子育てをしていると子どもと意見がぶつかり、ときには喧嘩に発展してしまうこともあるでしょう。仲直りのタイミングを逃すと、お互い気まずい思いをしてしまいます。
そこで本記事では、親子喧嘩を悪化させないためにぜひ知っておきたいことをご紹介します。仲直りのコツやNGな対応についても解説しますので、ぜひご一読ください。
文/マムズラボ
親子喧嘩ってしないほうがいいの?
個人差はあるものの、子どもが小学校中高学年にもなると自己主張が強くなり、保護者と意見が異なることも少なくありません。ときには、親子喧嘩に発展してしまうこともあるでしょう。
親子喧嘩は、子どもはもちろん、保護者にとってもストレスになります。しかし、保護者と子の主張がぶつかり合うことは、子どもの成長にとって決して悪いことばかりではありません。
文部科学省の調査によると、大人からたくさんほめられたり、叱られたりした経験を持つ子どもは、生活習慣や道徳観・正義感が身についている可能性が高いことがわかっています。(※1)
親子喧嘩を通して、子どもは「自分にとって何が大切なのか」を自分自身で考え、自分の意見や気持ちをことばで伝える練習をします。また、お互いに本音をぶつけ合うことで、子どもは保護者から愛されていると実感することもあるでしょう。
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親子喧嘩にまで発展しないために注意しておくべきこと
子どもの成長によい影響をえることもあるとはいえ、できるなら親子喧嘩はしたくないという保護者が多いでしょう。
ここでは、そもそも親子のすれ違いを親子喧嘩にまで発展させないために、保護者が注意することについて解説します。
子どもの言動にイラっとしても、一旦一呼吸置く
子どもの言動に怒りを感じても、すぐに口に出さず、一呼吸置くようにしましょう。怒りの感情に任せて子どもを叱ってしまうと、子どもを傷つけるようなことばや理不尽なことばを発してしまうおそれがあります。
深呼吸をして、怒りが収まるまで数秒待ちましょう。爆発的な怒りの感情は瞬間的なものであるため、数秒間待つだけで少し冷静になれるはずです。
何にでも口を出さないようにする
部屋が散らかっていたり、宿題をすぐにやらなかったりなど、ついつい口を出したくなることはあるでしょう。もちろん、注意すべき点は注意するのが保護者の役目です。とはいえ、気になる点を細かく注意しすぎれば、子どももカチンときて親子喧嘩に発展してしまいます。
子どもが高学年になったらとくに「このくらいは大目に見てもいいかな……」と思える部分は、あえて見逃してあげることも大切です。
日常的にいいところを認めてほめる
毎日のように口うるさく注意されていると、子どもも反抗したくなります。また、常に否定されたり悪い点ばかり指摘されたりしていると、相手が保護者であっても心を閉ざしてしまうことも考えられます。
親子喧嘩に発展させないために、できるだけ子どものよいところを見つけて、たくさんほめてあげましょう。
親子喧嘩になったときに仲直りするためのコツ
親子だからこそ、なかなか仲直りできない……なんてこともあります。とくに、本音をぶつけ合ったあとは、気恥ずかしさからお互い避け合ってしまい親子喧嘩が長引いてしまうことも少なくありません。
ここからは、親子喧嘩になったときに仲直りするコツをご紹介します。
その日のうちに仲直りするよう心がける
親子喧嘩に限らず、喧嘩は長引けば長引くほど仲直りが難しくなります。時間の経過とともに怒りは収まっているのに、どう声をかければよいのかわからなくなって、気まずくなってしまうことも珍しくありません。
そのため、親子喧嘩をしたときは、できるだけその日のうちに解決することを心がけましょう。
保護者も悪いと思ったことはきちんと謝る
親子喧嘩をしたときに、保護者にも悪い点があれば子どもに謝ることも大切です。たとえ喧嘩の原因が子どもにあったとしても、「きつく言い過ぎてしまったかもしれない」などと感じたら保護者も謝りましょう。
折れるのは負けたようでイヤだ、と意地を張りたくなる気持ちもわかりますが、大人として「謝罪のお手本」を見せるよい機会です。保護者が先に謝罪すれば、子どもも「自分も悪かった」と反省し、謝るきっかけになるはずです。
挨拶などのコミュニケーションから会話のきっかけをつくる
親子喧嘩中は、お互い意固地になって「口もききたくない!」といった状態のときもあります。しかし、まったく口をきかない状態が続けば、仲直りのきっかけがつかめずに親子喧嘩は長引く一方です。
お互いに気まずいときほど、保護者のほうから「おはよう」や「いってらっしゃい」といった、日常的な挨拶を心がけましょう。挨拶をきっかけにお互いの気持ちが和らぎ、仲直りしやすくなります。
親子喧嘩を悪化させる、してはいけないNG行為
保護者の言動から大きな親子喧嘩に発展してしまうことも少なくありません。保護者は「ちょっとしたこと」と思っていても、子どもにとっては大きなことかもしれません。どのような言動が親子喧嘩をエスカレートさせてしまうのでしょうか。親子喧嘩を悪化させてしまうNG行為をご紹介します。
感情的になって怒りをぶつける
気持ちを伝えることは必要ですが、カッとなって感情的に怒りをぶつけても、喧嘩はエスカレートするばかりです。
感情的になってしまったときは、一旦その場を離れるなどして、落ち着いて相手と話せる状態になってから話すことを心がけましょう。
過去の話を持ち出す
親子喧嘩をしていると、つい過去の話を持ち出してしまいがちです。「あのときもこうだった」「ずっとこう思っていた」など過去の話を持ち出すと、話が脱線してしまい、さらに喧嘩が長引いてしまいます。
今は今、過去は過去と割り切って話すことが大切です。まずは深呼吸して今の問題に集中しましょう。
子どもの人格を否定する
「何をやってもダメね」「だから信用できないのよ」などといった、存在や人格を否定するようなことばは、子どもの心を深く傷つけてしまう可能性があります。場合によってはトラウマとなり、親子であっても関係を修復するのが難しくなってしまうことも考えられます。
たとえ相手が子どもでも、相手の人格を否定するようなことばは使ってはいけません。もしも使ってしまったら、すぐに謝りましょう。
親子喧嘩は悪いことではないものの、してしまったらその日のうちに仲直りをしよう
親子関係は、長い人生のなかで変化していくものです。距離が近くなったり遠くなったり、ときにはぶつかり合うこともあるでしょう。親子喧嘩にまで発展してしまったときは、本記事でご紹介したNG行為に気をつけつつ、できるだけその日のうちに仲直りできるように心がけましょう。
保護者が子どものよいところに目を向け、気持ちを理解しようと努めることが、将来にわたって長く続く信頼関係をつくり上げる基礎になります。
【参考元】
(※1)文部科学省「第2章 青少年の意欲をめぐる現状と課題」
この記事の監修・執筆者
作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』
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