【集中力低下の原因に⁉】子どもに増えている口腔機能発達不全症の対策法【チェックリスト付】

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【集中力低下の原因に⁉】子どもに増えている口腔機能発達不全症の対策法【チェックリスト付】

マスク生活と口呼吸で、子どもの口 の機能が未発達かもしれないことをご存じでしょうか?
「口腔機能発達不全症 (こうくうきのうはったつふぜんしょう)」は長引くマスク生活での口呼吸が原因のひとつともいわれています。
早期改善が望まれるため、本記事ではリスクや危険信号、予防法についてご紹介します。

文/マムズラボ

目次

マスク生活と口呼吸が引き起こす「口腔機能発達不全症」とは?

2018年に新たな病名に制定された「口腔機能発達不全症」。
口腔機能発達不全症とは、18歳未満 の子どもにおいて、「食べる」「話す」「呼吸する」などの口腔機能が十分に発達していない、もしくは正常に機能獲得ができていない状態のことを指します。

今、その原因のひとつとして挙げられているのが、長引くマスク生活。呼吸器機能が発達途上の子どもは、マスク着用の息苦しさから口呼吸になりがちのため、口腔機能の発達や成長を妨げてしまうのです。

オススメ記事:【実は危険!? 子どものいびき】睡眠時無呼吸症候群の疑いも!?[医師監修]

「口腔機能発達不全症」の可能性がある症状やリスクとは?

(※1)

口腔機能の発達不全を示す症状の調査では、なんと約5人に1人の子どもに症状が見られるという結果に。ここでは、どのような症状やリスクがあるのかご紹介します。

症状

気がつくと口が開いている「お口ポカン」や、鼻がつまっていないのに「いびきをかく」などの症状があったら、口腔機能発達不全症が疑われるかもしれません。

ほかにも、「やわらかいものばかり好んで食べている」や「なかなか飲み込まない」「片側の歯・あごばかりで噛んでいる」といった行動も重要なサインです。

リスク

「口腔機能発達不全症」は、放っておくとさまざまなリスクを引き起こします。

・むし歯
・歯周病
・歯並びが悪くなる
・感染症
・やせや肥満など成長への悪影響
・顔の変形
・姿勢が悪くなる
・呼吸がしづらくなる

上記を見ると、口周辺だけでなく全身に影響を与えることがわかります。
また、呼吸が正常にできず慢性的な酸素不足になると、集中力が低下し、勉強や習い事にまで悪影響を与えかねません。子どもの口腔機能の発達不全は、実はとてもリスクが高い症状なのです。

「子どもの口腔機能発達」を意識している保護者は3割未満

「口腔機能発達不全症」という新たな疾患名が付けられたということは、むし歯同様気を付けなくてはいけない状態ということ。しかし、口腔機能発達不全症について対策をしている保護者はどれぐらいいるのでしょうか。

(※1)

株式会社ロッテが、全国の3〜12歳の子どもを持つ親を対象に「子どもの口腔機能発達」に関する意識調査を実施したところ、「普段から意識している」との回答はわずか3割未満 という結果になりました。「むし歯予防について普段から意識している」と6割以上が回答したことに比べると、口腔機能の発達については関心度が低いということがわかりました。

また、マスクで口元が隠されているため、周囲が気づきにくいという弊害もあります。健全に発達しているかどうか、見逃しやすい状況なのです。

口呼吸で予備軍入り!? 「口腔機能発達不全症」チェックリスト

「我が子はもしかしたら口腔機能発達不全症かも…」と不安になったおうちのかたは、以下のチェックリストを参考に、お子さんの口元をよく観察してチェックしてみてください。
複数当てはまるようなら、歯科医院 に相談することをオススメします。

【腔機能の発達不全チェックリスト】

□気がつくと口が開いてあごが上がっている
□鼻はつまっていないのにいびきをかく
□やわらかいものばかり好んで食べる
□食べ物を口に入れてからなかなか飲み込まない
□片側の歯・あごばかりでかんでいる
□歯が生えるのが遅い
□歯並び・かみ合わせが悪い
□滑舌が悪い

マスク生活でも「口腔機能発達不全症」を防ぐために取り組める方法4つ

“口育(こういく) ”という言葉をご存じでしょうか。これは、口腔機能の正常な発達を促進することにより「口腔機能発達不全症」を防止し、正常で健康な心身の発達を目指す取り組みのこと。歯みがきやお箸を使うことと同様に、食べる・話す・呼吸するなどの口腔機能の使い方を丁寧に教えていくことが必要だと考えられています。

「口腔機能発達不全症」を防ぐために、おうちでもできる予防法を4つご紹介します。

1.口を閉じる

お口ポカン状態を改善するため、口周りの筋肉“口腔周囲筋”を鍛えましょう

1.顔全体を両手で覆います
2.手のひらを使って、口の周りをくるくるとマッサージしましょう
3.同じく手のひらで、両側の頬を中心にくるくるとマッサージしましょう
4.そのままこめかみまでくるくるとマッサージしましょう

2.よくかんで食べる

食事の際は、ひと口あたり30回以上かむとよいといわれています。よくかむためのポイントがあるので、参考にしてください。

・歯ごたえのある食材を選ぶ
・食材を大きめに切る
・薄味にする
・口いっぱいに詰め込まない
・ながら食べをしない

3.飲み込む力を鍛える

食べ物を飲み込む力“嚥下力(えんげりょく)”を高めると、「口腔機能発達不全症」の予防のほか、食事をよりおいしく食べられる効果もあるそうです。トレーニングで喉を鍛えましょう。

1.喉に手を当てたまま、あごを少し引く。ゴクッと飲んで、出っ張ったところを上げましょう
2.そのまま5秒間キープ
3.喉から手を離して、息を一気に吐き出しましょう。おなかからしっかりと吐き切るのがポイントです

※呼吸器疾患がある場合は避けてください

4.フーセンガムを使った口トレーニング

口周りの運動には、シャボン玉や吹き戻しなど口を使った遊びが効果的です。フーセンガムを膨らませることも、楽しく口周りの運動ができるためオススメです。
親子で挑戦してみましょう。

親子でできる口トレーニングで、口呼吸や口の悩みを改善しよう

長引くマスク生活が「口腔機能発達不全症」を引き起こす原因のひとつになってしまいましたが、だからこそ、口腔意識を高めるチャンスでもあります。また、政府が、2023年3月13日からマスクの着用は屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねることを決定しました。これにより、今後マスクを外す時間が増え、口腔に対する意識が上がることが期待できます。

子どもの健やかな成長のため、保護者が注意深く観察したり、親子で口腔トレーニングをしたりと口元への関心を高め、「口腔機能発達不全症」を予防しましょう。

【引用】
※1株式会社ロッテ「口育意識調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001776.000002360.html

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