現在の小学生はデジタルネイティブ世代で、生まれた時からインターネットが身近にあります。
また、政府のGIGAスクール構想推進によって、多くの学校でタブレット端末が1人に1台配布されるようになりました。
そのような中で、小学生のお子さんのインターネット利用に関して不安をお持ちの保護者のかたも多いのではないでしょうか。
今回は、インターネット利用に関するアンケートを通して、お子さんへの対応の仕方などを探っていきます。
文/マムズラボ
親の不安で多いのは視力低下や睡眠不足など健康的な問題
小学生の子どもを持つ親に対して行われた、セコム株式会社の「小学生の安全対策に関する意識調査」にて、「お子さまの安全面についてどのような不安がありますか」という質問に対し、53.6%が「インターネット上のトラブル、危険」に関して不安を感じていると回答しました。
また、同調査の「学校の授業以外で、お子さまだけでインターネットを利用することがありますか。」という質問に対して、「ほぼ毎日ある」「ときどきある」と回答した親の合計は77.5%にも上っていました。子どもたちは日頃からインターネットに慣れ親しんでいる様子が伺えます。
また、「お子さまのインターネット利用について、どのような不安がありますか。」という質問に対しては「視力の低下や睡眠不足など健康上の問題」が70.7%、次いで「悪質サイトへのアクセス」と「課金によるトラブル」が57.2%と続いています。
さらに、「いじめなどの友人間のトラブル」が51.2%、「知らない人とのメッセージのやりとり」も49.8%と高い傾向にあります。
「お子さまのインターネットの利用について、どのような安全対策をしていますか。」という質問に対しては、「使用する時間帯、場所、限度時間を決めている」が61.9%、「勝手に課金しないように約束している」が51.9%という結果になっています。
しかし、「フィルタリング設定を行っている」は32.6%と、ルール設定よりも強制力のある端末利用に時間制限をかけているご家庭は半分以下です。
高学年になるにつれ、睡眠時間を削ってネットを利用する傾向が見られる
学研教育総合研究所の「小学生白書(2021年)小学生の日常生活・学習に関する調査」によると、日本全国の小学生(1~6年生)1,200人に「睡眠時間を削って、深夜までパソコンやスマホをすることがありますか。」と質問したところ、「よくある」のは5.3%、「ときどきある」のは20.7%で、合計で26.0%となりました。
学年別に注目してみると、「よくある」もしくは「ときどきある」の合計が、小学1年生では21.1%ですが、小学6年生では31.1%と10%も高くなっています。
とくに女子は、小学1年生では17.1%ですが、小学6年生になると32.6%にも上り、約15%も上昇しています。
高学年になるにつれてインターネットの利用時間は長くなる傾向があり、深夜にまで及ぶことも増えてくるようです。
先ほどのセコム株式会社の調査では、お子さんのインターネット利用について半数以上の保護者のかたが「使用する時間帯、場所、限度時間を決めている」ことがわかりましたが、保護者が寝た後など、目の届かないところで長時間インターネットを利用していることも考えられます。
学年が上がると自分用のスマホを持つお子さんも増えてきて、友だち同士のスマホ上でのやりとりも増えてくることでしょう。スマホやパソコンの使い方について、親子でルールを確認するだけではなく、保護者の目の届かないところでも適切に利用するよう工夫をしたいところです。
インターネットを安全に利用するための方法とは?
アンケートの結果を踏まえると、子どもの健康への不安などを解消するためには、やはり親がしっかりとインターネットの使い方を管理することが大切です。
インターネットの利用時間を管理するには、しっかりと「スマホやタブレットなどの端末に時間制限をかける」ことが有効です。
学校から配布されたタブレット端末については、「21時になったらインターネットに繋がらないようにする」など、あらかじめ時間制限が設定されているケースも多くみられますが、個人で設定が必要な場合もあるため、お子さんが使用している端末を確認してみましょう。
また、普段お子さんが使うスマホにも、利用時間の制限など適切なフィルタリングを行いたいものです。
総務省が推奨するフィルタリングサービスやアプリの設定
総務省では、子どもが安全にインターネットを使うために、保護者がインターネットの利用環境を整える「ペアレンタルコントロール」を推奨しています。ペアレントコントロールは、携帯電話会社のサービスや、スマホ・パソコンのOS上で設定できます。
例えば、有害なサイトやアプリの利用を制限する「フィルタリング」や、個別に利用時間を設定する「カスタマイズ機能」などがあり、目的に応じて設定可能です。
フィルタリングサービスやアプリには、小学生・中学生といった学齢や年齢区分に合わせたわかりやすい設定があらかじめ設けられているので、この機能を活用するのもよいでしょう。
しかし、高学年になると小学生の学齢設定だと実情にそぐわないこともあります。よりきめ細かい設定をしたいときにはカスタマイズ機能を利用しましょう。
例えば、高学年になったら「中学生」の設定にし、その上でカスタマイズ機能を組み合わせることで、安全にインターネットを利用することができます。
総務省では、スマホだけではなくゲーム機やタブレット端末、おさがりの機器なども、ペアレンタルコントロールを実施するよう呼びかけています。
普段お子さんが使用する端末だけではなく、これらの端末にも忘れずに設定してください。
大切なのは端末の設定で利用を制限するだけではなく、親子でルールを決めた上で、お子さんがインターネットを上手に活用できるようになることです。「タブレットは1日1時間まで」など親子でルールを設定し、お子さんの使い方を確認しながら必要に応じて見直しをするようにしましょう。
<出典>
セコム株式会社「小学生の安全対策に関する意識調査」
https://www.secom.co.jp/corporate/release/2021/pdf_DL/nr_20220302.pdf
調査対象: 全国の小学生の子どもをもつ男女400名(25-59歳)
([小学校低学年・高学年]×[男児・女児]×[男性・女性]の組み合わせで各50名)
調査期間::2022年1月24日~25日
調査方法: インターネットによるアンケート回答方式
<参考>
総務省「フィルタリングや時間管理等で上手にコントロール」
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/reference/filtering.html
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