶ月は、お世話係の6年生などがやってくれますが、ご家庭でもたたみやすい傘をもたせる、ビニール袋を持たせるなどの配慮をしてください。
必要度C
時計を見て行動ができる
時計の学習は、算数での大事な単元です。
その前に、数字をしっかり書く学習をするので、そこからで大丈夫です。
教室で指導するときは、「時計の長い針が6になるまでに、教室に戻りましょう」という言い方をします。それが定着してから、「あれは、○時30分と読みますね」などと、発展させていきます。
ここで、ぜひ各ご家庭にお願いしたいのは、針と数字を示すアナログ時計を家の中に置いていただきたいということです。以前、なかなか「時計」が理解できない子がいたので、よくよく話を聞いてみると、家にはデジタル時計しかなかった……ということがありました。
ぞうきんを絞ることができる
ぞうきんを絞るやり方は、理にかなった方法でやらないと筋肉を傷めるので、私の場合は、しっかりと学校で教えたいと考えています。
最近はあまり家でもぞうきんがけをしないようなので、たまにすごく上手な子がいると、すぐお手本になってもらったりします。お母さんが上手だと、子どももよく見ているようです。
ほうきで掃くことができる
ほうきを使ってそうじをするのは、もはや学校だけではないかと思うことがあります。文化財の伝承のつもりでしっかり指導します。これも、家でほうきを使っている様子を見ているかどうかが、子どもに影響するようです。
この記事の監修・執筆者
ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。
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