小学生の保護者の多くがランドセルの中でぐしゃぐしゃになった「学年だより」を発見、という体験をされていることでしょう。
でも園や学校からの連絡といえば紙のプリント、というイメージは過去のものになりつつあるかもしれません。
Classiが実施した「公立小中学校における保護者連絡用デジタルツール(メール配信ツール、保護者連絡網アプリなど)の導入状況に関するアンケート調査」の結果が発表されました。
文/マムズラボ
管轄校すべてが連絡にデジタルツールを導入しているのは全体の60%程度
このアンケートは全国地方自治体の教育委員会・教育関連部署800団体に対して電話調査で行われたもの。
「学校~保護者間の連絡手段で、メール配信ツール、保護者連絡網アプリのようなデジタルツールを導入していますか?」という問いに対して以下の回答がありました。
「管轄校すべてが導入している」60%
「管轄校の一部では導入している」34%
「導入していない」3%
なんと半数以上、60%の教育委員会・教育関連部署がすべての学校で導入していると回答しています。
また、そのツールの導入主体については、54%が教育委員会・自治体主導で導入を進めたと回答しています。
連絡手段1位はEメール
「現在 連絡網ツールは主に何を利用されていますか?」という問いに対してメールが最多、連絡ツール、電話が続く結果になりました。連絡帳を活用している学校もあります。
「学校ごとに状況が異なり、自治体が各校の状況を把握していない例も多数見受けられました」と調査結果では伝えています。
運用面でも課題あり
運用面の課題については、次のような声が上がっています(自由回答)
「システムから添付資料を送れない」
「費用負担がネックとなっている」
「無料ツールの場合、広告が表示されてしまう」
「保護者がツールの登録方法がわからず説明に手間がかかる」
デジタルツールが使われている例
文部科学省の「StuDX Style」(出典: https://www.mext.go.jp/studxstyle/index.html )では、学校でのICT活用・実践の事例が集められています。
その中に保護者との連絡をデジタル化しているものがいくつかありました。
例1
学年だよりをオンラインで配信。スマホで見やすいほかカラー写真が多用されるようになった。
先生も印刷の手間から解放された。
例2
子どもが欠席する際の連絡を電話からオンラインに変更。
学校の事務室が電話を取り次ぐ必要がなくなり、負担が軽減された。欠席している生徒の情報を担任だけでなく養護教諭も把握できるようになった。
例3
個人懇談の日程をオンラインアンケートで回答。紙のやりとりがなくなるため時間が節約できた。
表計算ソフトに自動集計されて先生の負担も軽減。
先生・保護者の負担を軽くする連絡方法を
多くの自治体では連絡用のデジタルツール導入に向けて意欲的に取り組んでいることがわかりましたが、学校の状況を把握していない教育委員会も多々あるようです。
いまだに電話連絡に頼っている学校も少なくありません。
連絡帳や学年だよりなど、紙の連絡ツールは味わい深いものですが、緊急時の対応や連絡漏れなどに弱いのも事実。また、電話連絡は確実に伝わるものの、先生・保護者双方に大きな負担がかかります。
ほとんどの保護者がスマホやパソコンなどデジタルツールを使いこなしている現在、学校からの連絡手段にデジタルツールの導入を望む人は少なくないでしょう。
<出典>
公立小中学校における保護者連絡用デジタルツール導入状況について調査
URL:https://corp.classi.jp/news/2615/
調査対象:全国地方自治体の教育委員会・教育関連部署800団体
調査期間:2021年10月1日(金)~ 2021年11月29日(月)
調査方法:電話アンケート
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