子どもの小学校入学と同時に発生する、子どもの預かり時間についての問題。“小1の壁”とも言われ、多くの働く保護者たちの悩みとなっています。
小学校の登校時間と保護者の出勤時間が合わない場合はどのように対応すればよいのでしょうか。
実際に、これらの問題を解消すべく、早めの登校を許可する自治体なども出ているようです。
現状の、朝の“小1の壁”についてまとめてみました。
“小1の壁”とは?
そろそろ春休みに入る園も増え、お子さんが入学を控えているご家庭では、さまざまな手続きや準備に追われている頃でしょうか。
小学校に入ると、保育園や幼稚園の時とはかなり環境が変わるため、子どもたちは期待と不安が入り混じり、ワクワクドキドキしていることでしょう。
そして、子どもたちと同様に、保護者にとっても新しい生活が始まります。
共働きなどで日中家で子どもを見る大人がいないという家庭では、保育園や幼稚園の時よりも子どもを預かってもらえる時間が短くなるため、保護者の勤務時間を調整する必要が出てきます。
このような問題は“小1の壁”と言われ、どうしても時間を調整できない家庭では、どちらかの保護者が時短勤務に変更したり、退職することを余儀なくされる場合もあります。
「朝7時登校」が可能な自治体も
そのような問題を解消すべく、早い時間に出勤する共働き家庭のニーズに合わせ、子どもたちが朝7時に登校できる取り組みを始める自治体も出てきました。
東京都の三鷹市では、昨年11月から市内の小学校の校庭を始業時間より1時間前に開放しています。教職員の負担が増えないように、開門作業や子どもの見守りは業者に委託し、1校あたり2人の人員を配置しています。
また、大阪府豊中市では、令和6年度から市内すべての小学校で朝7時に校門を開放し、登校時間の午前8時まで体育館などで自習をして過ごせるようになります。こちらも、警備員が朝7時に校門を開け、1校に2人ずつ民間のスタッフを配置させる予定です。
学校における働き方改革の取り組みが進む中、このような対応を教職員には求めず、民間業者に委託することは、児童、保護者、教職員すべてが満足し安心できる、すばらしい取り組みなのではないでしょうか。今後もさまざまな自治体に広がることを期待したいですね。
登校時間より早く登校することの問題点
そして、まだこのような取り組みがされていない小学校では、子どもたちが決められた登校時間よりも早く登校し、校門が開くまで待っているような状況が見られるようです。
しかし、見守る大人がいないため、万一の事故やトラブルに巻き込まれる可能性も考えられます。下校時の不審者についての危機管理には注意していても、登校時の不審者についてはあまり強く警戒していない方も多いかもしれません。
実際に、千葉県警が出している令和5年中にあった不審者情報によると、14時台~17時台の下校時間に次いで、登校時間の7時台に被害にあうケースが多くなっています。
「ちょっとくらい早くても大丈夫」と思わず、やはり登校時間はきちんと守ったほうがよいでしょう。
また、「小学校が少しくらい早く開門してくれてもいいのに」との考えもあるかもしれませんが、過去に小学校で発生した不審者による事件などを受け、文部科学省が策定している学校向け危機管理マニュアルでは、登下校時以外は原則として校門を施錠するよう求められています。
“子どものために”登校時間より早く開門することはできないのが現状です。
保護者の出勤時間が登校時間より早い場合の対応は?
ただ、子どもを一人だけで家に残して出勤することも、早く登校させることと同じくらい不安ですよね。
どうしても保護者の勤務時間が調整できない場合は、祖父母や親戚にお願いする、自治体のファミリーサポートを利用する、といった方法もあります。
また、同じような状況の保護者で協力して、順番に子どもを預かるのもオススメです。
いずれも調整などが大変ですが、低学年の間はできるだけ周りの人と協力し合いながら、子どもを見守る方法を探したいですね。
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